試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-217[ツヌ324F-1] 車体改修 (前面窓セル,側面窓セル印刷補修,行先方向幕ステッカー幅変更施工)

2019-02-25 22:27:00 | 国鉄/JR103系
工程追加。

KATO製国鉄103系ツヌ324F-1(Tc217)の改修はクハ103-217が最終施工車となった。
クハ103-218(ツヌ324F-1)と異なり側面窓セル窓サッシ印刷は余り劣化が進行していない。
その代わり車体への埃付着が激しく竣工まで約80分を要する過程になっている。


国鉄103系クハ103-217(ツヌ324F-1)。

これまで改修を施した車両の大半は1-3位側の側面窓セル窓サッシ印刷に痛みが見られた。
これはツヌ324F-1も同様でモハ103-337,モハ103-339を除いた7両は1-3位側窓サッシの補修規模が上回る。
ところがクハ103-217は2-4位側の1ユニット窓に斑点状剥離が生じていた以外繊維片程度で留まっていた。
ただ繊維片も劣化進行度合い次第では曇り除去時に剥離へと至る場合がある。
予め短冊状に切り出したマスキングテープを準備し各窓サッシの銀色印刷飛散策を採る。
状態が良く見えた側面窓セルだが念のためクハ103-218での失策を繰り返さないよう注意した。


入工中のクハ103-217

第一工程はモハ102-494(ツヌ324F-1)から車体内側,車体断面の朱色1号塗料粉除去に据えている。
当然の如くクハ103-217もこれに従う方針で前面窓セル,側面窓セルを取り外した。
しかし最初に目に止まったのは銀色塗装が廻り切っていない前面窓セルのワイパーモールドであった。
前面窓運転台側縦桟も角度によっては斑点状剥離に見えてしまう箇所を発見した。
集中力と時間的余裕があるうちに繊細な部位の改修作業を進めた方が有利だと考えた。
急遽作業順を変更し前面窓セル,側面窓セルの補修が第一工程へ廻されている。


製品仕様同等に仕上げられた前面窓セル。

前面窓セルのワイパーモールド周囲は平面部が限られ油性メタリックマーカーを踏み外すと復元が厄介になる。
新品に切り替えたばかりだった油性メタリックマーカーのペン先はまだ解れすら生じていない。
先にワイパーモールド及び前面窓運転台側縦桟の補修を行いモールド踏み外しに拠る前面見附悪化を防ぐ。
ワイパーも側面窓セル窓サッシよりモールド幅が狭く銀色部の延長は部分補修で対処した。
極僅かな印刷漏れだった運転台側縦桟はペン先が触れる程度とし前面窓部へのインク付着を防いでいる。
KATO製クハ103形低運転台量産冷房車用の前面窓セル予備部品は皆無であり最も神経を使う作業となった。


行先方向幕ステッカーの交換に備えるクハ103-217

側面窓セルは磨きクロスでの拭き上げ前に窓サッシ印刷の繊維片除去を先行させる。
マスキングテープは窓サッシ印刷に影響を及ぼさない程度の粘着力であり繊維片だけ取り除けた。
磨きクロスによる清掃は側扉窓,戸袋窓に限り側面窓サッシへの負荷を出来るだけ軽くする。
側面窓はゴム系接着剤除去用爪楊枝で一次処理を行った後に各窓を磨きクロスにて仕上げた。
保全された窓サッシ印刷であったが全体的に劣化している事実は否定し難く全段補修となった。
第二工程へ廻った車体内側,車体断面の朱色1号塗料粉除去はモハ102-495に近い状態だったため短時間で終えられた。




クハ103-217 [05C 千葉]:前面窓セル銀色印刷補修,行先方向幕交換施工。


クハ103-213 [45C 幕張]:ツヌ315F-3(前照灯プリズム固定施工車)。

クハ103-217は著しく曇った側面幕板の清掃が思うように進められなかった。
磨きクロスでは殆ど埃を拭き取れず薄いクロスで覆った爪楊枝先端を当て蓄積した汚れを削ぎ取った。
またラベル厚都合で塵が溜まり易い[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー周囲にはゴム系接着剤除去用爪楊枝が起用している。
ちなみにゴム系接着剤除去用爪楊枝はこの後もHゴムモールド周りの清掃に充当され即戦力と言える働きを見せた。
前面窓セル補修や落とし難い車体の汚損に苦しめられ組み立てに戻れたのは入場から約55分後であった。
なお[中野]幕ステッカーを剥がした行先表示器セルも粘着糊の拭き取りに苦戦している。




クハ103-217 点灯試験[05C 千葉]:前照灯照度向上対策施工。


クハ103-218 点灯比較[05C 千葉]:ツヌ324F-1(前照灯照度向上対策施工車)。

自作行先方向幕ステッカーには十分な予備があるため切り出し寸法の広幅化はやり直しが利く。
全幅は車体と行先表示器用セルの隙間を埋める代が必要であり一度で決まるとは全く考えていなかった。
ところが切り出しは一発で理想的な幅が確保出来てしまい予備ステッカーの出番は無いまま終わっている。
[千葉]幕ステッカーは行先表示器幅より広く車体外側からの貼付だけでは端部が捲れてしまう。
そのため一度前照灯用プリズムを撤去しステッカーの四隅が行先表示器内に収まるよう嵌め直した。
前照灯用プリズム半固定化も果たしクハ103-218との外観差は最小限に留められたと思える。




クハ103-217(車体改修,側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

行先方向幕ステッカーの幅広化はクハ103-213,クハ103-214(ツヌ315F-3:Tc213)が嚆矢となった。
ツヌ315F-3では前照灯用プリズムを固定したがツヌ324F-1はステッカー端部の折り込みによりこの工程が廃止されている。
前照灯用電球の前進方法はプリズム押えを利用するクハ103-218と同一方式である。
但しクハ103-217は入場前から前照灯照度の高い車両でありプリズム前進代を補完する役割に変わっている。
ツヌ324F-1としてはクハ103-217,クハ103-218の点灯照度差が解消され十分な効果を得られた。
ワイパーモールド,前面窓運転台側縦桟の補修痕も目立っておらず整った前面見附で再出場を迎えられると思う。
この記事についてブログを書く
« クハ103-218[ツヌ324F-1] 車... | TOP | 国鉄103系津田沼電車区324F [... »