てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

映画:さんかく窓の外側は夜(3)

2021年12月18日 | 映画:さんかく窓の外側は夜

康介が母と暮らすアパート

外で食事をしてきた母親の三角則子(みかど のりこ) - 和久井映見 が帰ってくる。
シャワーを済ませたいた康介(みかど こうすけ) - 志尊淳 に 
冷川理人(ひやかわ りひと) - 岡田将生 
の会社で始めた新しい仕事の様子を聞いてきた。

別に普通。
詮索されるのが面倒なのか、そんなふうに答える康介。

可愛い子いた?
興味津々といった様子の母に、男だけの職場だからそんな子はいないと答える康介。
清掃業と康介には聞いていた則子は、匂いがついていたらモテないだろうと
冷蔵庫から取り出した缶ビールを片手にクンクンやりだす始末。

そんなんじゃ一生モテないよっ!
はいはい。
もうウンザリといった様子で、康介は
堪らずその場を逃げ出した。
どうやら、母親には自分の能力のことや冷川との仕事のことは
知らせていないらしい。

翌日

警視庁捜査第一課殺人犯捜査第9係の刑事である半澤日路輝(はんざわ ひろき) - 滝藤賢一 が
冷川の事務所を訪れてくる。
事務所と言っても殺風景な雑居ビルの一室で、コンクリートに直接貼られた壁紙は殆どがはがれており
錆びた出入り口の扉が丸見えなフロアのテーブルで、冷川と半澤が椅子に座っている。
応接セットを使わないところを見ると、半澤は客というより馴染みの男といった様子だ。
半澤にコーヒーを出すと、康介はその向かいの事務用椅子に座る。

探し物を頼みたい。
そう言って、半澤はテーブルに女性3人の写真を並べる。
県内で起きた連続バラバラ殺人事件の被害者だ。犯人はコンビニの店員で、客として訪れた3人に目を付けて殺した。
まぁ、快楽殺人だ
淡々とそんな恐ろしい言葉を並べるこの男に、驚きの表情を見せる康介。

探し物って?

発見された遺体に、それぞれ見つからない部分がある。
どういう事か分かるか?
それを全て合わせると、丁度一人の人間ができあがる。
犯人は拘留中に自殺した。
自供を得たが、一部の遺体の行方だけはテコでも口を割らなかった。
とにかく、残りの遺体の行方をなんとか見つけてやって欲しいんだ。

そう言って、冷川に書類を渡してきた。
あぁ~そういうの頼むんだ。そんな顔の康介だった。

殺害現場となった、木造二階建てのアパート

建物の前に立つ冷川と康介。

ここで人が、3人も死んでるですよね。

人なんてどこでも死んでますよ、行きましょう。

淡々と先にアパートへ入ろうとする冷川に、気が進まない康介

あ、危ないんじゃないんですか?

そんな康介に、

警察に恩を売っておくと、何かとトクなんです。
さぁ、(自分がいれば)大丈夫ですから。

そう言って、ついてくるように康介に促すのだった。
階段下の1階の部屋の扉を開け、先に康介に入るように示す冷川。
康介は恐ろしさで、息遣いが荒くなる。
靴のままフローリングに上がり、荒れたままになっている部屋で
後ろから康介のチェーンがついた眼鏡を、平川がそっと外す。

康介の肩を掴んだまま、二人が2Kと思われる間取りの奥を見ると
奥のカーペット敷きの部屋。
窓際の壁の角に、こちらに背を向けてしゃがんでいる煤けた形の者が
二人に気づいたのか、ゆっくりと向かってくる。

無理です、やっぱり無理です。(康介涙目で叫ぶ)

落ち着いて。
康介の肩を抱いたまま、低い声でなだめる冷川。
康介の心臓の位置に冷川が手を置くと、周りは暗くなり
また白い三角形の光に囲まれる。

車のトランクで口にガムテープを貼られた女性が
助けてください。と哀願している。その声を無視してトランクを閉める様子。
別の女性の首を絞めた後、浴室で雨合羽を着て包丁で遺体を切断する男。
それを廃墟に持ち込み、それぞれのパーツを縫い合わせるような行為をしている。

それを思い出している犯人の霊が、煤けたままの真っ黒い手をかざして
二人に近寄ってくる。
冷川が手を向けて除霊をすると、何かを言い残しながら
あの書店で見た福田の霊のように、少しずつ煙が吹き消されるように
その霊の姿は、康介の目の前で消されていった。

恐ろしさに、堪らずその場にへたり込む康介だった。

 

 


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