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バーナード・ベケット『創世の島』

2010-07-10 18:02:05 | 読書
本書は、作家であり、

ニュージーランドの高校で教鞭を取る著者による、近未来SF小説です。


主人公の少女は「アカデミー」に入学するため、口頭試験を受けている。

テーマは21世紀の重罪人アダムと彼が起こした事件

どのような質問にも、機敏に理路整然と答える主人公だったが

試験官との問答は、やがて隠された真実へと肉薄していく。


アナクシマンドロス、ナザニエルなど

意味深な名前の登場人物たちが繰り広げる深遠な会話や

主人公と彼女を導くアカデミーの講師ペリクレスとの関係など、

どれも気になるのですが、とりわけ印象的だったのが、

残酷だけど誠実で美しいラストです。


プラトンの国家観を批判的なモチーフとし

思考の意味、人間と人工知能の関係など、哲学的なテーマを盛り込んだ本書


SFファンに限らず、一人でも多くの方にオススメしたい著作です。



<余談>

某大手サイトには、

この本がまったく気に入らない方がいるようで

私もそこでは記事を削除しました。


自分が好きなものを貶せない人も

自分が嫌いなものを褒められない人も

私には、なかなか不思議でならない存在です。

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