空気が乾燥する秋は、風邪を引きやすい季節です。 昔から「風邪にはカリンの蜂蜜漬けや、蜂蜜レモンが効く」なんて言うけれど、身体に良いとされる蜂蜜やプロポリスはどうやって作られるの? 蜂蜜は、働きバチが花の蜜を一度体内に取り入れ、一部分解してから巣に運んでいます。 巣の中で体外に出し、蓄えられた蜜は、ハチの羽が起こす空気を浴びて水分が飛ばされ、糖分と共に、蜜に含まれる各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素が凝縮されます。 水分量が低いため雑菌が繁殖しにくく、保存食としても非常に優れています。
一方、ピロリ菌を除去する効果があるとも言われているプロポリスは、セイヨウミツバチが巣内の隙間を埋めるために作る物質で、植物の樹脂や活性力が高い新芽のエキスから作られる為、ただの接着剤ではなく、巣内で感染症が流行するのを防ぐための抗菌活性物質が含まれています。 そのほか、花粉を主原料として働きバチが作るローヤルゼリーには、美容に有効な成分がバランス良く配合されています。 ちなみに、ローヤルゼリーは、女王蜂だけが主食とする「特別食」だそうです。
怪我をしたら何はともあれ傷口を消毒薬で殺菌! そんな常識もいまでは過去のものになりつつあります。 消毒薬は、細菌やウイルスのタンパク質を変成させて殺菌します。 患部に使うと傷口の細胞も傷つけてしまうので、治りが遅くなる危険があるからです。 傷口から雑菌が入ると感染症を起こしますから、殺菌が不要というわけではありません。 消毒薬で殺菌する代わりに使うのは水道水。 流水で患部を綺麗に洗い流すと、感染症の原因となる細菌やウイルスを十分除去できます。 患部に土などの異物が残ると、細菌の巣となり感染症が広がりやすいので、多少痛くてもガーゼなどで擦って異物を100%取り除くことが大切です。 その後は、ハイドロコロイド素材の救急絆創膏を貼り、モイストヒーリング(湿潤療法)をするのがベストだそうです。 傷口から出てくる透明な液体は、体液(滲出液)といって細胞の成長や再生を促す「キズを治す成分」が含まれています。 この体液は皮膚の自然治癒に重要な役割を果たすため、乾かさない方が良いそうです。 滑らかな皮膚を早く再生するためには、体液を保ち“かさぶた”を作らないようにしましょう。
ちなみに、患部を濡らさないようにお風呂に入り、シャワーで常在菌を洗い流した方が感染症のリスクは下がるそうです。
鮭は赤みを帯びているので赤身魚と思われがちですが、じつは白身魚に分類されます。 鮭の赤い色は「アスタキサンチン」という色素成分で、非常に抗酸化作用が強く、その抗酸化力はビタミンEの1000倍ともいわれています。 動脈硬化、ガン、白内障、胃潰瘍などを予防します。 鮭には、「アスタキサンチン」の効能以外にも、タンパク質、EPAやDHAといった体に有効な不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。 中でもビタミンDが豊富で、骨粗鬆症の予防効果、インスリン分泌の促進による糖尿病の予防などに効果があります。 また、細胞の活性化などに効果を発揮する核酸も豊富で、皮膚を美しくする効果やガンの予防などに効果があります。
ちなみに、鮭の皮にはカルシウムが豊富に含まれています。 出来るだけ皮を焦がさないように調理して、皮まで食べるようにしましょう。
インフルエンザのワクチンは効き目が半年程度しか持続せず、毎年どの型が流行するかは決まっていないため、1年近く前から予測で作られるそうです。 ところでワクチンを作る時に鶏の卵が使われることを知っていますか?(最近はよくテレビに出てくる)ワクチンは対象となるウィルスから作られますが、インフルエンザ・ウィルスを増殖させるためには生きた細胞が必要です。 そこで鶏の卵、その中でも有精卵で孵化する前の「発育鶏卵」というものを使用するそうです。 受精後10日程度の卵の中の將尿液の中にウィルスを注入し増殖させ、取り出した後に他の細菌を除去、ウィルスを死滅・無毒化させたものがワクチンの原液となるそうです。 近年ワクチン不足ということが問題になっていますが、これは学童への義務接種がなくなったことで安定した需要が低下、ワクチン製造に必要な有精卵が不足してしまったことが1つの原因になっているようです。 ちなみに、卵の成分はほとんど取り除かれているとはいえ、重篤な卵アレルギー患者はショック症状を起こすことがあるので注意が必要だそうです。。
毎年11月のはじめ頃に発売され、年末に向けて慌ただしく準備、年が明けたら配達される「年賀状」。 身近な人へ送る挨拶状であり、またなかなか会えない人、遠方の人へ送る近況報告でもあります。 この習慣はいつ頃始まったのか? 新年の挨拶状を送る習慣は、古くは平安時代の貴族、江戸時代には武家や商家の間で行なわれていたもので、実際に家々をまわる年始回りが一般的でしたが、行けない遠方への挨拶として使われるようになったようです。 これが庶民に広がったのは近代郵便制度が出来、郵便葉書が発売された明治6年からだそうです。 12月投函分の元旦配達は明治39年から開始されました。 こうして盛んになった年賀状のやり取りですが、昭和15年に戦争の混乱や資源の節約で停止され、戦後の昭和23年に再開され、さらに京都に住む林正治氏が年賀状の復活により、戦争で途絶えたお互いの消息が分かればと「お年玉くじ付き年賀はがき」を考案し、昭和24年12月に発売されてからは、現在まで続くロングセラーとなっています。
大相撲の番付では、東と西に分けて力士の名前が記されており、例えば同じ横綱ならば西よりも東のほうが格が上とされています。 どうして東の方が上なのだろうか? 東には何か特別な意味があるのだろうか? 現在の大相撲は東と西に分けられていますが、昔は左と右だったそうです。 それは平安時代に宮廷で開かれていた節会(せちえ)相撲というもので、現在のように東と西になったのは、江戸時代に入ってからと言われています。 ただし、当初は力士の出身地によって現在の滋賀県よりも東の力士を東方力士、西の力士を西方力士として分けていたそうです。 番付で東が西より上位になったのはこの左・右の時代に左のほうが上位であった関係からで、左と右を一つにして言うときに「左右」というように、東と西は「東西」と表現する事から、左が東、右が西に対応して、東が上位になったようです。
最近ではホワイトボードを採用する学校も増えてきているが、板書と言えばやはり「黒板」。 深緑色なのに「黒板」という名前で呼ばれるのは、もともと文字通り真っ黒な板が使われていたためです。 明治の初めにアメリカから持ち込まれたブラックボード。 「黒板」という名前の国産品も板面は黒かったそうです。 国産品の場合、木の板に墨汁を塗りその上から柿渋を塗ったもの、漆を塗ったものなどが作られたそうです。 ところがこの黒板は表面が光って見難い、年月が経つとヒビ割れを起こすなどの欠点があり、のちに塗料が改良され、さらに黒地に白は目が疲れるといった理由から、昭和29年にはJIS規格の制定により板面が緑に変更されましたが、黒板という名前は残ったそうです。 ちなみに現在はスチール板に塗料を塗ったものや焼き付けたものが多く、表面はなるべく光らないように加工が施されているようです。
コラーゲンのコラーは「にかわ」、ゲンは「元となるもの」という意味で、にかわの原料となる動物の皮に多く含まれていることから名付けられたそうです。 人間の体にも欠かせないもので、肌の潤いを保つためにコラーゲンの含まれた化粧品というのも多数あります。 肌に塗ったコラーゲンが皮膚から吸収されるような説明をしているものがあるようですが、実はこれは間違いで、コラーゲンは皮膚からは吸収されません。 もちろん効果がないわけではなく、外部からの刺激を緩和したり、水分を保つことは可能です。 では、飲食で摂取するコラーゲンはどうか? これもそのままでは吸収されません。 一度分解されてから吸収、生成されるので即効性はないようです。 ただし、長く続けていれば体内でコラーゲンの原料となるアミノ酸やペプチドを補給することは出来ますが、実際に皮膚の状態を改善する効果があるかについては、科学的に十分に証明されているわけではありません。 材料摂取だけを考えるなら、ゼリーやタンパク質の多い食品でも十分なようです。
「松竹梅」は縁起のいいものの代表として使われる一方で、商品等のランクを表すものとしても使われています。 では、なぜ松竹梅は縁起がいいのか、そしてなぜ「梅竹松」ではなく「松竹梅」なのだろうか? 「松竹梅」というのは「歳寒三友」という考え方によるもので、松は1年を通して緑を保つことから「長寿」の象徴として、竹は真っ直ぐ勢いよく伸びることから「成長力」や「出世」の象徴として、梅はいち早く花を咲かせることから「生命力」の象徴として縁起が良いとされたそうです。 実はこの松竹梅という並びに優劣はなく、縁起が良いと考えられはじめた順、あるいは語感の良さで並んでいるだけのようです。 江戸時代に天ぷら屋や寿司屋が特上や上、並では並を注文しにくいため、松竹梅に当てはめたのが始まりと言われ、店によっては梅竹松の順になっているところもあるようです。
ジンギスカン(鍋)と言えば、溝や穴のあるドーム状の鉄板で羊肉を焼いて食べる料理のこと。 モンゴルの英雄ジンギスカン(チンギスハン、成吉思汗)の名前が付いているのだから「モンゴル料理」と思いがちだが、実は日本生まれの料理なのです。 その発祥は諸説ありますが、大正から昭和初期に中国東北部の鍋羊肉を参考にして日本人の口に合う料理を発明、昭和11年東京にジンギスカン専門店「成吉思荘」が出来たのが最初と言われています。 ジンギスカンの名付け親は満州国総務長官になった「駒井徳三」というのが有力だが、中国特派員の新聞記者という説もあります。 北海道ではそれ以前から羊肉を食べていましたが、ジンギスカンの登場で全国的に知られるようになり、今では花見など宴会の場でよく食べられる料理になっています。 ちなみにモンゴルでは羊肉を食べるが、茹でる・煮る、あるいは串に刺して焼くのが一般的だそうです。
寿司は、もともと関西で生まれました。 関西の寿司は、作るのに日数がかかる押し寿司で、江戸にも伝わりましたが、あまり定着しなかったようです。 江戸時代文政年間のはじめの頃、押し寿司に代わり、関東で握り寿司が生まれました。 この握り寿司を作りだしたのは、江戸本所元町の寿司屋「鮓屋与平衛」だそうです。 彼は、江戸前でとれるエビやコハダなどの新鮮なネタに、ワサビをつけて握る寿司を考案しました。 それが江戸中に広まり、江戸前の握り寿司となったようです。 ちなみに、「寿司」という字は当て字で、京都では朝廷へ献上することを考慮し「寿司」と書き、江戸では「鮨」、大坂では「鮓」の字が使用されるそうです。 「寿司」の語源は江戸時代中期に編まれた『日本釈名』や『東雅』の、その味が酸っぱいから「酸し(すし)」であるとした説が有力と言われています。
薬の名前の語尾には「ン」がつくものが多い。 ノーシン、パンシロン、パブロン、トラベルミン…などなど。 なぜかと言うと、薬の成分になっている化学物質の名前のスペルが"n"で終わるからです。 こんなことはあまりにも有名なので、多くの人が知っていると思いますが、でもそれだけの理由? 実は他にも理由があります。 薬に限らず商品名には縁起を担いだ名前をつけられることが多いからです。 「ン」は「運」に通じ、よく売れるようにとの願いが込められているようです。 それからかなり決定的な理由がもう一つ。 今でこそ横文字は左から右へと読むが、昭和20年代の初めまでは右から左に読んでいたようです。 つまり、その転換期を乗り越えるための手段として、たとえばトラベルミンを例にあげれば、「トラベルミン」と読む人はいても「ンミルベラト」と読む人はまずいないでしょう。 どちらから読めばいいのか気付かせる効果を狙ったもののようです。 ちなみに薬の名前が漢字のもの、正露丸などは、昔丸薬には「丸」をつける習慣があって、「願をかける」と縁起を担いだものだそうです。
民法によると日本における成年というのは満20歳以上のことで、20歳以上が大人として扱われています。 電車やバスの大人料金が15歳以上だったりするのも疑問だけど、薬局などで売られている風薬などの服用量はたいてい15歳が基準となっているのはなんか納得がいかない。 気付いていないという人はほとんどいないだろうけど、市販薬の使用上の注意で「大人(15歳以上)」などとなっています。 たとえば同じ15歳でもその人の体格はまちまちで、太っている人とやせている人では薬の分量は違うような気がします。 実は、薬の効き目というのは、体重や身長とは直接関係のあるものではないからだそうです。 一般の医薬品は体格よりもむしろそれぞれの年齢の体質(内臓機能の発達)を基準に作られているからで、つまり15歳以上になればどんな体格であろうと、内臓器官は大人と同じように発達、機能することになるからです。
鏡は自らを映すもの、あるいは光や空間を演出をするものです。 しかし違った使い方もあり、心理面に影響を与えるものでもあるそうです。 その1つがエレベーターです。 利用者が多いエレベーターでは中の壁に鏡がついていることがあります。 複数の人がエレベーターに乗る時、ほとんどの人が上の階数表示を見ています。 これは他人と目を合わせまいとし、目のやり場に困るからです。 また、自らの空間を無意識に広げようとする行動と言われています。 鏡を置くことで広く見え、圧迫感が軽減されるようです。 エレベーターの外、待つ場所にも鏡がある場所もあります。 これは別の理由で、鏡があることで待ち時間を短く感じさせるようです。 自分の服装をチェックしたり、眺めているだけで時間は過ぎるという作戦のようです。 エレベーターではありませんが、公衆電話ボックスの中についている鏡は、後ろに並んだ人を意識させ、長電話をさせないために取り付けられたもの。 このように鏡は時間や空間を心理的にあやつる効能を持っているんですね。
世に名水、美味しい水と言われる水があります。 ただの水なのに美味しいと感じる、味覚は人それぞれだが多くの人が美味しいと感じる水とは、具体的にどのような特徴がある水なのか? 厚生労働省がまとめた「おいしい水の要件」や「快適水質項目」の一部を挙げると、 主にミネラルの含有量を示す蒸発残留物は30~200mg/l、カルシウム・マグネシウムの含有量を示す硬度は10~100mg/l。 これらが多すぎると苦味が増してクセのある水になります。 それから重要なのが水温で、冷たいと清涼感が出てニオイも抑えられることから20℃以下(特に10℃前後)が良いようです。 他には臭気度は3以下、残留塩素は0.4mg/?以下、pH値は7.5程度など。 これらはあくまで大雑把な基準で、実際に名水と言われる水は単に条件を満たすだけでなく、それぞれが絶妙なバランスで存在しています。 ちなみに不純物を一切含まない純水・蒸留水は味も素っ気もなく、決して「美味しい」と言える水ではありません。 美味しさの決め手は不純物というわけです。