「パンがなければ菓子を食べたらよいのに」そんな台詞を口にするような裁判官には裁かれたくない

2010-08-21 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴
〈来栖の独白〉
 司法試験合格者が司法修習期間中に国から給与を受ける「給費制度」の廃止が10月末に迫ってきた。給費制維持を訴える集会を終えて、千葉法相を訪ね陳情する弁護士さんたちの真剣な表情をTV画面で見た。「私も給費制度のお陰で弁護士になりました」と応対する法相の表情は、尋常な人間に見えた。が、続けて法相は言った。「色々と壁がありまして、制度の維持は難しい」。それは、官僚の顔であった。微塵の迷いも窺われなかった。すっかり官僚のトップになられたな、このお顔で死刑執行も命令されたのだな、と思わないでもよいことまで思った。
 罪を犯す人の多くは、恵まれない家庭に育った人が多いのではないか。後藤昌弘弁護士の言われるように、裕福な家庭の子弟ばかりで法曹界が構成されて良いとは思えない。
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若手の弁護士の多くが借金をしている「修習生の借金」後藤昌弘(弁護士)
中日新聞を読んで 2010/05/09 Sun.
 4月23日の夕刊に、宇都宮健児新日弁連会長のインタビュー記事が掲載されていた。その中に、「全国を回って一番驚いたのは若手の弁護士の多くが借金をしていること」との一文があった。
 ロースクールの学費が高くて奨学金を借りる人が多く、1千万円を超える借金のある人もいたという。
 実は、この話は特殊な話ではない。
 先日修習生の激励会でも、同じ話を聞いた。苦学して合格した修習生が、奨学金で、今600万円の借金があるというのである。
 新司法試験を受験するには、大学を卒業した後に法科大学院、いわゆるロースクールを卒業しなければならない。法学部卒業生でも大学4年間に加えて2年間、他学部生の場合は3年間ロースクールに通うことになる。
 しかも、ロースクールは多忙で、アルバイトをする暇はない。必然的に貧しい家庭の学生は奨学金に頼るしかないが、その奨学金が累計で600万円だとか1千万円だというのである。
 とはいえ、今の修習生はまだましである。現在の修習生には給与が支給されるからである。
 しかし、今年11月からは、修習生の給与が貸与制となり、修習生の借金は更に増えることになる。
 このままでは、貧しい家庭の子弟は法曹の道を断念せざるを得なくなるだろう(少なくとも当時の私の家庭状況では無理だったと思う)。
 修習生は法曹の卵であり、いずれ人を裁いたり人の財産や生命までも左右する職に就くことになる。
 そうした立場の者が、恵まれた家庭の子弟ばかりで構成されて良いのか、疑問無しとしない。
 貧しさ故に犯罪に手を染めた被告人に対して「パンがなければ菓子を食べたらよいのに」--
 そんな台詞を口にするような裁判官には、私は裁かれたいとは思わない。
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司法修習に給費制度 迫る廃止、議論平行線
 「スタートから巨額の借金を背負う」「経済的に余裕のない人は法曹になれなくなる」――。日弁連の宇都宮健児会長は、今春から各地で開催している給費制維持を訴える集会で、こう繰り返す。法曹志望者を減少させ、多様な人材を確保できなくなるとの主張だ。
 現在は1年間の修習期間で、国庫から月額約20万円の給与を支給。修習に専念させるため、修習生にアルバイトを禁じる代わりに国が生活費を保障してきた格好だが、11月からは基本月額23万円を無利子で貸与する仕組みに切り替わる。法曹資格は個人のもので、必要経費は受益者である修習生が負担すべきだとの考え方からだ。
 法律家たちは、法科大学院などの在学中に多額の奨学金を利用しているケースが多い。法曹人口の増加で、弁護士で活動を始めても多くの収入が得られる保証はなく、廃止に伴う負担増は深刻な問題となっている。日弁連が法科大学院生に実施したアンケートでは「刑事弁護や家庭事件より、報酬の多い分野を優先せざるを得なくなる」といった声が相次いだ。
 東京都内の法科大学院生(25)は「ロースクールでは、授業料で在学中から100万円単位の借金を抱える人が珍しくない。さらに借金が増えたらどうなるのか」。弁護士になって2年目という広島市の男性(28)は「新人弁護士に数百万円の借金は返せない」とため息をつく。
 給費制廃止は、2004年に成立した改正裁判所法に基づく。当初は06年からだった実施予定が、日弁連などの反対で10年まで4年間延期された経緯がある。給費制維持に戻すためには裁判所法を再改正する必要がある。日弁連は再延期のほか、給費制を維持するための議員立法の必要性を訴えており、各地の弁護士会も今後、集会などを展開していくという。(2010/8/20 日本経済新聞記事より抜粋)
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