相模原殺傷 被害者匿名、疑問の声 県警が非公表 障害者団体「差別では」2016/7/31

2016-07-31 | 相模原事件 優生思想

相模原殺傷 被害者匿名、疑問の声 県警が非公表 障害者団体「差別では」
産経新聞 7月31日(日)7時55分配信
 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入居者19人が刺殺された事件をめぐり、神奈川県警は障害者への配慮などを理由に被害者の実名公表を拒んだ。戦後最大級の犠牲者を出した殺人事件にもかかわらず、「誰が亡くなったのか」という事実確認に障壁を設け、被害者の足跡や遺族の思いなどを世に伝える機会を奪った形だ。障害者団体は「逆に障害者への差別になっていないか」と批判、メディアの専門家も対応に疑問符を付けている。
 ■事実確認の障壁
 県警は26日の事件発生以降、被害者名を「A子さん19歳」「S男さん43歳」などと記号化して公表している。非公表の理由は「(現場が)障害者施設で障害者という条件のため。遺族による強い希望もあり、そのような判断をした」という。
 しかし、この対応には疑問の声が上がる。「幼いときに一緒の施設で過ごした人が被害に遭った可能性があるが、名前が出ていないので分からない」。自身も障害者で、27日に東京都立川市から事件現場を訪れた山田洋子さん(45)は困惑した様子で話した。
 神奈川県内で障害者支援を手がける10団体は29日、県に障害者に対する偏見の払拭を求める申入書を提出。その中で「一般的に公表される被害者の氏名が、この事件に関して公表されないことは大きな疑問を持たざるを得ない」と訴えた。扱いを分けることが、「(結果的に)差別となっている」という主張だ。
 立命館大学生存学研究センターの長瀬修特別招聘(しょうへい)教授(障害学)は「名前を公表せず、19人の人間を記号化してしまうことは、『障害者は人間ではない』という植松聖(さとし)容疑者の思想に重なる部分があるのではないか」と警鐘を鳴らす。
 さらに、「重要なのは被害者一人一人がどう生きてきたかを知って、社会が悲しみや怒りを共有することだ」と指摘する。
 産経新聞は29日付で、けがを負った被害者の家族を取材し、実名で報じている。
 ■危うい情報選別
 被害者を「非公表」とするケースは、このところ後を絶たない。昨年9月、茨城県常総市で鬼怒川が決壊した水害で、市は「個人情報保護の観点から」氏名を伏せた上で「22人と連絡が取れない」と公表。5日後に「全員と連絡が取れた」としたが、その間、自衛隊や消防による救助作業が継続された。氏名が公表されていれば、「住民らの連携により素早い確認ができた」と指摘された。
 バングラデシュの首都ダッカで1日、日本人7人を含む20人が殺害された事件でも政府は当初、実名公表を控えた。その一方、報道機関の独自取材で判明した名前もあり、志を持って活動した犠牲者の姿などが世間に伝えられた。
 立教大学の服部孝章名誉教授(メディア法)は「実名の開示は、どんな人物だったのか、どんなことが起こったのかを検証するのに必要だ」と強調。「メディアが実名を報道するかどうかは、警察ではなくメディアが責任を持って判断することだ。当局による恣意(しい)的な情報選別は、都合の悪い情報の隠蔽(いんぺい)にもつながりかねない。『遺族感情』などを理由に、安易に匿名にすることは許されない」と批判している。
最終更新:7月31日(日)11時10分
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<相模原殺傷>神奈川県警、被害者の実名「発表しない」
毎日新聞 7月26日(火)21時46分配信
 相模原市緑区千木良の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件。神奈川県警は26日、事件の被害者の名前を公表しない方針を明らかにした。殺人などの被害者は公表するのが通例だが、今回の事件について県警は「(現場の)施設にはさまざまな障害を抱えた方が入所しており、被害者の家族が公表しないでほしいとの思いを持っている」と理由を説明している。
最終更新:7月27日(水)16時11分

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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