梅雨のような天気から、いきなり真夏のような晴れと、今年の天候はひどいことになってますね。
さて、そんな天候のせいでしょうか。こんなことがありました。
ある夜のことです。
暑いせいか僕は夜中の3時頃に目が覚めました。いつもは偏頭痛とか、寝酒のせいでトイレとかで目が覚めるのですが、その日は何か別の感覚でスーッと目が覚めたのです。
僕の家は高速道路沿いで、天窓があるため、普段から高速のライトで明るいのです。満月に近いときなどは天窓から月が真正面に見えて、その光でまぶしいぐらいのときがあります。だから少々明るいぐらいでは気にならないのですが、その時も目を開けると天窓からまぶしいくらいの光が射し込んでいました。明らかにいつもより光が強く普通ではないことがわかりました。
目覚めたばかりのため、今ひとつ状況がわからなかったのですが、手をかざして観察してみると、なにやら丸い光が天窓から見えているようです。その明るさや大きさから月ではなさそうです。そうたとえて言うならば映画でよく見るUFOのような・・・。
でもそれは動く様子もなく光っているだけです。
横にいるかみさんの方を見ると、珍しくすやすやと眠っています。何かあると真っ先に目が覚めるかみさんなのに・・・。一瞬、そんなことを思いましたが、すぐに
その光に吸い込まれるように見入っていました。ふと、背後に気配が感じられました。
僕の家は2階に3部屋あるのですが、その内二つ。夫婦の寝室と子供部屋の壁の一部を取り外して一続きの部屋のようになっています。ちょうど壁のあいた所に息子のベッド、壁が残っている窓際に娘のベッドがあります。
この気配からすると息子の位置です。この光に子供たちも目が覚めたのかと思いましたが、何か違和感があります。
いつもの息子なら、「パパ、ママ こえっ」と声をかけてくるはずです。掛け布団がちゃんとかかっていないと、頭までかけてくれという意味で、「パパ・ママこれをちゃんと掛けて」と言っていると思われるのですが、はっきりはしません。
何かいつもの息子の気配とは違うのです。緊張が走りました。
恐る恐る壁のあいているところから、息子のベッドを見ると。
そこには光に照らされた息子が座っていました。
重度の知的障害(ダウン症)の息子はいつもならちょっと呆けたような目つきで口を半開きにしてぼーっと見つめているか、にこにこしているかのどちらかなのですが、その時は違いました。
明らかに強い意思を持って、真一文字に結んだ口元で僕を見つめています。
先ほど感じた緊張はさらに増加しました。
声を掛けたくてもかけられません。極度の緊張のせいか声が出ないのです。
息子の口が開きました。そして、しっかりとした口調で、
「パパ、本当の僕は・・・・」
その時、びっくりしたような娘の声が、
「パパどうしたの?」
とたんにまばゆいばかりの光は一瞬にして消え、息子はいつもの呆けたような顔で、
「パパ、こえっ」と掛け布団をさしています。
緊張した体は一気にほぐれました。びっしょり汗をかいている自分に気が付きました。いつもの息子に戻っていました。娘も「パパねむい」とそのまま眠ってしまいました。
「どうした、じゅんき」と声をかけると、
「パパ、こえっ」と同じことを繰り返します。横になるように促し、掛け布団をかけてあげると、うれしそうにしてあっという間に眠りについてしまったのです。
今の光景が何だったのか、疲れが一気に吹き出し、横になった僕はすぐに眠ってしまったようで、次に気がついたときは朝の6時でした。
朝起きて息子を見ると、夜中に僕が布団をかけた状態で、すやすやと眠っていました。あれは現実だったのだろうか・・・。
息子は何が言いたかったのだろうか、「本当の僕は・・・」
さて、そんな天候のせいでしょうか。こんなことがありました。
ある夜のことです。
暑いせいか僕は夜中の3時頃に目が覚めました。いつもは偏頭痛とか、寝酒のせいでトイレとかで目が覚めるのですが、その日は何か別の感覚でスーッと目が覚めたのです。
僕の家は高速道路沿いで、天窓があるため、普段から高速のライトで明るいのです。満月に近いときなどは天窓から月が真正面に見えて、その光でまぶしいぐらいのときがあります。だから少々明るいぐらいでは気にならないのですが、その時も目を開けると天窓からまぶしいくらいの光が射し込んでいました。明らかにいつもより光が強く普通ではないことがわかりました。
目覚めたばかりのため、今ひとつ状況がわからなかったのですが、手をかざして観察してみると、なにやら丸い光が天窓から見えているようです。その明るさや大きさから月ではなさそうです。そうたとえて言うならば映画でよく見るUFOのような・・・。
でもそれは動く様子もなく光っているだけです。
横にいるかみさんの方を見ると、珍しくすやすやと眠っています。何かあると真っ先に目が覚めるかみさんなのに・・・。一瞬、そんなことを思いましたが、すぐに
その光に吸い込まれるように見入っていました。ふと、背後に気配が感じられました。
僕の家は2階に3部屋あるのですが、その内二つ。夫婦の寝室と子供部屋の壁の一部を取り外して一続きの部屋のようになっています。ちょうど壁のあいた所に息子のベッド、壁が残っている窓際に娘のベッドがあります。
この気配からすると息子の位置です。この光に子供たちも目が覚めたのかと思いましたが、何か違和感があります。
いつもの息子なら、「パパ、ママ こえっ」と声をかけてくるはずです。掛け布団がちゃんとかかっていないと、頭までかけてくれという意味で、「パパ・ママこれをちゃんと掛けて」と言っていると思われるのですが、はっきりはしません。
何かいつもの息子の気配とは違うのです。緊張が走りました。
恐る恐る壁のあいているところから、息子のベッドを見ると。
そこには光に照らされた息子が座っていました。
重度の知的障害(ダウン症)の息子はいつもならちょっと呆けたような目つきで口を半開きにしてぼーっと見つめているか、にこにこしているかのどちらかなのですが、その時は違いました。
明らかに強い意思を持って、真一文字に結んだ口元で僕を見つめています。
先ほど感じた緊張はさらに増加しました。
声を掛けたくてもかけられません。極度の緊張のせいか声が出ないのです。
息子の口が開きました。そして、しっかりとした口調で、
「パパ、本当の僕は・・・・」
その時、びっくりしたような娘の声が、
「パパどうしたの?」
とたんにまばゆいばかりの光は一瞬にして消え、息子はいつもの呆けたような顔で、
「パパ、こえっ」と掛け布団をさしています。
緊張した体は一気にほぐれました。びっしょり汗をかいている自分に気が付きました。いつもの息子に戻っていました。娘も「パパねむい」とそのまま眠ってしまいました。
「どうした、じゅんき」と声をかけると、
「パパ、こえっ」と同じことを繰り返します。横になるように促し、掛け布団をかけてあげると、うれしそうにしてあっという間に眠りについてしまったのです。
今の光景が何だったのか、疲れが一気に吹き出し、横になった僕はすぐに眠ってしまったようで、次に気がついたときは朝の6時でした。
朝起きて息子を見ると、夜中に僕が布団をかけた状態で、すやすやと眠っていました。あれは現実だったのだろうか・・・。
息子は何が言いたかったのだろうか、「本当の僕は・・・」