缶詰には種類によって食べ頃があるのを知ってますか? ピクルスやマリネを作るとき、材料を酢やドレッシングに漬け込み、時間をかけて味をなじませるのと同様に、缶詰も作り立ては美味しくありません。 たとえば、マグロの油漬けの場合なら、蒸したマグロの身を缶に入れ、調味油を加えて密封してつくりますが、マグロと調味油がほどよくなじんだ状態で食べれるのは、製造後1年から5年の間が美味しいとされています。 魚介類の水煮、油漬け、味つけ缶はすべて、この期間が美味しいようです。 ちなみに、桃やパイナップルなどの果実のシロップ漬けは、製造後半年から4年の間、アスパラガスやスイートコーンなど野菜の水煮缶は半年から3年の期間が食べ頃とされています。
「越前蟹は美味しい! いいや、松葉蟹の方が美味しい。」、よくこんな会話を耳にしますが、「松葉蟹」と「越前蟹」は同じ「ズワイ蟹」です。 鳥取や兵庫あたりでは「松葉蟹」、私の生まれ故郷の福井県では「越前蟹」、山形県まで登ってくると「ヨシガニ」などと呼ばれるそうです。 蟹には、アミノ酸の一種のタウリンが豊富に含まれています。 タウリンは、血圧を正常にし、心肺機能の強化、貧血の予防、悪玉コレステロールの減少などに効果があります。 赤い色を生み出しているアスタキサチンは、強い抗酸化作用を持っており動脈硬化やガンの予防、老化を抑える効果も期待されています。 アルコールの解毒作用もあるので、お酒を飲むときに食べると、アルコール性の肝臓障害などの予防に効果があるそうです。 殻にはキチンという動物性の食物繊維が入っているので、便秘予防や生活習慣病の予防にもなります。 ちなみにカニみそは、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹ができやすい、などのアレルギー体質の人は注意が必要です。 また、身体を冷やすので、冷え性の人も量を控えた方がいいそうです。
海苔は、食べる前に火で炙るのが普通です。 焼かずにそのまま食べても、あまり旨味は感じられません。 実は、海苔の旨味や香りは、炙って加熱することで、はじめて引き出されるわけです。 加熱すると、海苔の細胞は完全に破壊されます。 こうすることによって、細胞内に蓄えられた旨味が外に出てきます。 また、成分のアミノ酸と糖が加熱によって化学反応を起こして「メイラード化合物」ができ、これが海苔の香りの元ではないかと言われています。 海苔は炙ると鮮やかな青緑色になり、見た<目の美味しさも引き出してくれます。 いくら炙ると海苔の旨味と香りが出るからといっても、焼き過ぎては焦げて風味をかえって壊してしまいます。 焼き方のポイントは、海苔の裏面を内側にして2枚重ね、その両面を160度程度の火で緑色になるくらい炙るのがベストでしょう。 1枚を両面炙ってしまうと、裏と表では組織の収縮度が違うために組織が脆くなり、海苔が崩れ易くなりますよ。
ビールっ腹という言葉があるように、ビールは太りやすいお酒というイメージが強いようです。 その為わざわざビールを避けてワインや日本酒を飲む人も多いようです。 しかし同量で比べた時、当然ビールのカロリーは少なく、ワインや日本酒はその2~3倍、焼酎はもっと多いそうです。 ビールはアルコールが少なく、また吸収が早いために一度に他と比べると飲む量が格段に多く、ついつい飲みすぎてカロリー摂取量が多くなるというのが論理です。 ただし、この場合も実際に1回に飲む量で比較しても、あまり大きな違いにはなりません。 一番の原因はビールではなく「おつまみ」です。 ビールの苦味成分は食欲を増進し、油っぽいものが欲しくなります。 他のお酒に比べると高カロリーのおつまみを食べてしまうからで、おつまみに気を付けていれば太りやすいということはないようです。
日本酒には、ビタミン、アミノ酸、ペプチド、麹酸など新陳代謝を高めてくれる成分がたくさん含まれています。 日本酒は、米を麹菌で分解して酵母で発酵させて作りますが、この過程で生み出される麹酸には、しみやほくろの原因になるメラニン色素の生成を押さえ込む働きがあるそうです。 ですから、酒どころに色白の美人が多いとか、相撲取りの肌は綺麗だなどとよく言われるわけです。 また、日本酒には悪玉コレステロールを取り除いて、血管の若さを保ってくれる働きがあります。 ですから、寒い日に日本酒を飲むと血行を良くしてくれて、身体を暖めてくれます。 最近では、日本酒の中にはガン細胞を抑えたり、ボケを防いでくれる働きがあるとも言われています。 とは言っても、いくら身体に良いからといって飲み過ぎないように気を付けなくてはいけませんね。 (反省・・)
野菜を小さく刻んで醤油や砂糖で漬けた漬物「福神漬け」。 福神漬けという名称は、明治の初めに福神漬けを考案した「酒悦」が持つ商標名ですが、一般的にも使われています。 そもそもなぜ福神というのだろうか? 福神漬けを考案したのは酒悦の創業者 野田清右衛門だそうです。 この漬物は正式には大根、ナス、レンコン、カブ、ウリ、シソ、ナタ豆の7種類の材料が使われているそうです。 そこで店の近くにあった上野不忍池の弁財天にちなみ、「七福神」→「福神漬け」と命名されたそうです。 ちなみに、カレーライスに福神漬けが添えられていますが、大正時代に日本郵船の欧州航路にて、一等船客に出されるカレーに添えられたのが始まりで、高級というイメージが付いたためか、広く普及したと言われています。
みっともなさが一番表れやすいのが、最初に「割る」時です。 箸を縦に持って左右に割るのは縁起が悪いとされています。 両手で水平に持ち、上下に割るのが上品な仕草です。 また、割ったあとに、両方の箸をしごき合わせるのは失礼にあたります。 「ササクレができるような質の悪い割り箸だ」と言っているようなものだからです。 食べ終わった後、使った割り箸を袋に戻されると思いますが、使用済みだとわかるように、割り箸袋を半分に折り、箸の先だけを袋に入れるようにしましょう。 余談になりますが、お店で割り箸を利用する場合、箸置きが無いのが一般的です。 その場合は、料理のお盆にヘリがある場合はヘリに箸をかけても失礼にはあたりません。 お奨めの方法は、箸袋を利用して箸置きを作ってみることです。 人によって箸置きの作り方は違いますが、箸袋を何度か折って立体的になれば臨時の箸置きとしては使えますよ。
舞茸に「グルガン」という多糖類が含まれていることは有名です。 このグルガン、体内に摂取されると血液中にとけ込み、体内の免疫機能の活性化を助けると言われています。 つまりガン細胞の増殖を防いでくれるのです。 さらに、グルガンは食物繊維と同様、腸を刺激し老廃物の排出をうながすので、大腸ガンの予防にもつながります。 最近では、学会でグルガンには抗エイズ作用があると発表され話題を呼んでいます。 また、舞茸はビタミンB2がとっても豊富で、そのビタミンB2には、体内に蓄積された余計な脂質や炭水化物をエネルギーに変換してくれる働きがあります。 その他、ミネラルや食物繊維も豊富に含んだ低カロリー食品で、今一番注目したい茸と言えますね。
健康に良いと報道された食品に消費者が殺到する「フード・ファディズム」。 英語では、「Food Faddism」。 「Fad」とは、辞書を引いてみると「気まぐれ、物好き、一時的な流行」という意味が記してある。 つまり、"フードファディズム"とは…「様々なマスメディアや食品・健康食品産業などから、毎日、大量に垂れ流しされている食べ物・サプリメントに関する健康・栄養情報を過大に評価したり、過信すること」です。 ある食品を食べたり、飲んだりすることで、健康問題が全て解消するようなイメージが作られ、大流行したりする。 まさにこれに当たります。 フード・ファディズムの問題点は、過剰摂取による弊害が起こる可能性や、偏食により、栄養バランスが、崩れる可能性があることです。 また、良い情報ばかりで、「弊害の危険性」について、情報発信されていないことです。 本当に健康を考えるならば、一番大切なことは、「全体の食生活を見渡す」ということであり、なるべく普段の食事の中で、バランスを考えることだと思いますよ。 そして、テレビの健康番組などで、正しいように語られている情報を鵜呑みにせず、「これって本当に正しいの?」という客観的な目を持つこと必要です。 疑問に思ったら、まず調べてみましょう。
流す「涙の味」はほんのり塩味。 これは人間の体液や血液に塩分、ナトリウムが含まれているからです。 ところで「涙の味」は、どういう感情で流した涙かによって違ってくると言われています。 悲しい時や嬉しい時、つまりリラックス状態で流れる涙は、含まれるナトリウムが少なく薄味で、量が多く水っぽいサラサラの涙で流れやすいそうです。 一方、悔しい時や怒っている時のような緊張状態で流れる涙は、ナトリウムが多く塩辛く、量も少なくやや粘り気があるそうです。 涙にはナトリウムやカリウム、脂肪分の他にコルチゾールというストレス物質が含まれています。 「泣くとスッキリする」というのは、涙を流すことで血中に含まれる余分なストレス物質を排出しているからだそうです。 逆に言えば、涙を流さないと強いストレスが加わったままの状態が続くということです。 悔しいときは我慢せず、涙を流して ストレスを解消しましょう。
魚の頭部は脂肪が乗り、エキスも豊富なので、中・小型の魚を煮付ける時は頭を付けたまま煮るのが原則です。 特に、キンメダイ、カワハギ、コチ、カサゴ、メバルは、頭を落とすと損をしますよ。 理由は、煮汁に出る旨味もさることながら、頬肉、カマ肉、ヒレの付け根の肉といった美味しい身がここにたっぷりと隠されているからです。 まずキンメダイの胸ビレの付け根、いわゆるカマの身は、煮ると茶褐色になり、見栄えは悪いですが、歯ごたえが良く美味い身です。 カワハギは、その顔からも想像できるように頬に美味しい肉が沢山付いています。 コチやカサゴにも、頬にめっぽう美味しい肉が隠れています。 さらにメバルも、弾力がありエキスも沢山詰まっている頬肉、カマ肉を持っています。 食べる時には忘れずに味わい尽くしましょうね。
日常的な飲み会や、宴席の乾杯のシーンでよく登場するのがビールです。 お酒は注いだり、注がれたりして飲むものですし、日本では、相手のグラスが空になる前にお酌をするケースが多いようです。 相手のグラスが空にならないように気配りをすると、どうしても注ぎ足すことになってしまいますが、ビールを美味しく飲むためには、本当は注ぎ足さない方がいいのです。 なぜなら、ビールの特性として、泡があるからこそ新鮮な美味しさを保つことができ、注ぎ足してしまうと泡が消えて、味が劣化することになってしまいます。 相手のグラスを空にせず、できるだけ美味しい状態で飲むためには、グラスに残り少なくなったところを見計らって、お酌をすると良いでしょう。 反対に自分が勧められた時は、一口飲むなどして、グラスの中のビールを減らしてから注いでもらうと良いと思います。
今や日本の国民食とも言われるラーメン。 日本各地、数え切れないほどのラーメン屋がありますが、使っているラーメンどんぶりを見ると似たようなものが多い。 どんぶりの縁に赤い色での渦を巻いたような模様、何の意味があるのか? この模様は「雷文(らいもん)」と呼ばれるもので、文字通り雷の稲妻を表したもの。 紀元前1500年ごろの「殷」の時代より、中国では雷が天の意思を示すものと考えられ、それを伝える皇帝など、高貴な人の身の回りのものにあしらう文様とされていたそうです。 それがなぜラーメンどんぶりに? というのは、はっきりわかっていませんが、高級な中華食器にあしらわれていたものが一般化したという説や、明治時代にラーメンが東京で紹介されたときに、豚肉を食べる習慣のなかった日本人に食べてもらえるよう、どんぶりに雷文を、中央にナルトを置き、嫌気を封印していたなどの説があるようです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉通り、魚好きな人ほど、魚の食べ方が綺麗なものです。 尾頭つきの焼き魚を美味しく、見た目にも綺麗に食べるためには、まず魚をひっくり返さずに食べることを覚えておきましょう。 焼き魚が出たら、指などで頭を軽く押さえながら、箸で背中と腹を何ヶ所か押さえます。 こうすると身と骨が離れて食べやすくなります。 上側の身を食べ終えたら、頭、尾がついたままの中骨を尾の部分をもちあげながらとり除きます。 中骨は、皿の向こう側に置き、下身を食べ終えたら、食後の皿が見苦しくないよう、残った骨やワタなどを皿の一ヶ所にまとめておきます。 美味しく食べる方法は、食事のマナーにも通じます。 食べちらかさず、上品に食事をしたいものですね。
ちなみに、ひっくり返しもせず、骨をとり除くこともせず、骨と骨の間から下身をほじり出すことを「すかし箸」といいます。 これは、魚を食べるときのマナーとしては最悪だそうです。
「トンカツにキャベツの千切り」は定番の組み合わせです。 キャベツがメインであるかの如く、山盛りの千切りキャベツにこだわる人は少なくないようです。 脂っぽいものにはサッパリした野菜を…ということですが、この組み合わせはいつから定番なのだろうか? 元祖は1895年(明治28年)創業の銀座の洋食店、「煉瓦亭」と言われています。 1899年(明治32年)に二代目の木田元次郎氏が、日本人の口に合う肉料理としてポークカツレツ、トンカツを考案しました。 最初はこれに温野菜を添えていたが、作るのに手間がかかってしまい、脂っぽい肉に合うサッパリした野菜として、漬物など試行錯誤を経て、評判の良かった「キャベツの千切り」が定着したそうです。 このキャベツは単にサッパリしているというだけでなく、キャベツに多く含まれているビタミンU(キャベジン)により胃腸障害を改善する働きがあり、まさにベストな組み合わせと言えるでしょう。