民主、生活の攻勢に危機感 衆院選・岩手1・3区
河北新報2012年11月19日月曜日
選挙戦が事実上スタートした衆院選で、岩手県選出の民主党前議員の階猛(岩手1区)、黄川田徹(同3区)両氏が、小沢一郎代表(同4区)率いる「国民の生活が第一」の攻勢に危機感を強めている。小沢氏の民主党からの離脱で、強固だった岩手の支持基盤も流動化しており、組織の引き締めに懸命だ。
階氏は18日、7月の党分裂以降初めて、盛岡市内で後援会連合会の拡大役員会を開いた。
後援会は階氏の前任の元民主党衆院議員で、生活の支援を明言した達増拓也知事から受け継いだ。党分裂後、反発した地区後援会幹部の辞任が相次ぎ、役員会の早期開催を求める声が出ていたが「対決姿勢を明確にすると、支持を失いかねない」(連合会幹部)と延び延びになっていた。
階氏は約50人の参加者を前に「今まではなかった苦労を掛けることになる。ご恩に報いるためにも結果を出したい」と語った。生活の候補は現在未定だが、陣営は「必ず立ててくる」とみる。
役員会では選挙対策本部の人事を決めたものの、活動を停止した地区後援会もあるなど、弱体化した組織の再建は手つかずのまま。ある連合会幹部は「今動いている後援会で選挙戦に突っ込むしかない」と覚悟を固めた。
黄川田氏は同日、地元の陸前高田市で選挙用の事務所を開設した。生活は8日に3区の大票田・一関市出身の佐藤奈保美氏の擁立を発表したばかり。ある後援会幹部は「組織を引き締めるいいタイミング」と話す。
黄川田氏は2000年の衆院選で、小沢氏に擁立され初当選して以来、同氏と行動を共にしてきたが、一転して「刺客」を送られる立場になった。今回は従来の民主票を奪い合うだけでなく、「内陸対沿岸」の地域対決にもなりそうだ。
黄川田氏は「一関で勝ち抜かないと当選はおぼつかない。これまでにない厳しい戦いになる」と危機感を隠さない。
◎衆院選立候補予定者
【岩手1区】
階猛 46 民前(2)
高橋比奈子 54 自新
八幡志乃 30 共新
伊沢昌弘 65 社新
【岩手3区】
黄川田徹 59 民前(4)
橋本英教 45 自新
佐藤奈保美 46 生新
菊池幸夫 53 共新
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2012衆院選:解散後初の日曜日 態勢作り急ピッチ /岩手
毎日新聞 2012年11月19日 地方版
衆院解散後初の日曜日となった18日、立候補予定者たちは、各地で事務所開きや、後援会などを発足させ、選挙態勢作りを急ピッチで進めた。【金寿英、和泉清充、鬼山親芳】
◇事務所開き
3区の民主前職、黄川田徹氏の事務所開きが地元・陸前高田市であり、党県連選対本部長の平野達男復興相のほか、戸田公明大船渡市長や碇川豊大槌町長、後援会関係者ら約150人が出席した。
平野氏は「黄川田さんにとっては奥さん、ご家族、ご両親を亡くされ、いろんな思いを背負っての今回の選挙戦。一人で背負いきれないので、皆さん方にも一緒に背負っていただかなければならない」と支持を呼びかけ、後援会連合会長の佐々木一栄・前県議会議長は「口先だけで被災地に寄り添うなどではなく、本当に現地にいて皆さんの声を生で聞いて国政に届けるのが黄川田徹だ」と激励した。
黄川田氏は「皆さんと復興の第一歩第二歩を一緒になって支え、国、県、市町村一体となって復興に全力を尽くすため、必死になって頑張ろうと思う」と決意を語った。
◇前回得票目指す
4区は「国民の生活が第一」代表で、同党前職、小沢一郎氏の後援会4区連合会役員会が、奥州市水沢区の事務所で開かれ、空席だった連合後援会の会長に小笠原直敏北上後援会長(67)を選んだ。
出席者によると役員会では、選挙態勢作りが協議された。小笠原会長は「今回は後援会が力を発揮する時だ。逆風の中、やりがいがある。小沢軍団の力が出る。常に前回得票並みを目標にしている」と話した。
◇後援会が発足
同じく4区の自民新人、藤原崇氏は同市水沢区で後援会を発足させるとともに、同党の福井1区選出の稲田朋美氏を招いて時局講演会を開いた。
藤原氏はあいさつで「4区で問われるのは小沢先生の人となりだ。20年も30年も小沢、反小沢でやってきたが、今回はポスト小沢が大きな争点になる。小沢先生への期待感はついえた」と強調した。
◇起工式に出席
2区の生活前職、畑浩治氏は宮古市であった三陸沿岸道路宮古中央−田老間の起工式に来賓として出席。「3年間の政治生活の成果が沿岸道路だった。公共工事は大事なので予算の確保にもしっかりと取り組む。『世直し工事、畑浩治』ですから」と実績を強調した。
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◆ 小沢の恐ろしさ 「国民の生活が第一」衆院選岩手3区に佐藤奈保美氏 ~民主残留 黄川田徹氏に刺客 2012-10-12 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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