てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

映画:さんかく窓の外側は夜(5)

2021年12月20日 | 映画:さんかく窓の外側は夜

冷川のオフィスがあるビルの屋上

ツギハギの死体を見た後で、嘘でしょ?と思われるかもしれないが
冷川理人(ひやかわ りひと) - 岡田将生 と 三角康介(みかど こうすけ) - 志尊淳
屋上に七輪を持ち出し、肉を焼いて食べている。

誰なんだろう、ヒウラ エリカ。

あぁ、あのツギハギの遺体を作った人間のことでしょう。

えぇ、だってあれは自殺した犯人が・・・。

おそらく、あの男は操られていただけですよ。

操られるって・・・。
疑わしそうな目で、冷川を見る康介に彼は問いかける。

あのツギハギの遺体がなんなのか、わかりますか?
あれは、呪いの装置です。

呪い?

藁人形みたいなモノですよ。
呪いをかけるためには、穢れ(けがれ)が必要なんです。

穢れ。

はい、ヒウラエリカはそれを経由して、呪いの遠隔操作を行っているんでしょう。
よくわからないといった表情をして首をかしげる康介に、冷川は言葉を続ける。
我々が見つけたことにより、既に効力は失われましたけどねぇ。

ん?だとしたら、ヒウラエリカはまた新しい装置を作るんじゃ・・・。

そうでしょうねぇ。何度か同じ名前を聞いたことがありますから。

え、誰から?

以前、除霊した霊とか。

それ半澤さんに言わなくていいんですか?

ヒウラエリカは、呪いをかけただけですよ。
そんなことでは、警察は動けません。

え、でも。あんなことは止めさせないと。

それは、僕らの仕事じゃないでしょ。

その言葉を聞いて戸惑う康介に、冷川は何事もないといった様子で
康介の顔色が悪いことを指摘する。

驚いて自分の顔を触る康介に、
そう言われると、本当に具合が悪くなった気がしませんか?という冷川。
それは言霊(ことだま)というもので、無意識に口にしている言葉が簡単に呪いになり得る
SNSで拡散されている「ウザイ」「キモイ」「死ね」といった言葉も、それと同じで
世の中に拡散している呪いをいちいち祓っていたらキリがないし、
とても身体がもたないと言うのだ。

翌日「ヒウラエリカ」について、事務所にいるときスマホで検索してみたが
ヒットするわけはない。
代わりに「#死ね」と検索ワードを入れてみると、SNSに多くの書き込みが見つかって
康介は驚く。
そこへ、前回の依頼人である
警視庁捜査第一課殺人犯捜査第9係の刑事:半澤日路輝(はんざわ ひろき) - 滝藤賢一
が訪ねてくる。

あの無駄に顔のいい奴どこだ?

もうすぐ戻ると思います。

打ち合わせのデスクに書類の入った封筒を放り投げ、応接セットのソファーに座る半澤。
康介がコーヒーを用意しようと立ち上がる。

三角くん、だっけ?

あ、はい。

あんた、冷川とは違うな。妙な力を持ってる割に、慣れてないっつーか。

あんなモノ、慣れるものじゃありませんよ。
思い出しても、恐ろしい。そんな目をする康介。

ま、そうだな。じゃ、なんでここで働くことになったの。

冷川さんに「助手になってくれ」と言われて「君は僕の運命だ」って言われて。
ちょっと引いちゃったんですけど。
半澤の前に、コーヒーを置く康介。

運命・・・冷川がそう言ったのか。

あ、はい。え、何ですか。

あ、いや。
この商売が助手を雇えるほど、繁盛をしているとは思えないんだが・・・。
世の中、そんなにバケモンがウヨウヨしてんのか?

え、あ、いや。
確かに依頼は多くはないですけど。
除霊だけじゃなくて、呪いまで範囲を広げたらもっとニーズはあるのかも。

呪い?(康介、うなずく。)

幽霊よりも、人間のが怖いってことです。

・・・。そんなこと当たり前だ、ハッハッハ!

半澤さん、ちょっと気になってることがあるんですけど。

遺体放置現場の廃墟

敷地の入り口には、規制線のテープが貼られている。
そこを訪れた非浦英莉可(ひうら えりか) - 平手友梨奈

コンクリートの地面に手をあて、様子を探っていると
誰?」そこにはいないはずの康介の気配を感じる。

再び、冷川のオフィス

康介は、半澤にヒウラエリカの話をする。
しかし超のつく現実主義の半澤は、やはりその話には食いつきが弱いといった様子だ。

そこへ、無駄に顔のいい男の冷川が戻って来る。

どうも、今度は何ですか?
そう問いかける冷川に、半澤は打ち合わせデスクに放り投げた封筒を指さす。

車で冷川たちを外に連れ出し、半年前の事件の被害者が最後に目撃されたと言う
場所に彼らを連れてきたのだ。
他にもここで最後に見かけられたと言う被害者が、何人もいると伝える。

それって、床に埋まってたりとか?

調べたが収穫なし。
バックミラーに映る冷川と康介を見ながら、渋い顔をする。
だか、ここに店を出していた人間も突然死しており、その人物が死んだ後の
土地の購入者の不動産会社は暴力団のフロント企業で、新たな物件を建設する予定もないという。
とにかくヘンなんだと。

降りてみましょう。

へっ!?

二人についていく康介だったが、
冷川さん、流石にここはちょっと・・・。

康介がそう言い出すと、冷川がビルの入り口に落ちている欠片を拾い上げ
歩道の上に白い逆三角形を落書きのように書き上げた。

半澤さん、その線の端っこ踏んでてください。
そう言って、逆三角形の下にある角を指さした。

半澤さんの「信じない力」強いから。

ナニ(これ)
半信半疑といった顔で、その角に立つ半澤。

結界ですよ、動いちゃ駄目ですよ。

ハァ、いや俺も行くよ。
そう言って向こうを指さすが、珍しく冷川が強い口調でそれを制止する。

いえ、そこにいてください。
いざというときの避難場所ですから。三角くん、行こう。

冷川が康介の右側に立ち、左手を彼の肩に置くと
康介は眼鏡を外す。

建物に入る鉄の柵でできた扉を開け、二人は敷地に入って行く。

 

 

 

 

 


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