「失望が多く、成功は少なかった」…米英で初の小沢一郎伝記
産経ニュース2011.6.14 01:42
日系米人ジャーナリストによる初めての英語での小沢一郎民主党元代表の伝記が米英両国でこのほど出版された。同書はいまや刑事被告人にまでなった小沢氏の政治面での複雑な動きが単なる権力欲からなのか、特定の政策推進を目指すからなのかを問い続け、政策面での動因を強調した。
同書は「日本の政策企業家と選挙=小沢一郎政治伝記」(ラウトレッジ社)と題され、米英両国で5月に発売された。著者はクリスチャン・サイエンスモニターなど米大手紙の記者として長年、活躍した日系米人の岡孝氏で、英オックスフォード大学に出した博士論文を基礎としている。岡氏は1990年代から小沢氏の国際問題顧問をも務め、直接の交流も深い。
同書は小沢氏の生い立ちから政界入り、田中角栄氏との絆などを追い、小沢氏の政界での動きを「権力欲か、政策追求か」という観点から分析した。特に同氏の著書「日本改造計画」や小選挙区制度の推進に焦点を合わせ、「集団的コンセンサス志向から個人の意思による政策の競合での選択への移行を求め、米英両国のような政権交代が可能な二大政党制を実現することを意図した」と指摘した。
同書は小沢氏の動きの最大要因について、権力欲とする見方をも詳述しながらも、同氏が平成3年10月に首相就任を求められても断った実例などを挙げて、政策傾斜の見方を優先させている。小沢氏の過去20年ほどの軌跡としては「失望が多く、成功は少なかった」と述べる一方、21年8月の総選挙での民主党大勝を小沢氏の功績に帰した。
同書は小沢氏が検察審査会の議決で強制起訴されて、刑事被告人となった経緯を説明しながらも、なお同氏が今後の裁判で無罪を獲得し、今度こそは首相になるという可能性も記している。(ワシントン 古森義久)
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〈来栖の独白〉
賛否を超えて、小沢一郎氏という人物は長年にわたって、日本国内は無論のこと、世界に余程気になる存在であることに間違いない。首相であるのに顔すらも記憶されない菅氏とはえらい違いだ。
>今後の裁判で無罪を獲得し、今度こそは首相になるという可能性も記している。
胸が熱くなった。首相というポストの成否はどうでもよい。小沢氏は政策の人であり、総理という椅子を望んでいないから(これも菅氏とは、大違い)。無罪を獲得して戴きたいのだ。裁判所が正義の砦であってほしいのだ。
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◆前原誠司外相辞任と『誰が小沢一郎を殺すのか?』〈カレル・ヴァン・ウォルフレン著〉2011-03-07 | 政治/検察/メディア/小沢一郎