試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-287[ラシ302F] 車体改修 (塗装補修,C4A形ブレーキ制御装置固定施工:塗装変更車) ※TOMIX製High-Grade製品

2018-05-06 21:29:29 | 国鉄/JR103系
崩壊。

TOMIX製JR103系High-Grade製品サハ103-209(ラシ302F)に続きサハ103-287(ラシ302F)を入場させた。
サハ103-287はサハ103形初期形冷房改造車(朱色1号)を塗装変更し竣工に至った車両である。
車体断面仕上げが省略された塗装変更車共通の弱点を抱えておりこれの修正を行う。


JR103系サハ103-287(ラシ302F:塗装変更車)。

サハ103-287もTOMIX製High-Grade製品塗装変更車竣工の第一陣で塗装状態は悪い。
既に改修を終えたサハ103-209よりも厚塗りが目立つ。
各窓枠は塗料滓が見えており手間を要するのは明らかだった。
恐らく先に塗装したのはサハ103形初期形冷房改造車(朱色1号)だったと思われる。
ただAU75冷房改造車であり車体断面塗装修正に注力できる。
モハ103-265以下8両(ラシ332F-1)から採用している方法で改善が図れると思えた。


入工中のサハ103-287。

サハ103-287の床板は車体に癒着していた。
やはり完全乾燥を待たずに組み立てた模様である。
乾燥時間を確保していれば各窓枠の塗料滓は現在ほど酷くなかったかもしれない。
作業は床板を取り外さない限り手を着けられない。
4個所の側面窓セル嵌合爪部にプラスチックドライバーを差込み車体との隙間を設けた。
しかし癒着は両エンド車端部で生じており余り効果が得られない。
止むを得ずニードルを持ち出し車体から強引に剥離している。
この際車体が大きく軋みこの先を不安にさせた。


最後まで車体に嵌まり続けた側面窓セル。

サハ103-209で塗装状態の悪さがある程度掴めていた。
更に状況の酷いサハ103-287も正規の側面窓セル撤去方法を諦めざるを得なかった。
各窓毎にニードルを差し込み少しずつ車体から剥離させる。
車体断面への塗料吹き込みは相当量に達した模様で側面窓セルはなかなか浮き上がらない。
弾け飛ぶ様に外れたサハ103-209とは異なり最後の窓枠まで車体に貼り付いたままだった。


黄色5号が剥がれた側板。

車体断面の塗装被膜は側板にまで張り出していた。
爪楊枝での修正は危険に思える。
修正方法を改め最初から極細綿棒を持ち出した。
窓廻りを軽く周回させる程度に留めていたが各所で塗装剥離を招いてしまった。
張り出した塗料の厚みが強度に比例し必要の無い箇所まで極細綿棒へ絡み付いたのだろう。
側扉窓,戸袋窓周りを中心に下地の朱色1号が顔を覗かせる。
サハ103-270(ラシ332F)でも塗装被膜修正時に側板塗装を剥がす失敗をした。
この際は当該箇所が幕板のみに限られたため原液の黄色5号塗料を盛り乾燥後に平滑化した。
どうにか誤魔化せたが広範囲に剥離部が散在するサハ103-287ではこの方式を採り入れ出来ない。
新たな試みとして黄色のガンダムマーカーを車体断面に塗布し修復を図る事にした。
抽出した塗料を爪楊枝に絡め車体断面に均す。
側板の塗装剥離箇所まで隠蔽させなければならず必然的に被膜は厚くなった。


固定したC4A形ブレーキ制御装置。

ガンダムマーカーは水性で塗布厚を多くすると乾燥し難い。
そのため全箇所への塗布を行った後に時間を設けた。
この間に床板関連の整備を進める。
C4A形ブレーキ制御装置はタミヤセメントで固定した。
この措置は12両体制のラシ332Fグループ全車で施工済である。
脱落対策以降は傾きさえ許さない安定性を誇る。
当面C4系ブレーキ制御装置の固定にはタミヤセメントを用いたい。
TNカプラーSPの簡易清掃で床板周りの整備は終了となる。
再び車体の改修へ戻り塗装補修箇所の確認を行った。




斑が残る側板塗装補修部。

まだガンダムマーカーは半乾きだった。
補修部を仔細に見ると朱色1号を覆い切れてない箇所があった。
完全乾燥を待つ予定を改め再補修に取り掛かる。
プラ板を鏝の代用とし車体断面に付着した余分なガンダムマーカーで朱色1号を埋めた。
乾燥後に除去されるはずだった塗料は有効に活かされている。
これで側面窓セルの組付が可能になった。
組立時は半乾きで留まるガンダムマーカーの取扱いに注意を払う。


装着が容易になった側面窓セル。

撤去に苦戦した側面窓セルだったが折り返しでは労せずに作業を進められた。
車体断面の塗装修正を行った効果が感じ取れた瞬間でもある。
側面行先表示器部を含め側面窓セルは完全に車体へ収まった。
残る工程はガンダムマーカーによる補修箇所の誤魔化しとなる。
塗料に粘性があれば塗料の除去が行える。
側扉窓及び戸袋窓はモールドと車体の間にガンダムマーカーが挟まり車体断面塗装修正の効果を相殺してしまう。
サハ103-287の入場そのものが意味を失いかねず意図的に半乾きのまま車体を組み立てた。


塗装被膜再修正中の側板。

側扉窓と戸袋窓の周囲は極細針で塗料を削ぎ落とした。
掻き出したガンダムマーカーは朱色1号の露出部へ埋め込む。
先に使用したプラ板鏝で側板の塗料を大凡平滑にした。
このままではガンダムマーカー塗布部が凸形に残る。
塗料の乾燥を待ち磨きクロスで側板を面一化した。
面一化時も側扉窓と戸袋窓の間に塗料滓が入り込まないよう窓枠から逆方向に向け磨いている。




サハ103-287(車体断面塗装補修,C4A形ブレーキ制御装置固定化施工)。

朱色1号を露出させた際には衝撃が走りどう手を施せば良いか判らず手が止まった。
たまたま黄色のガンダムマーカーが目に入り試用へと至っている。
ジェイズカラーの黄色5号とガンダムマーカーの黄色は予想より色温度が近かった。
一度塗装が崩れた割にはそれなりの見附を保てたと思える。
左官のような補修であるが一応入場名目を果たしサハ103-287の竣工に漕ぎ着けた。

サハ103-209,サハ103-287はラシ303F(Tc103)グループに属する。
ラシ302Fの組成時にはクハ103-103以下8両を共用する12両体制としていた。
ここで作業を打ち切るとC4系ブレーキ制御装置固定化の進捗が掴みにくくなる。
よって予定を組み替えラシ303Fを入場対象としグループ全車のC4系ブレーキ制御装置を固定する。
並行してクハ103-103,クハ103-104の運転台側TNカプラーSP白濁対策も施す予定である。

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