11月15日(月)に家庭教育学級の一環として人権教育研修会が行われました。講師は東京学芸大学准教授 大澤千恵子先生をお招きし、「児童文学が教えてくれること~自分と他人の尊厳に気づく物語~」を演題にご講演をいただきました。
校長先生が講師のご紹介をしました。大澤先生は以前寄居町の男衾小学校に勤務していたことがあり、校長先生も男衾小学校に勤めたことがあることから、知り合いの先生を通して紹介していただいたそうです。主人公が人間的に成長していく過程を通して人権的な感覚を身につけていく物語を読み解く新たな視点についてご講演をいただきました。
大澤先生は有名な3つの物語「アラジン」「シンデレラ」「ハリーポッター」を例に挙げてお話をしてくださいました。
視点を変えた物語の解釈なのでとても新鮮でした。
最後に核心をついた質問も出ました。
ほとんどの物語は主人公は最初、課題を抱え、人間的に成長していない(人権感覚も育っていない)場合が多いそうです。しかし、一つのきっかけで自分に自信を持ち、加えて影響を与える人物に出会ってから、主人公の人間的な成長が始まります。そして、最後には自分の尊厳を認めることができたことで、他者の尊厳も認めることができるようになるという講演の内容でした。児童文学である「アラジン」「シンデレラ」「ハリーポッター」は書かれた年代も著者も違うのに全てに共通する事象があるのだそうです。それが前述の「絶対的な自己肯定感に基づく他者の肯定」です。しかし、なぜそのようなことが起きるのでしょうか?それは無意識の中にあるその先の集合的な意識の中から物語が紡がれているからだそうなのです。児童文学は奥が深いです。