ドラニュース「奇襲先勝 落合作戦Gほんろう」--- ほんと、驚いた! 山井だと思ってた。

2007-10-19 | 相撲・野球・・・など

2007年10月19日 紙面から

 オレ流さい配がズバリ的中し、中日が巨人との5番勝負に先勝した。落合博満監督(53)が予想に反して先発指名した小笠原孝投手(30)が、5イニング1失点と好投すると、8回1死一、二塁のピンチで岩瀬仁紀投手(32)を“2試合連続”で5アウト起用。谷繁元信捕手(36)の先制2点打などで奪った5点を守りきった。パ・リーグは日本ハムがロッテを3勝2敗で2年連続日本シリーズ進出を決めた。さあ竜ナインも昨年の忘れ物を取り戻すための札幌行きまで、あと2勝だ。

 クスリとも笑わなかった落合に代わって、記す。会心の1勝。そしてさい配でもぎ取った白星だ。勝利を見届けたのが午後9時48分。その4時間28分前に、強烈な張り手を食らわせた。メンバー交換。先発・小笠原を知った瞬間、巨人首脳陣は慌てふためき、報道陣は目が点になった。

 「奇襲でも何でもない。普通の選択だ。あれくらい放るだけの力は持っている。普通のピッチングをした結果だよ」

 正攻法だと言い切ったが、巨人もマスコミもそんな見方はしていない。チームメートですら、交換直前までほとんど知らなかった。朝倉ならいざ知らず、小笠原はミーティングでもほとんど時間は割いていないはずだ。いや、それ以上に大きかったのは、巨人の用兵を決定的に切り崩した点にある。山井か朝倉か。右腕と見切った巨人打線は7番・清水、8番・脇谷。4回には清水が中前打を放ち、脇谷の代打・ゴンザレスも右前打で続いた。だが、ここでさらに墓穴を掘らされたことに巨人は気づかない。6回。左腕・石井を攻めて1死一、三塁。ゴンザレスのところで右腕・鈴木につながれても、もはや左の強打者はベンチには残っていなかった。左の切り札を2人殺したこと。ここに『奇襲』が効いている。

 「向こうのオーダーを組むのは向こうの監督。だから(予想が外れて)どうだったのかはオレには分からない」

 それにしても、3カ月勝っていなかった投手である。それを「むちゃくちゃ悪かったわけじゃない。勝ち運に恵まれなかっただけ」で落合は片づけた。だが、大一番。しかも第1戦。その勝ち運のなさこそが、起用をためらう大きな要素となるはずだ。どうやら14日の阪神戦。2番手で2イニングを抑えた投げっぷりで、決断したようだ。小笠原の今季巨人戦実績は1試合(8月11日)だけ。9イニング1失点。被安打率1割6分7厘という数字も、首脳陣の背中を押した。

 相手はエース・内海。失敗してもダメージは小さい。だが、成功したときに得る“果実”は、単なる先勝を上回ると思う。8回のピンチ(1死一、二塁)では、谷繁の意見を確認した上で岩瀬を投入。CS2度目の「5アウト」クローザーだ。「まだ先がありますから」。戦いは続く。喜びはおくびにも出さず。だが、行き先は決まった。札幌へ。落合と互角の名将・ヒルマンが待っている。 =敬称略(渋谷真)


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