蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

漢字に関する色々なことを発信して行きます。中国語も有りますよ!

「しのぐ」

2009年06月27日 | 「語句」「言葉」~動詞扁(あ行~な行)
【「しのぐ」】

一般に「凌、淩、陵」が変換出来ます。

「しのぐ」を大辞林で調べてみます。
①苦痛や困難に屈しないで、耐えしのぶ。
  苦難を乗り越える。また、防ぎ止める。
  「弾圧を―・ぐ」「飢えを―・ぐ」「―・ぎやすい気候」「雨風を―・ぐ」
②あるものを超えてそれ以上になる。…にまさる。
  「若者を―・ぐ気力」「身長では兄を―・ぐ」「全盛時を―・ぐ人気」
③押さえつける。押し伏せる。
④草や波を押しわけて進む。
⑤侮る。軽んずる。

★①と②が、現代日本語で、それ以外は、古語


<「しのぐ」と再変換できるもの>
一般的:凌、淩、陵
 先ず、上記のの声部として「夌」


リョウ/* ling2
<しのぐ、越える、侵す><おか、大きな丘>
<次第にすたれる>
0298/02162


そして“本題”


リョウ/* ling2
しのぐ <こえる><あなどる><いりまじる><こおり>
≪しのぎ、たかし≫ ∴凌霄花:のうぜんかづら
0148/00796
漢語林:
氷(冫)が丘(夌)のように盛り上がって「こおる」の意味。⇒「上になる」



リョウ/* ling2
しのぐ <はしる><おそれる>
0777/06315
漢語林:
水(氵)が高い所(夌)を越えて行く(=しのぐ)の意味。
★凌と淩とは、別じであるが、通用して用いる



リョウ/* /ling2
みささぎ しのぐ <おか><ゆるむ><せまる>
<けわしくきびしい><とぐ>≪みさき≫
∴陵霄花:のうぜんかづら
1393/12842
漢語林:
越えて行かなければならない「おか」の意味。
甲骨文では、“阝”:おか“圥”:足をあげる人、“夊”:足跡、☛「人が丘に登る」の意味


<意味合いから「しのぐ」と読ます漢字>
●「上に乗る」⇒「上になる、…にまさる」

乗 乘 椉
①ショウ/ジョウ ②ショウ/ジョウ
①cheng2 ②sheng4
のる のせる <しのぐ><はかる><かける><ふたつ>
<記録>
0040/00084・00085
0679/05397
~“椉”は本字、“乗・乘”は俗字


侮 侮(旧字体は“毎”の部分は“母”の形)
ブ/ム wu3
あなどる あなどり <しのぐ>
0094/00334・00335
~「あなどる」「人を見下す」⇒「自身が上になる」
~語句調べ⑤「侮」から



ブ/ム wu3
たけし <威力><武器><もののふ=武士><兵法><あと>
<しのぐ><つぐ><一歩の半分の長さ><舞楽の名>
<かんむりまき><金属製の楽器>
0712/05846
~「武力で押さえつける」⇒「上になる」



①セキ/シャク ②シャク/サク ①ji2 ②que4
ふむ <しのぐ><ける><はせる>
1267/11497
~「ふきつける」ことから「上になる」



①ヒョウ/ビョウ ②ホウ/ブウ ③フン/ブン 慣用:フウ
①ping2 ②feng2 ③***
<馬が速く走る><しのぐ>(よる)<よりかかる>
たのむ <川を徒歩で渡る><さしはさむ><むさぼる>
<たすける><大いに><さかんなさま><姓><いきどおる>
1455/13400
~「憑依:ヒョウイ」のように「乗り移ったような状態」⇒「上になる」
また、「馬が速く走る」ことから「上位になる」
⇒「しのぐ」



カ/ケ 慣用:ガ jia4
<車に牛馬をつける> のる <使いこなす><乗り物>
<馬><伝える><加える><しのぐ><軍隊を出動する>
≪よろこぶ≫
1457/13421
「駕籠:昔の乗り物」のように人・ものを担いで運ぶもの⇒「持ち上げる」⇒「上になるもの」


<その他>

シュウ/シュ qiu2
どじょう <熟語:海鰌:くじらの一種:せみくじら、兵船の名><しのぐ>
1487/13794
~調査中~


<総評>
「しのぐ」は、「耐えしのぶ」「乗り越える」や「上になる」ことと覚えたり!



最新の画像もっと見る