試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ102-711[ラシ320F] 側扉窓車体断面黒色化,車体嵌合式初期LOT動力ユニット脱落対策施工 ※TOMIX製旧製品

2019-03-14 21:43:31 | 国鉄/JR103系
偶発。

TOMIX製JR103系旧製品モハ102-711(ラシ320F:Tc779)の車両更新では側扉窓黒Hゴム支持再現方法が課題に挙がった。
ユニット相手のモハ103-555は側扉窓灰Hゴム支持化施工を経て黒Hゴム支持車に至っている。
モハ103-555は油性ペイントマーカー式での側扉窓灰Hゴム支持化により側扉窓車体断面がほぼ黒色化されていた。


JR103系モハ102-711(ラシ320F)。
※TOMIX製旧製品。

塗装変更車だった旧モハ102-711(廃車)もモハ103-555と同様の経緯を辿って竣工させておりユニット間の見附は揃っていた。
メーカー塗装車体を持つモハ103-555は車体改修にて側扉窓車体断面の原形復旧に挑んだものの空振りに終わっている。
そのため従来方式で側扉窓黒Hゴム支持化を施工したモハ102-711の側面見附はモハ103-555と若干異なる仕上がりとなった。
モハ102-711が入場した当時モハ103-579+モハ102-735(ラシ320F)はまだ未竣工であった。
ラシ320Fのモハユニットはモハ103-344+モハ102-500以外が側扉窓黒Hゴム支持車で占められる。
側扉窓車体断面の処理差が側面見附に与える影響を判断出来ずモハ103-579+モハ102-735での結果を待った。


入工中のモハ102-711。

そのモハ103-579+モハ102-735はモハ102-711と同一方式で側扉窓黒Hゴム支持化が施工される。
モハ103-555と比較した結果3ユニットの側扉窓支持方式が揃わなくても編成見附は崩れないと判断した。
ラシ320Fの改修はクハ103-779の車体更新を以て一区切りがつき各車両毎に生じた差異解消へと進む。
その第一弾にはユニット間で見附が揃わないモハ102-711の側扉窓車体断面黒色化が選ばれた。
在籍する103系では例の無い車体断面黒色化であるが別形式で類似施工に踏み切った車両が存在する。
黒色化に於けるマッキーの起用は定番化しており都合16箇所への塗り潰しは労さないと思われた。


見附が変化した側扉窓車体断面黒色化施工箇所(1-3位側)。

車体更新完了直後に入庫させたモハ102-711だが入場前の時点で動力ユニットが外れていた。
この旧動力ユニットは旧モハ102-500(元ラシ320F→廃車)に搭載されていた車体嵌合式の初期LOT品である。
更新入場中に脱落の気配は全く伺えず最終LOT窓セル嵌合式旧動力ユニットを抑え採用された。
初期LOT旧動力ユニットにはリブ無カプラーポケット付DT33動力台車を履かせている。
非動力台車とは僅かに連結器突き出し長が異なるもののリブ有カプラーポケット付DT33動力台車より連結面間隔を揃えられる。
走行履歴も最終LOT窓セル嵌合式旧動力ユニットを下回っており現状維持が望ましかった。
取り敢えず側扉窓車体断面の黒色化を先行させその後動力ユニット脱落対策に移る工程とした。


車体断面黒色化と引き換えに失われた[モハ102-711]標記(1-3位側)。

TOMIX製旧製品の車体断面は比較的厚みを有するが細字,極細字マッキーで捌けると考えていた。
しかし側扉窓幅により細字マッキーは垂直方向しか機能せず極細字マッキーも窓R部への対応が出来ない。
このままでは埒が明かないため超極細字マッキーまで持ち出す羽目になった。
結局側扉窓は垂直方向:細字,線路方向:極細字,窓R部:Φ0.7mm極細字を使い分け塗り潰している。
一窓毎に黒色化を進めた関係で各々のマッキーを48回も持ち替える作業になるとは思わず予想外な展開を強いられた。
しかも古インレタを転写した1-3位側の[モハ102-711]まで剥がれてしまい誤算が続いている。
揃目の[モハ102-711]標記を修正する機会になり得たが時間が押しており[モハ102-71]+[1]の追加転写で誤魔化した。


嵌合爪受下部に劣化が見られる台枠。

1-3位側[モハ102-711]標記の補修を終え動力ユニット脱落対策へと取り掛かる。
症状はTOMIX製High-Grade製品クハ103形初期形冷房改造車LOT(黄色5号)に類似していた。
初期に投入されたモハ102形動力ユニット搭載車では脱落が多発し独自の嵌合強化策を採った。
当初は車体側にプラ板スペーサーを追設していたが途中から台枠側面への貼付へ変更している。
TOMIX製旧製品モハ102形動力ユニット搭載車のうち最終LOT品は窓セル嵌合式であり同様の対応が可能だと思われる。
しかし車体嵌合式の初期LOT動力ユニットは車体との余裕が少なく踏襲は不可能だった。


狭隘な箇所へ追設したプラ板スペーサー(1-3位側)。

嵌合を強化するには車体と動力ユニット台枠の隙間を埋めるしかなくプラ板スペーサー式が基本に置かれた。
動力ユニットが脱落し易くなった原因を辿ったところ2-4位側の台枠嵌合爪受直下が削れていると判明した。
モハ102-711に起用した動力ユニットはモハ102-716(青緑1号)が搭載していた高経年品である。
駆動系統の再整備はトラクションタイヤ交換まで行う大規模なものだったが劣化したダイキャストを見落としたと思われる。
旧モハ102-500(元ラシ315F-2:M344→ラシ320F)はKATO製一般形モハ103-110(ラシ319F:Tc463)の緊急予備車で終始した。
それ故に決して稼働機会は多くなくモハ102-711への転用までダイキャストの磨耗に気付けなかった。


直線状を保つ車体裾(1エンド側)。

脱落の直接原因が掴めプラ板スペーサーは2-4位側嵌合爪受下部への設置に決定する。
嵌合爪受下端と台枠下端の猶予は僅かな代しかなく切り出したプラ板は極端に細くなった。
プラ板の厚みはTOMIX製High-Grade製品用動力ユニット用スペーサーと同じく0.3mmにしている。
車体と台枠の空間都合によりこれ以上厚みを持たせると車体裾が湾曲する確率が高い。
スペーサーには大きな負荷が掛からないはずでt0.3mmでも十分に耐えられると予想した。
なおダイキャストへの直接貼付となるため固定はゴム系接着剤を使用している。




モハ102-711(側扉窓車体断面黒色化,動力ユニット脱落対策施工)。
※TOMIX製旧製品。

最悪の場合には旧モハ102-690(元ラシ336F-3→モハ102-500)に搭載されていた最終LOT動力ユニットへ換装する予定だった。
連結面間隔は初期LOT品のDT33動力台車に振り替えれば従前のままで維持される。
しかしプラ板スペーサーを追設した初期LOT動力ユニットは何事もなく車体に収まってくれた。
この結果を受け1-3位側にもプラ板スペーサーを貼付しダイキャスト劣化の防止策とした。
1-3位側,2-4位側ともスペーサー付に改められた後でも車体の湾曲は生じていない。
TOMIX製旧製品モハ102形は初期LOT動力ユニット搭載車が多数派を占めており今後の施工に備えたい。




モハ103-555+モハ102-711 (ラシ320F:側扉窓車体断面黒色化施工車+側扉窓車体断面黒色化施工車)。


モハ102-579+モハ102-711 (ラシ320F:側扉窓車体断面黒色化未施工車+側扉窓車体断面黒色化施工車)。

モハ103-555との外観統一が名目だったモハ102-711の入場は予想外への方向に進んでしまった。
そのため竣工までには大幅な時間を要したがそれなりに纏められたと思える。
不可抗力で側扉窓車体断面が黒色化されたモハ103-555とは異なる手法になった。
それでもモハ103-555+モハ102-711の側面見附は殆ど差異が見られず無難な仕上がりに達したと考えている。
側扉窓車体断面黒色化はモハ103-555+モハ102-711の1ユニットだけが対象でモハ103-579+モハ102-735には施工しない。
4号車は車両更新工事施工車仕様のサハ103-330でありユニット同士で生じた再現差を埋めてくれると思う。
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