「なんで自分みたいな低(てい)の低の人間に尽くしてくれるのか」京アニ放火事件・青葉真司被告

2023-08-30 | 死刑/重刑/生命犯

《重度やけどで予測死亡率97%》京アニ放火事件・青葉真司被告を治療した主治医は「後悔してほしい」
   2023/8/30(水) 7:12配信 文春オンライン 

「一命を取り留め、法廷の場に出られるまでに回復したのは奇跡的です」
 そう話すのは、犠牲者36人を出した京都アニメーション放火事件の青葉真司被告(45)の主治医だった上田敬博医師だ。

       ◆ ◆ ◆

上田氏が今でも頭から離れない青葉被告の言葉

 事件は2019年7月18日、京都市内にある京都アニメーションの第1スタジオで起こった。青葉被告がガソリンを撒き放火。死者36人、重軽傷者32人を出す惨事となった。

 火をつけた青葉被告も、生死の境をさまよう深刻な状態だった。全身の9割に重度のやけどを負い、意識不明。当時、近畿大学病院で、青葉被告の治療に当たったのがやけど治療のスペシャリスト上田医師だった。

 当初の予測死亡率は「97%」。

 上田氏は、事件直後から約4カ月にわたり青葉被告の治療を行った。その上田氏が明かす。

「青葉被告は、事件から約3カ月後には人工呼吸器を外し食事ができるまでに回復した。午前中と夕方の2回、会話をするようになった」

 上田氏は青葉被告の言葉が今でも頭から離れない。

「なんで自分みたいな低(てい)の低の人間に尽くしてくれるのか」

 青葉被告はこう繰り返した。

「彼を特別扱いしているわけではないと伝えました。極度の偏食で病院の食事を受け付けずインスタント麺や市販の惣菜を欲しがっていた青葉被告ですが、看護師が『好き嫌いするな』と怒ったんです。その後、退院間際には病院食を全量摂取するようになっていた。僕らからしたら当たり前のことをしていただけですが、彼にはこれまでそうやって正面から向き合ってくれる人間がいなかったのかもしれません」(上田氏)

 現在、青葉被告は医療態勢の整った大阪拘置所に勾留されている。

「青葉被告の状態に何か問題があれば、大阪拘置所の医療チームから連絡があるはずだが、問い合わせもない。健康状態が安定しており、裁判にも耐えられるということでしょう」(同前)

「裁判を経て罰を受けさせるために生かした」

 36人の命を奪ったことが裁判で認定されれば、極刑も免れない。助けた命が裁きによって失われることに葛藤はないのか。

「裁判を経て罰を受けさせるために生かした。極刑になったとしてもやむを得ないと思いますし、司法の場までつなぐというのが僕の役目だったわけです。九死に一生を得て今の彼の命があるので、その重みを実感しているはずです。彼には自分が奪った命も尊いものだったのだと後悔してほしい」(同前)

 青葉被告の回復具合について、社会部デスクが語る。

「すでにある程度は自力で歩くことが可能なようです。ただ、法廷には車いすで出廷する可能性もある」

 一方で、京アニは、この4年間、地道に作品を作り続けている。8月4日には、新作が劇場で公開され多くのファンが列をなした。ある遺族はこう話す。

「焼け跡から見つかったパソコンなどに遺された画像データを複製したものが会社から届けられました。それを見て最後まで、どのような仕事をしていたのか知ることができました」

 未曾有の放火事件を起こした青葉被告の口から、犯行の詳細は語られるのか。

「各メディアから届けられる個別の取材依頼には応じていません。一方で、拘置所内では周囲の人と気さくに雑談をしているそうです」(前出・デスク)

 裁判は、9月5日から京都地裁で始まる。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号

 最終更新:文春オンライン

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です


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