海住恒幸の松阪市議会通信 

議員活動を通して、自治体議会や自治体のあり方を考えるブログ

今度は一般質問

2007年09月12日 23時33分49秒 | 議会
次は一般質問です。
わたしの割り当ては、19日午前10時からの50分間(答弁含む)。
ちょうど1週間あります。
もう一回、テーマのポイント整理を始めます。

市民病院決算質疑概要

2007年09月12日 12時36分44秒 | Weblog
市民病院の決算の質疑を行いました。

概要は次の通りです。

1,経常損失

(1)提案説明の中で触れられなかった経常損失7億1000万円

提案説明の中で事務局長は、
「不良債務解消のため、一般会計から特別利益として6億5000万円繰入していただきました。その結果、純損失が6026万円9594円と昨年より赤字額は2億9669万円1803円減となり、また、不良債務額は2億225万612円と昨年より1億6348万745円減額することができました」と述べられた。

これは、「前年度は3億5600万円もあった単年度の赤字は、今期は6026万円に減った」と言っているようなもの。

ことの本質から目をそらした説明だ。

説明のどこにも出てこないが、市民病院が本業の業務で7億1000万円の赤字を出している経常損失のことを強く言うべきだ。
本質は、赤字は、6026万円9594円でなく、7億1000万円なんだということです。

どこの会社が、株主総会で、「ケイツネ」を言わないで、市民病院では赤字補てんの6億5000万円のことを特別利益といいますが、特別利益のことを加えた数字を言いますか。
実態から目をそらすような説明はやめてほしい。

なぜ、そのような説明はダメかというと、「純損失が6026万円9594円と昨年より赤字額は2億9669万円1803円減となった」というが、特別利益を繰り入れた18年度と、何も繰り入れていない17年度を比較して、18年度は17年度より赤字が2億9669万円1803円減となったはないだろう。
ケイツネ段階で比較し、17年度は3億5600万円の赤字だったのに対し、18年度は赤字額がほぼ倍増し、7億1000万円となりましたと言わなければ、実態が見えないではないですか。


【再質問】
ただ、ケイツネをしないのは、前からの恒例のようだ。
説明の仕方が前例踏襲型になっているようです。
しかし、それは改めるべき。
正しい経営実態を反映した説明をすることが説明責任というものだ。

経常損失が7億1000万円という実態があるから、6億5000万円の繰入をしなけければならないんだと言うべきだろう。
6億5000万円は特別利益だといったけれど、その通り。
損益計算書のうえでは、赤字補てんということで一時的に発生した、そのときだけの利益なんだ。
大事なのは、本業で利益が出たかどうかを見る経常利益か経常損失かということでしょう。その経常損失について説明がなかった。
これは説明の仕方として、最も重要な要素を落としている。
確かに損益計算書には書いてありますから、それを見ればわかるから、説明なんかいらないじゃないかという発想か。
それとも、そんな不都合な数字、わざわざ、説明する必要はない。知らせる必要はないという発想なのか。
都合の悪い数字は、ばれなければ隠す、というのが、市民病院の体質なのでしょうか。



(2)7億1000万円の単年度赤字(経常損失)は過去最高か?

 市民病院の単年度の実質赤字が7億1000万円に達したのは、現在の病棟が完成した平成7年以降では、過去最悪の数字。
7億1000万円に近い数字は、平成8年度に7億600万円というのがあるが、これは建設直後ということでいまより減価償却費も支払い利息も5割多く、例外。それ以外は、多い年で5億円台、あとは3〜4億円台で推移してきた。
 そういった意味からも、7億1000万円の単年度赤字(経常損失)はダントツに過去最悪。前年度の平成17年度は3億5000万円と比べ、一気に2倍になったことがすべてを物語っている。
平成18年度決算は、過去最悪だと確認しておきたいと思います。

2,6億5000万円の繰入という発想
 (1)自らの意思なし
 市民病院には、ふだんから9億円ぐらいの法定の繰入を行っているが、法定外で繰り入れたというのは、平成15年に続いて2回目。
しかし、15年は5600万円。
それに比べ、今回は6億5000万円で、こんなのは初めて。

 もし、この繰入が行われていなければ、現在、65億円の累積赤字も、70億を超えていた。

しかし、独立採算性を大原則とする市民病院だが、放置しておけば累積赤字70億になっていたにもかかわらず、自らの意思でそれを阻止しようとしていたかというと、どうもあやしい。
 なぜかというと、独立採算性という大原則を破って、繰入という発想も、自らの発想ではなかったのではないか。
 国からの指導があったからではないか。
 しかも、緩和ケア病棟を造るので起債しようとしたら、借金が多すぎて、もう借金はしてはならないと国から言われた。
でも、借金を減らしたら起債してもいいよ、と。
借金の限度を超えているのでもう貸せないが、別のところから借りてきて返済したら貸してもいいよ、みたいなもの。
一般会計からの繰入は借金じゃなけど、多重債務者のような資金繰りだ。
もうカネを借りることができない人に、一般会計という打ち出の小槌がカネを出した。
市民病院が苦しいのは、自己資金がなく、ほとんど借金で現在の病棟を建てたのが原因。その返済も済んでいないのに、新たに建てる緩和ケア病棟は、本来、もう住宅ローンの借りられない人が、増築ローンを借りたようなものだ。

 なんでそんなことが平気でできてしまうかが問題だ。

それは、本当は単年度で7億1000万円の赤字、累積で72億円の赤字であるという現実を一般会計からの繰入で、単年度6000万円の赤字にし、累積赤字も少ししか増えなくできてしまえることが問題。

民間だったら、こんな状態で増築のための借金もできないし、ケイツネの7億円を超す赤字をたった6000万円にしてしまう6億5000万円の特別利益も入ってくるはずはありません。

経営破綻に等しい市民病院が、新たに借金して造っているのが緩和ケア病棟ではないか。

フツウ、こんなことしますか。
やり方が夕張市そっくりですよ。

ふつうは、経営者がいて、会社だったら、取締役会、病院だったら理事会があって、そのような借金にはチェックがかかる。

が、松阪市民病院は、実はだれが経営者なのか、だれも、当事者として責任を果たしていない。

すべて市長の一存ではないか。

今回の6億5000万円の繰入は、不良債務の解消が目的とはいうものの、本当は緩和ケア病棟建設のためではないのか。


【再質問】

 一般会計から6億5000万円を繰入れ、不良債務の解消を図ったのは国の指導によると聞いている。
 もし、国がそのような指導をしなかったら、経常損7億1000万と病棟新築後では過去最高、累積赤字も70億円を超えていた。
 自らの意思で病院経営をなんとかしなければいけないという発想は生まれなかったのではないか。


 (2)なぜ、国が6億5000万円の繰入を指導したのか。
 緩和ケア病棟を造るので借金(起債)しなければならない。
しかし、不良債務があまりに多い。言い換えれば、いつでも自由に使える流動資産より、すぐにでも返済しなければならない流動負債がはるかに上回る状態だった。
そんな病院にはこれ以上借金させるわけにはゆかないということで、一般会計から6億5000万円を繰り入れて身をきれいにせよ、そうしたら借金を認めてあげようということになって、ホスピスの建設費をつくった。言い換えれば、ホスピスの建設を予定したから6億5000万円を一般会計から繰り入れた。
 まことにヘンな話だが、起債の制限を受け、国からの許可を得なければ新たな借金もできない、いわば、自治体で言うと、国から財政再建団体の扱いを受ける身でありながら、新たな借金で19億円を出して緩和ケア病棟を新築する。
 一方で、帳簿の上では、「不良債務が減り、純損失も前年より2億9000万円も少ない6000万円になりました」とめでたがる。
 そのことは何を意味しているかというと、市民病院の発想の中には独立採算性の大原則はきれいさっぱりとなくなり、いつでも一般会計から助けてもらえるから「エエわ」のような発想につながらないか。
 その点、繰入に対する市長の考えを明確にしておいてもらいたい。
 法定外の部分で、今後もこうした繰入があるということか。
こうした繰入がなければ、市民病院はたちゆかなくなっている。


3,医業収益

(1)医業収益の見込みとは?

 17年度と18年度の最も大きな違いは、医業収益が、17年度の50億円から、18年度には45億円に約5億円ダウンしたことですね。
 その原因として、診療報酬のマイナス改訂と医師が減ったことだと言っています。
 平成17年度には44人いた医師が、平成17年度末(平成18年3月31日)には36人に大きく減少している。
 18年度の始まる段階では、マンパワーの不足が明らかになっていた。
ところが、18年度の予算では医業収益を56億5500万円となっている。これは決算を11億上回る。前年度の17年度実績(決算)の50億円より多く、予算ベースでもやや多い。
 しかも、56億という数字は17年度を上回るどころか、平成7年までさかのぼってみてみても、過去に実績を挙げたことのない数字。
 18年度は、すでに医師数をみても17年度末に医師数が44から36人に減り、医業を取り巻く環境が17年度よりもはるかに悪化しているのに、過去最高の医業収益を上げるなんてあり得ない話だ。それなのに、なぜ、そんなに医業収益が増えると見込んだのか。根拠を示せ。
 
 7日の提案説明の中で、「患者数の落ち込みによる診療収入の減が予想以上に大きく」と述べられているが、本当に56億円の医業収益を「予想」していたのか。現実離れもいいところ。市民病院は、医業収益の予想を根拠ある数字で持って立てないのか。


4,将来見込み

19年度、20年度の見通しをお聞かせいただきたい。
特に20年度は緩和ケア病棟のオープン後、最初の新しい年度となる。
(1)まず、19年度。
  医業収益が上がる好材料はないのに、計2億円、なぜ、入院、外来とも増えると見込むのか。医業収益があがるのに、医業費用が減るなんてあり得ない(いまよっぽど高い契約か)。
  
(2)20年度
   大幅な収益増を見込んでいますね。対18年度実績比7億円の増、対18年度実績予定比5億円。これは緩和ケア病棟のホスピス、療養病床の開設による増益予想だと思うが、根拠を示してほしい。

(3)赤字補てんの繰入はないみたいだが、むしろ、繰入がなければやっていけない事態がすぐそこにきているのではないか。

きょう朝10時から質疑(市民病院決算等)

2007年09月12日 06時51分08秒 | 議会
きょう、朝10時から議案質疑。
18年度の市民病院、公共下水道の各決算、市民病院の補正予算案それぞれに、質疑を行う旨、通告を提出してあります。
優先順位1番を確保してありますので、真っ先に議長から発言の指名を受けることができます。
3つの質疑のうち、もっともボリュームのあるのは市民病院決算。
累積赤字65億の市民病院。市役所の窓から見ると、真新しい緩和ケア病棟の威容がそびえます。