わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

予約できます ベトナム便り 89

2006年07月12日 | 日本語教師
こちらv-603.
6月に私を訪ねて下さったvietさんからコメントをいただきました。カンボジアなどを回るとおっしゃっていましたが、無事に帰国なさったようです。
自分で自分の行き先を決めて行動するというのは、簡単で、当たり前のようですが、相当なエネルギーがないとできないもので、vietさんはそれを、ゆっくりなさっていました。

日本語を教えていて、早くこの言葉を覚えて欲しいという単語があります。
だからといって私が「それはベトナム語で・・・です」と教えても、それだけでは学生は使えるようにはなりません。
名詞の場合はそうでもないのですが、動詞や形容詞は場面設定をしてその言葉を使っている状況を理解させ、何度も使わせてみて初めて記憶のかぎに引っかかります。
そんな、早く覚えて欲しい言葉に『できます』があります。
『できます』は私達が使っている教科書では、日本語を習い始めて7ヶ月ぐらいたってから出てくる動詞です。
S1さんは、ひらがなを読むことができます。
S2さんは、バイクに乗ることができます。
S3さんは、ピアノを弾くことができます。


これを練習した後、こんな会話をさせました。
A:どこで、~を・・・ことができますか。
B:――で、~を・・・ことができます。

どこで、コーヒーを飲むことができますか。
喫茶店でコーヒーを飲むことができます。

どこで、この絵を見ることができますか。
美術館で、その絵を見ることができます。

こんな会話を続けていったとき、Tさんが言いました。
「どこで、恋人を予約することができますか」
「えっ、どこで?」私は、こういう質問が好きですから、すぐに学生に振ります。
「Sさん、どこで、恋人を予約することができますか」
「え、え、え」答えられません。
私は教室の床を指差して、答えを待ちます。
「???」きょとんとしている学生。
「ここ、ここ」と、私。
その時、この質問を発したTさんが大声でいいました。
「*****」(この学校の名前)
「そうです。ここで恋人を予約してもいいですよ」

こういう話題のとき、私が彼らの親のような年齢であることがとてもいいと思えてきます。
ときどき、
「じゃ、先生を予約できますか」
なんて言ってくれる、女の子もいますがそういう時も、
「いいですよ、いま、予約しますか」
「しまーす」
現実味がない(もしあったらドキドキ・・・)ので、楽しい会話です。

さて、みなさんなら、どこで恋人を予約しますか。


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