無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「ディア・ファミリー」

2024-07-07 | 2024映画評


「ディア・ファミリー」 月川翔監督 ✗✗

 心臓疾患を改善する日本人の体系に合ったバルーンカテーテルの誕生に貢献した実在する父親の姿を描きました。
 プラスティック製品を製造する会社の坪井(大泉洋)は娘の佳美(福本莉子)が心臓疾患で余命10年と宣告されます。担当医はそばにいてあげてください、と言いますが、妻陽子(菅野美穂)は「何もしない10年と何かを作り出す10年とどっちがいい?」と二人で人工心臓を作るために動き始めます。学閥の弊害や閉鎖的な医療業界が行く手を塞ぎますが、諦めかけた二人を佳美が励ますのでした。

 壁にぶつかるたびに「次はどうする?」と次の手を考え出す家族の姿に対し、学内の派閥というしがらみに縛られ才能を潰していく医学部関係者の姿は「白い巨塔」以来変わっていないようです。同じようなことが他の研究でもなされているとすれば残念です。常には居丈高で素人を蔑んでいながら状況が変わるとおもねってくるいやな教授役を光石研が好演しました。
 なお、この作品は大手シネコンで「日本語字幕付き」という回を選んでみました。セリフが聞き取れないというイライラが皆無となり、作品に集中できました。こういうサービスをもっと増やしてほしいものです。

 タバコは、時代考証の一つとして新幹線内で喫煙させることで70年代を表していましたが、時代のシンボルは俳優の健康を犠牲にするタバコではなく、東京新聞日曜版で連載している初見健一の「これなんだっけ」で紹介しているようなグッズを利用してほしいものです。
 その他の生活家電やファッション、車などの時代考証はたいへん練られていて「あの冷蔵庫実家にあったな。」など懐かしかったです。でもタバコは「嫌な時代だったな。」と悪い印象しかありません。

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