鎌倉由紀子のブログ

現代社会はストレス社会ですが、心がなごむ、ストレス緩和に役立つ記事を掲載したいと思います。

江戸東京たてもの園を見学して

2018-05-02 13:13:16 | 日記
 緑に囲まれた小金井公園の中に、江戸東京たてもの園があります。ここには、江戸時代・明治・大正・昭和の江戸と東京にあった価値ある建築が30棟移築されて、展示されています。入場してすぐに目立つ和風の豪邸は、高橋是清邸です。2・26事件のとき、大蔵大臣だった髙橋是清は、この2階で青年将校たちに暗殺されました。2階の窓ガラスは、板ガラスが国産になる前のもので、凹凸が目でわかる手作りのガラスです。南側には、庭園が配置されています。

 東ゾーンには、主に商店建築が並んでいて、レトロな店先には、酒、醤油、乾物、缶詰、金物、生花などが当時の様子を伝えています。「看板建築」という名称で呼ばれている昭和初期に流行った商店のファサードは、装飾が豊かで、街を歩く人々の目を楽しませてくれたことでしょう。昭和初期にタイムスリップしたかのような街並と店頭風景には、現代には失われている生活感が感じられます。

 西ゾーンには、洋館や瀟洒な住宅が並んでいますが、その中でも建築を学んでいる人にお勧めしたいのが前川國男邸です。ル・コルビュジェに師事した前川國男は、東京文化会館や東京都立美術館などの名建築の数々を設計しました。戦時下の資材が不自由な時代に建設したとは信じられないほど見事な住宅建築です。開放感のある吹抜の居間にいると2階建だと思いますが、実は平屋建です。露出された階段は中二階に通じていますが、飾り棚の裏のスペースは隠れ部屋です。南北に大きな開口部を設けているので、通風がよく、日当たりも抜群で、白い漆喰の壁面は、反射光で室内を明るくします。

 建築を学ぶ学生だけでなく、建築や民家に興味がある方にお薦めの施設です。小金井公園を散策するついでに、ぜひ江戸東京たてもの園に足を運んでみて下さい。

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