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「天上の花」

2023-01-16 | 2023映画評


「天上の花」PG12 片嶋一貴(かたしまいっき)監督 ☓☓

 萩原朔太郎の娘葉子の小説「天上の花 三好達治抄」が原作です。
 日本が戦争への道を進みつつある頃詩人の萩原朔太郎(吹越満)のもとを若い三好達治(東出昌大)が訪れます。ちょうど娘の慶子(入山法子)が琴を奏でていました。三好は一目惚れしますが慶子はすでに佐藤春夫と結婚が決まっていました。十数年後佐藤が亡くなり三好は妻子と強引に別れ慶子を越前の田舎町に迎えます。戦局は泥沼に入り三好にろくな仕事はなく、貧しさを知らない慶子は不満を抱え一方三好は思うようにならない慶子に対し暴力をふるうようになるのでした。

 登場人物が文芸的なだけでいわゆる典型的なDVを描いています。こういう男に惚れられた女は不幸としか言えません。時代的にはしかたがなかったかもしれませんが近くにいる女性が加害者の男を庇うのもなんともやりきれません。「さっさとお逃げなさい。」となぜ言ってあげなかったのか。慶子が「戦争に負けて男尊女卑がなくなればいい。」という意味のセリフがありましたが、70年経っても残念ながらなかなかなくなりません。
 戦時下の文学についてもっと言及しても良かったのではないかと思いました。
名前を知らない俳優さんがいい演技を披露してくれました。 

 タバコは、東出が喫煙者でそのほかにも喫煙者が登場していましたが、さすがに吹越(1965年生)は手にしただけで吸いませんでした。

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