引き延ばし(延命)「再審請求」考慮せず 法務省の強い姿勢 西川正勝死刑囚の死刑執行 2017/7/13 Thu

2017-07-14 | 死刑/重刑/生命犯

産経WEST 2017.7.13 22:29更新
西川死刑囚の死刑執行 引き延ばし「再審請求」考慮せず 法務省の強い姿勢
 法務省が13日に死刑を執行した2人のうち警察庁指定119号事件の西川正勝死刑囚(61)=大阪拘置所=のケースは、極めて異例となる再審請求中の執行だった。執行引き延ばしを目的に繰り返される再審請求を考慮しない、という法務省の強い姿勢も浮かび上がる。
 法務省によると、今回の執行で確定死刑囚は、再審開始決定が出され、刑の執行が停止された袴田(はかまだ)巌さん(81)を除き124人で、うち7割以上の91人が再審請求中だ。
 刑事訴訟法は、死刑判決確定の日から6カ月以内に執行を命じると定めるが、再審請求の手続きが終了するまでの期間は6カ月に含めないとも記載。この間の執行命令を禁じる規定はないものの、運用では「再審請求や恩赦出願などを行っておらず、予定もない」(法務省関係者)ことが重視され、再審請求中の執行を回避する傾向があった。
 ただ、過去にも請求中に死刑が執行された例はある。平成11年12月、請求中だった元死刑囚の刑を執行。翌年、当時の法相は「請求していても、当然棄却が予想される場合はやむを得ない」と話した。
 省内には、何度退けられても再審請求を繰り返すことで死刑囚の刑執行が引き延ばされれば、公平な運用が求められる死刑制度の根幹が揺らぐとの危機感があったとされる。金田勝年法相はこの日午後の記者会見で「請求をしているから、執行しないという考えは採っていない」と強調した。最高裁までの三審制での確定判決を重視する原則を示したものだ。
 ただ再審請求は、三審制を経てもなお起こりうる冤罪(えんざい)などの誤りを是正する最後の手続きだ。実際、最高裁での死刑確定後に再審無罪が言い渡されたケースは戦後4件ある。
 関係者によると、3年にスナックの女性経営者4人を殺害し、17年6月の上告棄却で死刑が確定した西川死刑囚はこれまでも複数回、再審請求をして退けられていた。死刑廃止に取り組む小川原優之(ゆうじ)弁護士は「繰り返し請求をして再審開始が決まる事件もある。冤罪の危険は常にあり、請求中の執行はすべきでない」と批判した。
 一方、犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長の高橋正人弁護士は「法相が萎縮せず執行した。大いに結構なことだ。今後の運用にも影響を与えるだろう」と評価した。
 賛否が分かれた再審請求中の死刑執行。法務省が今後も同様の判断をするのかどうか注目される。
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産経WEST 2017.7.13 15:35更新
死刑執行の西川死刑囚、スナックママ連続殺人など凶悪事件繰り返しながら逃亡続け「世の中に強い恐怖与えた」と元捜査幹部
 平成3(1991)年の年末のわずかの間に、スナックの女性経営者4人が相次いで殺害された警察庁指定119号事件の西川正勝死刑囚(61)=大阪拘置所=に13日、死刑が執行された。姫路、松江、京都、大阪で犯行を重ね、その凶暴な手口は世間を震撼させた。1審大阪地裁は「矯正は期待できない」と求刑通り死刑。弁護側は「自白調書に信頼性はない」と争ったが、最高裁で死刑が確定した。
 「凶悪事件を繰り返しながら逃亡を続けるセンセーショナルな事件で世の中に強い恐怖感を与えていた」
 大阪府警の元捜査幹部は当時をそう振り返った。3年12月、姫路市のスナック経営者、正木久美子さん=当時(45)=が刃物で突き刺され、殺害された事件を皮切りに、松江、京都市内でも女性経営者が犠牲になり、スナックママ連続殺人と呼ばれた。
 警察は同一犯の犯行と断定し、西川死刑囚を指名手配。西川死刑囚は年がかわった平成4(1992)年1月5日、大阪市天王寺区のアパートで女性落語家、桂あやめさんを襲い、14万円を奪って逃走。その2日後に大阪府警に逮捕され、取り調べに一連の犯行を全面自供した。
 元幹部は「警察としては、何としても早い検挙という意識だった。なぜ死刑執行までこれほどの時間がかかったのかとも思う」と話した。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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富山長野連続誘拐殺人事件 宮崎知子死刑囚 2回目の再審請求/「延命の企図も」弁護人
◇ <死刑囚>6割が再審請求中 / 熊谷徳久死刑囚、執行の順番早まったか 2013-09-16
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