会席料理は、「お酒」を楽しむための料理です。 これに対し、懐石料理は「お茶」を美味しく頂くための料理と理解すると判りやすいと思います。 同じ発音なので、懐石料理は別名「茶懐石」とも言います。 茶懐石は茶道からきていますので、千利休の時代、つまり織田信長、豊臣秀吉の安土桃山時代(1500年代後半)に完成されました。 茶道の影響もあり、食事の作法も細かく決められていました。 江戸時代後半になると、武家社会であるにもかかわらず、商人が財をなすようになりました。 そこで、あまり礼儀作法に縛られずに、贅沢な料理を豪華な食器で楽しむ酒席料理が好まれるようになりました。 それが会席料理です。
テスト勉強で「ここが出るだろう」と山をかける、勘を働かせたり当てずっぽうな意味で使われる「山勘」。 どちらかというと当たらない方のニュアンスで使われることが多いが、この「山」、「山勘」とは何なのか? これは山師という職業に由来するもので、現在のような科学的検証技術の無い頃は、鉱山や鉱脈を探し当てるのは山師の経験と勘に頼っていました。 それゆえ当たり外れが激しい博打のようなものだったようです。 この山師の算勘が山勘というわけです。 ちなみに、「山師」は人を騙して儲ける詐欺師の意味でも使われているようです。 また、「山本勘助」という人物に由来するという説もあります。 戦国時代の「名将 武田信玄」に仕えた山本勘助は、優れた戦略家として知られる人物で、鋭い考察で策を巡らし多くの手柄を立てたことから、山本勘助を略して「山勘」と言われるようになったそうです。
日本最古のプロ野球球団歌であり、大阪の人間なら知らない人はいない阪神タイガースの「六甲おろし」。 この「六甲おろし」のサビの部分の「オウ、オウ、オウ、オウ 阪神タイガ~ス!」の「オウ」の部分、これはシュプレヒコールで使われる「エイ、エイ、オー」の「オー」ではなく、大阪の「オウ」から来たものだそうです。 阪神タイガースの創設当初の球団名称は大阪タイガースだったので、昔は「オウ、オウ、オウ、オウ 大阪タイガ~ス」と歌ってたそうです。 もしも、球団名が創設当初から阪神タイガースだったら、ひょっとして「ハン、ハン、ハン、ハン 阪神タイガ~ス!」になってたかも知れませんね。 (笑) ちなみに、「六甲おろし」の正式な曲名は、「阪神タイガースの歌」だと言うのを知ってました?
落花生にはレスベラトロールがたくさん含まれていて心臓病の予防に効果があると言われています。 レスベラトロールは赤ワインに含まれるポリフェノールの一種で、レスベラトロールを摂取すると、強い抗酸化力が血液中の悪玉コレステロールを退治し、血液をサラサラにして、心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果を発揮します。 また、肝臓で悪玉コレステロールの代謝を助け、血液中のコレステロールを低下させてくれるオレイン酸や、記憶力のアップや痴呆症の予防に効果があるレシチンも多く含まれています。 落花生に含まれる油のほとんどは不飽和脂肪酸なので、特に体に悪いというような事は全くなく、ニキビが出来るといったことも基本的にありません。 ちなみに、落花生の中にはビタミンB群のナイアシンが大量に含まれており、この物質は肝臓でアルコール代謝を助ける働きがあるので、お酒のつまみに最適ですね。
カニやエビは他の缶詰類と違って、必ず中身が半透明な白い紙で包まれています。 なぜ紙を入れる必要性がどこにあるのか? 実は、カニやエビのような食材が持つ成分が原因の一つなのです。 カニやエビを缶の中に長く入れておくと「ストラバイト現象」というものが起こります。 これは、カニやエビに含まれている成分と、缶の鉄やすずとが化学変化を起こして、ガラス片のようなものを作り出すものです。 またこれによって変色をきたしたり、味を悪くしたりする事もあります。 そこで出てくるのがあの紙、「酸性パーチ」と呼ばれるものです。 これを入れるとなぜ化学変化を防げるか、というのは実ははっきりと解明されていません。 ちなみに、この紙を入れたからといって確実にガラス片のようなものの発生を防ぐ事ができるわけではなく、現在でもカニ缶に対する苦情の多くが「ガラスが入っていた」というものだとか。 この物質、毒性のものではないので、たとえ入っていても心配する事はないようです。 ガラスではないのですから。
木綿豆腐と絹ごし豆腐。 その名前からそれぞれ木綿で漉したら木綿豆腐で、絹で漉したら絹ごし豆腐が出来るような印象だが、食感の違いは布で漉したからではありません。 また木綿は使うが、絹は使いません。 絹ごし豆腐は、容器に豆乳と凝固剤(ニガリ等)を入れて固めただけのもので、水分を多く含み柔らかく滑らかな食感になります。 一方、木綿豆腐はこれを崩して内側に木綿などの布を敷いた穴あきの容器に入れ、40~50kg程度の圧力を加えて水分を抜いて作られるものです。 ザラザラした表面は布の跡、丸い突起は水抜き用の穴の跡というわけです。 木綿や絹ごしという名前は見た目や食感を例えたものです。 ちなみに、木綿豆腐は凝縮されているので、タンパク質や脂質、カルシウムなどのミネラル分が豊富なのに対し、水分ごと固める絹ごし豆腐は水溶性のビタミンが豊富という違いもあります。 さらに絹ごしの一種である充填豆腐は、密封容器に直接豆乳や凝固剤を入れて作るためビタミンの含有量は特に多いそうです。
大人から子供まで、嫌いな人はいない「カレーライス」。 カレーライスは言わずと知れたインドを故郷とする食べ物で、18~19世紀頃にイギリスを経て、明治初期に日本に渡って来ました。 様々な肉や野菜の入ったカレーがありますが、なぜ日本のカレーにはジャガイモが入っているのでしょうか? 「それは当たり前」という人もいるかもしれませんが、本場インドのカレーには、あんなボコボコのジャガイモは入っていません。 ではなぜジャガイモを入れるようになったのか? 日本にカレーが伝わった頃は、ジャガイモも量産段階になかった事もあり用いられませんでした。 それが現代にどうして至ったかというと、ご存知の通り横須賀海軍の「軍艦カレー」のレシピが日本人に合っていたからだそうです。 人間の味覚は、だれしも同じではありません。 辛いのが好きな人もいれば、少しの辛さにもお手上げの人もいます。 ジャガイモは、そういった好みをある程度調節する事ができます。 辛すぎると思った人は、まずライスとカレーを混ぜて調節、それでもまだ辛いと思ったならば、ジャガイモをスプーンで潰してカレーに混ぜれば辛さが弱まります。 「カレーのジャガイモは形が残っていた方がいい。」というのはこの為だったんですね。
料理の味付けで、関東の味付けは濃く、逆に関西の味付けは薄いと言われます。 なぜ濃い薄いの違いがあるのだろうか? 最大の違いは醤油の違い。 関東は濃口醤油、関西は薄口醤油が使われることが多いからです。 さらに醤油の違いを生むのは、魚にあると言われています。 昔は関東の食卓に出る魚は太平洋で獲れた魚がほとんどで、マグロやカツオは脂がよく乗っていて、味はいいのだけど、生臭いものが多く、臭みを消すために濃口の醤油が使われるようになったそうです。 一方関西では瀬戸内海で獲れた魚が中心で、鯛や鱧などの白身魚が多く、その淡白な風味と、ダシの味を生かすために、薄口醤油が使われていたそうです。 そのうち魚以外の料理にも、この醤油の分類が広まり、料理全体として「関東は濃い、関西は薄い」というのが定着していったようです。 ちなみに、福井県生まれの私は、筍や里芋を醤油で真っ黒に煮たものは嫌いです。
ホウレン草の缶詰を食べるとパワーアップするアメリカ生まれのキャラクター「ポパイ」は、日本でもアニメやゲームなどで人気になりました。 ところで、ホウレン草の缶詰って何? 日本では年中新鮮な生のホウレン草が手に入るが、アメリカでは生産地との距離もありそうも行きません。 現在は冷凍ホウレン草が多くなっていますが、かつては缶詰が主流だったようで、色が黒っぽくて食感はドロドロ、そのまま食べてもあまり美味しいものではなく、野菜嫌いの代名詞的な存在だったようです。 ポパイは元々「シンプルシアター」という漫画の脇役として登場していたキャラクターで、のちに主役になり、最初はキャベツを丸ごと食べてパワーアップしていましたが、大きさの問題もあって、当時一般的だった缶詰ホウレン草に変更されたそうです。 全米ベジタリアン協会や缶詰会社の宣伝キャラということもあり、ポパイ人気とともに缶詰ホウレン草の消費量は急増したと言われています。
電子レンジや冷蔵庫、冷凍庫など加熱や保存の際に欠かせないのがラップ・フィルム。 ラップは何故ぴったりとくっつくのか? 空気が抜けて密着するからというのもあるが、忘れちゃいけないのが「静電気」の存在です。 静電気というと冬場のパチッと来るイヤなイメージですが、ラップをロールから引き出す時に、くっついていたラップ同士が引き離されることによって静電気が生じます。 これがくっつく力です。 せっかちな人ほどラップ同士がくっついてイライラするのは、早く引き出すことで静電気も強くなるからです。 急がば回れ、ゆっくり引き出せば、こんなイライラは軽減されます。 他にも冷蔵庫や冷凍庫で冷やしておくという方法もあります。 冷たいところから暖かいところに急激に移動すると、細かい結露が発生して静電気が抑えられるそうです。 ちなみに薄くて便利なラップフィルムは、インフレーション法という方法で製造されます。 風船のように膨らませて、両端を切り、ロールに巻き付けるというもので、この時点では静電気はあまり発生しないため、苦労はないようです。
「車の色によって交通事故に遭う確率が違う」、この手の調査結果は幾つもありますが、ニュージーランドのオークランド大学等の研究によると、最も事故に遭いにくい色は銀色だと言われています。 一般的な白色の車を基準とした時、銀色の車が(重大な)事故に遭う確率は白の半分ほどで、「色が明るく光の反射性も優れているからではないか」と推測されています。 黄色や青、赤、グレーは白と同程度か少し低いぐらい。 一方で黒や緑、茶色は白の2倍近い確率になると言われています。 色の視認性、進出色や後退色という性質による事故の遭いやすさというのは確かにあるようです。 ところが別の見方をすればその色を選ぶ「ドライバーの性格の違い」という要因もあって、必ずしも色だけで決まるものではないようです。
通常、右利きの人は、左手で受話器を持って、右手でメモを取るという方が多いはずです。ところが、ノーベル賞を受賞したアメリカの大脳生理学者、ロジャー・W・スペリーによると、脳の働きからすると、右耳で聞いた方が効率が良いのだそうです。 右の耳は左脳支配、左の耳は右脳支配です。 しかし、脳の言語を処理する機能は左脳にしかありません。 左耳で聞いた言葉は、いったん右脳に入り、それから言語をつかさどる左脳へと伝達されます。 一方、右耳で聞いた言葉は、そのままストレートに左脳に入り、言葉の情報が分散されずに、話に集中でき、内容が頭に残りやすくなり、ミスも少なくなるというわけです。
夜になると眠くなるのは、暗くなると脳の松果体から分泌・生成されるメラトニンの量が増えるからです。 メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、アメリカでは自然な睡眠を助けるサプリメントとして売られています。 夜寝る前、眠れない時にホットミルクを飲むとよく眠れると言われますが、これは温かい飲み物によるリラックス効果だけではなく、牛乳に含まれるメラトニン、メラトニンの生成を促すトリプトファンによるものだそうです。 フィンランドやスイス、近年日本でも注目されているのが、「ナイトミルク」と呼ばれるちょっと高い牛乳。 夜間や暗い環境で搾った牛乳で、通常の牛乳よりもメラトニン等の量が多く、より睡眠を助ける効果が強いと考えられているようです。
水だと到底飲むことの出来ない量を、ビールだと平気でたくさん飲めます。 なぜビールはたくさん飲めるのだろうか? 「お酒だから楽しく飲める」、なんていう意見もありそうですが、これには一応ちゃんとした根拠があります。 水もビールも食道から胃に入ってそこに一時的に貯えられるところまでは一緒です。 中学校で習ったと思いますが、水は胃から十二指腸に少しずつ送られ、小腸から大腸を通る間に腸壁から吸収されます。 しかし、ビールなどのアルコールは、腸壁に吸収されるだけでなく、胃からも吸収されます。 また、アルコール分は炭酸ガスや砂糖を含むと、吸収が早まるという性質を持っており、それらを一緒に摂るとさらに吸収度が高まります。 その上、利尿作用もあるので、ビールはたくさん飲めるんだそうです。
白舞茸は、栽培が難しく、一般的に出回っているのは栽培の易しい黒マイタケが殆どです。 舞茸似ではありますが、実はニンギョウモドキ科のニンギョウタケの事で、白舞とか、さる舞とか呼ばれています。 白舞は松茸の収穫期が終わるまで採れるので松茸狩りの、“ついで茸”になっています。 しかも大量に採れるので案外ぞんざいに扱われているようです。 味も大味で二流と言われていますが、歯切れが良く香りも強いので、他の茸と一緒に調理して香を移すのに良いようです。 白舞茸は料理の際に黒い煮汁が出ないので、軽く湯通しして、サラダや酢の物などに適しています。 舞茸は「グルカン」などの栄養分が水に溶け出てしまうので、洗わずに調理した方が良いようです。