金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

混乱の増すグリーン調達事情20

2018-06-25 23:17:52 | グリーン調達
≪RoHSでなぜ自滅したのか≫
なぜRoHS指令という法律ひとつちゃん
と運用できなかったのだろう。
ちょっとだけ入り組んだ対象をほぐし
て理解する力不足を感じました。
考察してみました。

1.なぜ6物質を危険物質と思えたか
英語力に残念さが残りますが次のよう
に考える人はでなかったのだろうか。
「危険物質」なら徹底的に排除しない
とだめなはず。それになぜ適用除外用
途という例外が用意されたかおかしい
と考えれなかった。消費者の安全より
先行するものがなぜかそこに存在して
た。
適用除外で含ませる場合は危険物質な
らば取説や外装箱に記述が必要だろう。
それがなぜ不要か、消費者のことを思
ったときおかしいと思わなかったのか。

6物質のうち文句なしに危険物質だっ
たのはPBBs,PBDEsだけ。Cd,Pb,Hg,Cr+6
は即禁止が必要な物質ではなかった。
事情の異なる物質の集まりが、簡単に
くくって理解したい人の誤解を生んだ。

そもそもRoHS/WEEE指令は完成製品が
廃棄された段階より適用される法律。
6物質規制はリサイクル率向上に寄与
するための措置。消費者の安全を考え
る場合、危険物質ならばREACH規則に
掲載するのが筋である。そういう時間
経過にそった欧州規制への理解が乏し
かったように思える。

2.なぜ隅々まで6物質制限したのか
18で紹介したとおり、政府がJEMAI
に依頼し専門業者が作成したCEマーキ
ング申請手引きでは、パーツ毎にRoHS
指令しきい値適合不適合をまとめれば
よかった。不適合パーツが混在してて
も認証される。これは
欧州発の公式文書に沿っている。

RoHS/WEEE指令の目的は廃棄家電の
収集率とリサイクル率アップ。
それにつきる。
増え続ける家電ゴミ処理に行政が
お手上げにならないための法律。

隅々まで6物質制限すると、当然、
不適合パーツがでてくるので、代替や
改善設計が必要となってきて、
製品の値上げは避けられない。

欧州が値上げまで覚悟して、廃棄家電
収集率とリサイクル率アップを
目指したとは思えない。

この混乱の原因は実は欧州にある。
CEマーキング認証条件のひとつに
RoHS指令が加わったのは発効して
数年後。それまでは不適合部位が
あってもよいとの記述は無く、
改正後のRoHS指令にも無い。

各社でグリーン調達基準を作成してる
人は、RoHS指令は読んでも、
CEマーキング申請方法は、RoHS指令で
認証を得る方法が解説されてるにも関
わらず分野外につき読んでる人はほぼ
いないと推察する。

こういう微妙なニュアンスは、
ざっくり表現したい人によって誤解し
た内容に生まれ変わりやすい。
臭素系と塩素系難燃剤を規制する目的
だったハロゲン規制は、ハロゲン物質
すべてを規制する内容に変わってたり
する。

3.なぜ均質材料定義が古いままか
この件は12で説明済みなのと今
あまりつっこむと角がたつので
省略いたします。


コメント
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