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Winning Ticket for All Vol.2

レース展望と回顧、馬券術について

土曜中山大障害 オジュウチョウサンの引退レース

2022-12-21 | 予想

 長く障害界を牽引してきたオジュウチョウサンが、24日土曜のこのレースを最後にとうとう引退します。2013年秋の東京競馬でデビューし、未勝利のまま翌年から障害に転向、初戦は14番人気14着と、今からは想像できないような「船出」となりましたが、その後3戦で勝ち上がり、オープン入りしてからは勝利を積み重ね、J-GⅠ9勝、年度代表選出4回、2018年には武豊が騎乗して有馬記念にまで出走しました(9着 1着ブラストワンピース)。そんな障害馬がかつていたでしょうか。まさしく障害競争馬界の “宝” と呼んでいい名馬です。

 11歳になった今年は、春の中山グランドジャンプを制して健在ぶりを示し、ファンを喜ばせましたが、10月の東京ハイジャンプでは9着と惨敗し、さすがにそろそろ世代交代ではという声が強くなっていました。馬齢の11歳は人間で言えば、50歳代後半から60歳くらいの齢です。いくら管理技術が向上して、人間も馬も「選手寿命」が延びているといっても、そろそろ「退職」させてあげないとかわいそうな気がします。これが最後のレースとなれば、花道を勝利で飾らせたいと願うファンは多いでしょうが、私を含めてレースを見るだけでは収まらない人々にとっては、馬券的な魅力がどうなのかも問題です。

 今回ホッコーメヴィウスが出走していれば、オジュウCを負かす有力候補だったでしょうが、オジュウC引退の「ご祝儀」のためか? 今回は出ません(エイシンクリックも来ません)。その代わり、前走の東京ハイジャンプで、このホッコーMに勝ったゼノヴァースが出ます。オジュウCが1番人気でなければ、この馬が当日の1番人気になるかもしれません。しかし、中山の大障害コースは初めてですし、障害転向後間もない時期とはいえ、中山の障害2戦2敗なのが引っかかるところです。

 かと言って、他の有力馬といっても、4月の中山GJでオジュウCに敗れたメンバーばかりですから、逆転まではどうかというのが率直な印象です。しいて挙げれば、新潟の平地戦を叩いてこのレースに臨むケンホファヴァルトか、あるいは、前走東京HJ10着のマイネルレオーネでしょうか(でも9歳と10歳だしなあ)。

 結論として、勝てるかどうかはわかりませんが、オジュウCが3着以内に来る確率は高いのではと思います。ですから、今からあまり入れこんで予想するより、当日の中山の様子を見ながら、馬券購入を考えるというスタンスがよいと思い直しています。オジュウチョウサンと関係者のみなさん、長いあいだほんとうにお疲れ様でした。

 関係ありませんが、昨日12月21日は「競馬の神様」大川慶次郎さんの命日でした。大川さんの障害レースの予想は記憶にありませんが、最後の予想では、亡くなった5日後の1999年12月26日の有馬記念、ハナ差で勝利したグラスワンダーを見事に的中させていました。競馬を「天職」と言った大川さん、倒れてから亡くなるまで意識を取り戻すことはなかったそうですが、競馬中継やGⅠのファンファーレを聞くと脳波が反応していたというエピソードが、私はたまらなく好きです。

 


有馬記念 牝馬はどうなる

2022-12-21 | 競馬日記

 有馬記念は、一昔前は、牝馬は勝てないというジンクスがありました。調べてみると、1971年のトウメイが勝ってから、2008年ダイワスカーレットが勝つまで、37年も勝っていなかったのです。さすがにこれだけ長く勝てないと、牝馬として出走することが人気に影響するのか、この間、1番人気に推された牝馬は、2002年のファインモーション(5着)と1995年のヒシアマゾン(5着)の2頭しかいません。1番人気になっても不思議のない牝馬は他にもいたと思いますが、あのウォッカも、2007年、ダービー馬になった年に3番人気で出走し、11着に惨敗して、以後、ファン投票で上位に選ばれても有馬には出なくなってしまいました。

 エアグルーヴも忘れられない馬です。1997年、天皇賞・秋で、前年覇者のバブルガムフェローを壮烈な叩き合いの末に破り、次のJCでもバブルGに先着したことから、同馬を一種の恐怖症(エアグルーヴ・ノイローゼ?)に陥らせ、引退を早めたとも言われる、それほどの名牝です。当時、伊藤雄二調教師は「この馬は牝馬だと思って調教していない」とくり返していましたが、確かに、正面から見た彼女の姿は装甲車のようにゴツくて、牝馬らしさが微塵も感じられないのです。そのエアGであっても、1997・98年と2回走って3着・5着と、やはりダメでした。個人的には、2回ともエアグルーヴから馬券を買った記憶があるので、98年に5着に沈んだレースは特によくおぼえています(JCを挟んで秋3戦以上走ると消耗するのかも知れません)。

 しかし、2008年にダイワスカーレットがジンクスを破ると、最近はあまり「牝馬だから」というのは気にする必要がなくなってきた感じがします。以後の最上位牝馬の成績を眺めると、

・2009年 ブエナビスタ(1番人気)    2着 [ドリームジャーニー②]

・2010年 ブエナビスタ(1番人気)    2着 [ヴィクトワールピサ②]

・2011年 ブエナビスタ(2番人気)    7着 [オルフェーヴル①]

・2012・13年 牝馬出走なし

2014年 ジェンティルドンナ(4番人気) 1着 [トゥザワールド⑨]

・2015年 マリアライト(12番人気)    4着 [ゴールドアクター⑧]

・2016年 ミッキークィーン(7番人気)  5着 [サトノダイヤモンド①]

・2017年 クィーンズリング(8番人気)  2着 [キタサンブラック①]

・2018年 モズカッチャン(4番人気)   8着 [ブラストワンピース③]

2019年 リスグラシュー(2番人気)   1着 [サートゥルナーリア③]※アーモンドアイ9着

・2020年 クロノジェネシス(1番人気)  1着 [サラキア⑪=牝

・2021年 クロノジェネシス(2番人気)  3着 [エフフォーリア①]

 *[ ]は1着ないし2着馬。〇数字は同馬の人気。

 最近の5年間で、3着以内に入った牝馬は延べ5/15頭で3頭に一頭です。確率的に考えたら、今年も3着以内に1頭は来ることになります。

 今年出走する予定の牝馬は4頭です。ジェラルディーナは母親のジェンティルドンナが2014年に勝っているので注目されていますが、前走のエリザベス女王杯を勝っていることが、逆に嫌な感じがします。むしろ同レースで負けた2頭、アカイイトイズジョーノキセキの方に食指が動くのですが、さて、どうなるでしょうか。

 次回は有馬の前日に行われる中山大障害について書きます。よろしければ、またご覧ください。