不登校の子にメタバースの居場所 分身アバターで学習参加 2022/08/31

2022-08-31 | 少年 社会
不登校の子にメタバースの居場所 
 
 中日新聞 2022年8月31日水曜日
 

カタリバが運営するメタバースの画面。プログラムが行われている左上のミーティングルームにアバターが集まっている
 
 教育支援を行う認定NPO法人カタリバ(東京)が本年度、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した不登校支援を本格化させ、岐阜県大垣市の中学校などが相次いで導入した。子どもたちは分身の「アバター」を操作し、学習プログラムを体験する仕組み。リアルな対面が苦手な子でも参加しやすい上、全国どこからでも参加できる。不登校の児童生徒が19万6千人超(2,020年度)と増える中、注目を集めている。(宮崎厚志)
 
 分身アバターで学習参加  何もせず過ごしてもOK
 カタリバが運営するのは二次元の画像で表現されたメタバースで、「room-K」と呼ぶ。建物の中にミーティングルームやオープンスペース、一対一で話せるブースなどを備え、周囲には庭や森、池もある。開室は平日午前9時~午後3時。毎日、プログラミングや算数・数学、イラスト、工作など数種類のプログラムを用意する。
 子どもたちは家のパソコンなどからアバターを動かし、好きなプログラに参加できる。他のアバターとビデオ通話もでき、通話時は顔を隠してもよい。何もせず、いるだけでもいい。メンターと呼ぶスタッフのアバターもいて、子どもと打ち解けたうえで、プログラムに誘う。
 カタリバは2021年からオンラインで不登校支援を始めたが、画面上で顔を合わせ合って話す形式に抵抗を感じる子もいる上、子ども同士がつながりづらく、参加者は伸び悩んだ。
 昨年秋、メタバースを試験的に導入すると、今年3月末までに登録したやく七十のうち、8割以上が利用した。本年度は東京都世田谷区や埼玉県入間市など、関東を中心に全国の6自治体と連携協定を結び、紹介を受けた児童生徒に無償でサービスを提供。本年度の登録者は80人を超えた。
 5月に協定を結んだ広島県教委の担当者は「多様な支援メニューや、教師然としないメンターの雰囲気などが必要だと考えた」と説明する。県の不登校支援拠点が一カ所だけという物理的な課題もあった。
 学校単位で導入する例もある。大垣市の大垣東中学校は不登校生徒向けの「校内フリースクール」を設けているが、それでも来られない生徒もいる。彼らにroom-Kを勧めると、数人が登録した。「オンラインなら関われる子がいる。選択肢を増やさなくては」と石橋佳之校長は話す。
 ただ、カタリバ代表理事で文部科学省中央教育審議会委員の今村久美さんは「room-Kで過ごすだけで大人になれるとは思っていない。あくまでも心の逃げ場」と指摘する。room-Kマネージャーの瀬川知孝さんも「オフライン(対面)の学びに再接続するきっかけにしたい」と強調し、定期的なアンケートで参加者の学習面や心理面、生活の変化を調べる考えだ。
 
 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し
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〈来栖の独白 2022.08.30 Wed〉
 インターネットの出現は社会を大きく変えた、と痛感させられる。我が愚息たちも「スマホ」で十分事足りているようだ。「義務教育」なんていう言葉も、遠いものとなるか。
 「オフライン(対面)の学びに再接続・・・」との言葉に、ほっとする。

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