平安時代好きブロガーの なぎ です。
2022年 5月27日のこと。
京都市にある 賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)こと
通称「上賀茂神社(かみがもじんじゃ)」をお参りしました。
ご祭神は 賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)。
【一の鳥居】
【上賀茂神社 楼門】 本殿は楼門の奥にあります
5月の賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)といえば、葵祭が有名ですよね。
葵祭はかつて「賀茂祭」と呼ばれており、賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)の例祭です。
古代には単に「祭」といえばこの「賀茂祭」を指していたのだそう。
『源氏物語』第9帖 葵 において
「祭」を前にして、賀茂斎王が鴨川で禊(みそぎ)をする「御禊(ごけい)」の日の供奉(ぐぶ)には、特に世評が高く容姿がすぐれた人々が選ばれました。
その上、朱雀帝の特別な思いがあって、光源氏までも御禊の行列に加わることとなり、貴賎を問わず見物への一般の関心がより高まりました。
この御禊の行列での光源氏の晴れ姿を見るべく、一条大路にて光源氏の正妻・葵の上と恋人・六条御息所が牛車を停める場所取りをめぐり「車争い」がおきたことが知られます。
※賀茂斎王=天皇の代わりに賀茂社に仕える皇族女性。占いで選ばれます。「賀茂斎院」とも。
紫式部ゆかりの片岡
【上賀茂神社 摂社:片山御子神社】
上賀茂神社の摂末社のひとつで楼門の近くに鎮座する、片山御子神社(かたやまみこじんじゃ)[通称:片岡社]には上賀茂神社のご祭神 賀茂別雷大神の母神である賀茂玉依姫命(かもたまよりひめのみこと)が祀られています。
紫式部の家集『紫式部集』より (13)
賀茂にまうでたるに、ほととぎす鳴かなむといふ
あけぼのに、かたおかの木ずゑをかしうみえけり
時鳥声まつほどはかたをかの
森のしづくにたちやぬれまし
[現代語訳: 上賀茂神社に詣でたときに、「時鳥が鳴いてほしい」といった曙に、片岡社の森の木末が神々しくみえた。
時鳥の声を待つ間は、片岡の神の社の森の雫に立ち濡れたいものです。]
【本文・現代語訳は『新訂版 紫式部と和歌の世界 一冊で読む紫式部家集 訳注付』(上原作和・廣田収 編)より引用】
※木末(こぬれ):木の枝の先端。こずえ。
現在、片岡社の賀茂玉依姫命は 縁結び・恋愛成就・家内安全・子授け・安産 の神様として有名とのこと。
上賀茂神社ではそれにちなむ「縁結び」の絵馬も授与されています。
【片岡社 縁結びの絵馬】
時鳥(ほととぎす)や十二単を着た紫式部と思しき女性の後ろ姿が描かれ、紫式部の和歌「ほととぎす~」も記されています。
絵馬のかたちは「葵」の葉。ハート型にも見えますよね!
【手水舎にあった葵】
ハートの形?
【境内にある紫式部歌碑】 先にご紹介しました「ほととぎす~」の歌です。
【御手洗川】
上賀茂神社で葵祭の「御禊の儀」が行われる際、斎王代はこの階段から御手洗川に両手を指先から入れて身を清めます。
上賀茂神社境内には、『百人一首』で知られる 従二位家隆の歌碑も。
【歌碑】
上賀茂神社の説明板より↓
風そよぐならの小川の夕ぐれは
みそぎぞ夏のしるしなりける
(藤原家隆卿)
小倉百人一首の古歌で有名な「ならの小川」で平安の昔、神職がみそぎを修していた情景を詠んだものである。
この辺りを「ならの小川」と称する。
…というわけで、見どころ満載の上賀茂神社でした。
大好きな神社です。
【お休み処】
上賀茂神社参拝後は、お休み処で「神山湧水珈琲」とやきもちを食べてひと休み。
アイスコーヒーのほろ苦さとやきもちの甘さにほっとしましたー。
賀茂別雷神社[上賀茂神社]
京都市北区上賀茂本山339番地