クラシック音楽のなかでも、相当メジャーなムソルグスキー『展覧会の絵』
より正確に言えば、
ムソルグスキーが画家ガルトマンの展覧会にインスピレーションを得て作曲したピアノ用の譜面を
ムソルグスキーの死後に、友人のリムスキー・コルサコフが出版するために―改ざんに近いほどの―補正を加え
それをもとにラヴェルがオーケストレーションした作品
・・・なんだそうです
アシュケナージとかゴルチャコフ、スコトフスキーがいろいろ言ってたのはこういうことなんですね
で、ラヴェル編曲の『展覧会の絵』
よく耳にするのは『プロムナード』の1曲目や『キエフの大門』ですが
この他にも、『リモージュ』や『古城』、『たまごのからをつけたひなの踊り』などガルトマンの絵にちなんだ曲があります。
有名な楽曲だけに、多くの指揮者・オーケストラによるCDがあるのですが
いま聞いてるCDはエリアフ・インバル指揮、演奏はフランス国立管弦楽団のものです。
重厚な(←むしろ暗くて、陰鬱な?)指揮が特徴のインバル
もともと暗めの『ヴィドロ(牛車)』は、ますます暗くなり
後半のティンパニは、牛車どころかゴジラだかギャオスが近づいてくるかのように
ズッシンズッシンと響く、とてもカッコいい仕上がりになっています
同様に、『小人』や『めんどり足のうえにたつ小屋』も、ぜんぜん「小人」じゃない不気味な仕上がりなのですが、
これがクセになりそうです。
また、このアルバムにはラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』、『ボレロ』、『ラ・ヴァルス』も収録
とくに『ラ・ヴァルス』の後半の盛り上がりは、少し狂気じみてて、これまたクセになる予感がします