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試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3305[3308F-1] 現行色 前期仕様 英字無併記[普通]種別幕交換:富士川車輌工業製ステッカー

2017-06-05 21:26:40 | 京成線:3300形
偏位。

マイクロエース製京成3300形3308F現行色前期仕様モハ3308(3308F-1)の種別幕交換は思わぬ障害に行く手を阻まれた。
これによりモハ3305(3308F-1)に着手できなかった。
改めて入場機会を設け3308F-1の再出場に繋げる。


京成3300形モハ3305 現行色 前期仕様(3308F-1)。

モハ3305は[千葉中央]幕のずれが少なく修正を要する程ではない。
そのため前面行先表示器周辺には一切手を着けない。
工程は富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕化だけになる。
然程時間を要さないと考え作業を開始した。


入工中のモハ3305。

モハ3305を分解すると種別幕ステッカーベースの取付位置が運転台側に寄っていた。
マイクロエース製英字無併記[普通]種別幕ステッカーもステッカーベースの中心を外している。
3308F-1の英字無併記[普通]種別幕は3316F新赤電色クロスシート試作車(3316F-1)の発生品を転用した。
3316F-1は種別表示器窓セルの撤去が容易に行えたLOTだった。
そのため種別幕取付は通常通り行えたはずである。
加えてステッカーベースは助士側をニッパーで切り落とした不自然な細工痕が見られた。
回着整備時の記録には特記事項が無く不思議に思えた。


種別窓セルの欠片が残る貫通扉。

種別幕固定はゴム系接着剤でモハ3308と変わらない。
あっさり撤去できたが助士側ステッカー端部とステッカーベースがほぼ重なっていた。
富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕を貼付するには横幅が不足する。
よってステッカーベースはt0.5mmのプラ板で新規製作している。
新たな英字無併記[普通]種別幕を切り出しステッカーベースの中央に貼り付けた。
ここで貫通扉に仮合わせたしたところ助士側が浮いてしまった。
ステッカーベースが運転台側に寄っていた理由が漸く飲み込めた。
3304F現行色,3344F現行色LOTの種別表示器窓セルは撤去に苦戦した個体が多い。
モハ3305もこれに該当し破砕に近い状態まで持ち込み取り外した記録が残っている。
この時の後処理が不完全で貫通扉には種別表示器窓セルの一部が残っていた。
残ったセルの張り出しを避けるためステッカーベースを切断したと思われる。
回着整備時は完全除去を放棄し手を抜く方向へ梶を切ったらしい。
富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕は劣化しない限り使用し続ける。
現状ではステッカーベースを受け入れる幅が不足するため貫通扉の修正を行う。
簡単に作業を終えられる予定がモハ3305でも想定外の工程が加わってしまった。


貫通扉と面一になった種別幕ステッカーベース。

種別表示器窓部を傷める訳にはいかない。
よってセルの残滓除去は慎重に行った。
ニードルでセルを徐々に崩し爪楊枝で剥離する作業を繰り返した。
回着整備時の処理が雑過ぎて平滑化には大幅な時間を要している。
全て欠片を除去しないと種別幕が浮いてしまうため集中して作業に当たった。
ようやく平滑化を終え改めて種別幕を仮合わせを行った。
どうにかステッカーベースに支障しない状態に至りゴム系接着剤で固定している。




モハ3305 [B17 普通 千葉中央]:種別幕交換。

種別幕の平行取りを行い前面の状態を確認した。
前途の通り富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕はステッカーベース中央に貼付している。
ステッカーベースは種別表示器を完全に覆えておりセル残滓の除去は成功した。
思った通りに進まなかった種別幕交換だが最終的には好結果に結び付けられた。




モハ3305 点灯試験[B17 普通 千葉中央]:富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕化。

種別幕がマイクロエース製から富士川車輌工業製に改まり[普通]の視認性が高まった。
旧ライト基板化はモハ3308と共通で点灯色は黄味を帯びる。
基板交換は3304F新赤電色(3304F-1)とLOTを揃えるために行ったものだった。
白色に点灯する新ライト基板は予備品が無く原形復帰は難しい。
点灯色だけは諦めるしか無いだろう。




3308F-1 (富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕化)。

種別幕の交換を終え3308F-1が再出場した。
モハ3308,モハ3305共に順調な作業とは言えなかった。
しかし前面見附は確実に向上したと思う。
その代わり都度増結する3304F-1とは種別幕が揃わなくなった。


3308F-2 (英字無併記[普通]種別幕:マイクロエース製,富士川車輌工業製)。

現在グリーンマックス製3150形のライトスイッチOFFを伴う組成を休止している。
TR-180床板の座席部品締結ビス部破損が相次ぎ妙案が浮かぶまで復活できない。
そのため3000系列での新旧混色編成は3304F-2,3308F-2の4+2編成だけに限られている。
早急に3304F-1も種別幕の交換を行いたい。

京成3300形モハ3308[3308F-1] 現行色 前期仕様 英字無併記[普通]種別幕交換:富士川車輌工業製ステッカー

2017-06-04 21:07:01 | 京成線:3300形
華奢。

マイクロエース製京成3300形3308F現行色前期仕様(3308F-1)は行先表示類を[普通 千葉中央]とした。
種別幕ステッカーはそれまでの慣例に従いマイクロエース製を用いている。
マイクロエース製ステッカーは英字無併記[普通]種別幕の特徴を掴み切れていないのが弱点だった。


京成3300形モハ3308現行色前期仕様(3308F-1)。

マイクロエース製英字無併記[普通]種別幕は全て使い切り途中から富士川車輌工業製ステッカーに変更した。
3304F現行色後期仕様,3312F現行色後期仕様2両口,3316F現行色後期仕様は富士川車輌工業製を起用している。
3308F-1は3304F新赤電色(3304F-1)と併結するためマイクロエース製のまま存置していた。
手持ちの富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕は2編成分だけ残っている。
切り出しに失敗しなければ3304F-1と共に富士川車輌工業製ステッカーへ切り替えられる。
モハ3307の動力ユニット整備に合わせモハ3308,モハ3305の種別幕交換に着手した。


入工中のモハ3308。

モハ3308から撤去する種別幕のうちプラ板のステッカーベースだけは再用する。
種別表示器への取付は微量のゴム系接着剤で簡単に取り外せた。
貼付済のマイクロエース製[普通]種別幕は既に予備が無いことから破棄する。
今後英字無併記[普通]種別幕は全面的に富士川車輌工業製ステッカーに頼る事になる。


マイクロエース製英字無併記[普通]種別幕を撤去したモハ3308。

ステッカーベースのプラ板は何故かt0.3mmだった。
基本はt0.5mmを用いている。
モハ3308は3300形でも後期竣工車であり敢えて厚さの異なるプラ板を用いた理由が判らない。
もしかするとt0.3mmとt0.5mmの点灯比較要素を兼ねていた可能性がある。
走行時には0.2mmの差は感じずプラ板厚の差は全く気付かなかった。
よってt0.3mmのステッカーベースは継続使用とした。
なおモハ3308はモハ3304現行色が種車ながら旧ライト基板に交換されている。
これも照度差を生まなかった要因と考えられる。




富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕化したモハ3308。

新たに富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕を切り出し車体に取り付けた。
固定は従前と同じくゴム系接着剤である。
大凡の平行取りを行い固着を待つ。
本来はこれだけで作業を終えられるはずだった。
ところがマイクロエース製[千葉中央]幕ステッカーのずれが気になり修正に手を出した。
種別幕固着待ちの間に手を出したのが失敗の元だった。
モハ3308は行先表示器窓セル位置修正車だったらしい。
ライトケース未装着のままステッカーを修正しようとしたところ種別表示器窓セルがずれてしまった。
行先方向幕修正だけではなく行先表示器窓セル角度再修正まで作業に加わった。
この修正を両立させるのは困難を極め約60分を要している。




モハ3308 点灯試験[B17 普通 千葉中央]:富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕化。

分解してから組立までの所要時間は90分を超えた。
既に日付を大きく跨いでいる。
そのためモハ3305を入場させる時間が失われた。
モハ3308の点灯試験を済ませこの日は撤収している。
点灯試験では英字無併記[普通]種別幕らしさが際立ち交換の効果を得られた。
ただ旧ライト基板化の弊害でやや黄味を帯びるのが惜しまれる。
なお余計な作業を生み出した[千葉中央]幕は無事位置修正され点灯時の違和感が廃された。


モハ3305,モハ3308 (英字無併記[普通]種別幕:マイクロエース製ステッカー,富士川車輌工業製ステッカー)。

入場出来なかったモハ3305はマイクロエース製英字無併記[普通]種別幕のまま残された。
竣工したモハ3308と比較すると同じ英字無併記[普通]種別幕とは思えない。
マイクロエース製はフォントが細く[Local]を追記すれば英字併記[普通]種別幕に仕立てられそうである。
何故英字無併記[普通]種別幕だけマイクロエース製ステッカーに拘ったのか不思議で仕方がない。

予定外の工程が加わり3308F-1はまたも再出場が延期された。
モハ3305の[千葉中央]幕にはずれが無く順調に進むと思われる。
しかし3304F-1用の富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕を確保する必要がある。
ステッカー切り出しには十分注意を払いたい。

京成3300形モハ3307[3308F-1] 現行色 前期仕様 動力ユニット整備(駆動不調改善)

2017-06-03 21:41:56 | 京成線:3300形
低トルク。

ようやくマイクロエース製京成3300形3304Fグループの動力ユニット整備を終えた。
今度の整備対象は3308F現行色前期仕様モハ3307(3308F-1)である。
3304F新赤電色(3304F-1)との4+2編成に対応させており再び奇数番号車両の入場となった。


京成3300形3308F 現行色 前期仕様。
3308F-1:[3308]-[3307]-[3306]-[3305]。

3308F-1は3304F現行色を種車に出場させた。
グリーンマックス製3150形3194F現行色前期仕様(3194F-1)に合わせる導入名目があった。
そのため[K'SEI]CIマークを剥離しカプラーは黒色を起用した。
[K'SEI]CIマーク未貼付の3300形は3308F-1しか出場させておらず貴重な戦力になっている。
3304F-1との併結に備えモハ3307,モハ3306の狭幅貫通路側はTNカプラーSPへ交換した。
TNカプラーSP装着車の動力ユニット整備では取付け忘れを繰り返している。
車体嵌合前にTNカプラーSP装着の確認を行うよう注意する。


モハ3307 現行色 前期仕様(3308F-1)。

モハ3307は出場時から稼働状態が余り良くなかった。
通電系統の不調と思われるが発進直後に停止し動かなくなる現象が頻発している。
これは上野方面行で多々生じていた。
3308F-1は行先が[千葉中央]でまだ誤魔化せていた。
その千葉中央方面行も段付加速が激しい。
今回の整備で現象解消を目指す。


入工中のモハ3307。

動力ユニットはFS-361を履く3304F現行色LOTで比較的経年は浅い。
しかし回着整備時の記録が無く動力ユニットの措置が判らなかった。
動力ユニットを分解すると導電板の状態が良かった。
一瞬整備済かと考えたがユニットカバーとの焼き潰し部に指紋が残っていた。
導電板に限りこの動力ユニットは当たりだったらしい。
但し通電不良と思われる現象が出ているため総合的には外れに相当すると言えよう。


指紋を除去した導電板。

導電板は毎度のラプロス#4000で磨き出している。
焼き潰し部はユニットカバーのプラスチックが丸ごと外れる危険性が高い。
この箇所だけはラプロスを横方向にも往復させ指紋を除去した。
焼き潰し部以外の導電板は概ね状態が良く軽度の磨き出しで作業を終えている。


グリス塗れのFS-361動力台車。

FS-361動力台車は山盛りの純正グリスが固まり始めていた。
ギア類は手作業で済ませられる状態ではなくクリーナー行となった。
ギアボックスはクリーナー漬けのメリットが少なく爪楊枝と綿棒で純正グリスを取り除く。
先ず内壁にこびり付いた純正グリスを爪楊枝で掻き出した。
爪楊枝の軸部で浚うと面白いように純正グリスが付着する。
駆動不調の原因には純正グリスも絡んでいると思われる。
その後クリーナーを浸した綿棒で清掃を行った。
爪楊枝では掻き出せなかった箇所にある純正グリスもクリーナーには敵わない。
30分近くを要したがギアボックスから純正グリスが消え去った。


清掃を終えたギアボックス。

モハ3307のギア類清掃で手こずったのは動軸ギアだった。
これまで車輪間隔やトラクションタイヤへの影響を考え車軸の分解を控えてきた。
これはモハ3307でも踏襲している。
ギア山は爪楊枝と極細綿棒を用い1山ずつ純正グリスを除去していくしかなかった。
都合4軸のギア清掃は骨が折れる作業だったが最後に歯ブラシで仕上げている。
この頃にはクリーナー漬けされたギアの純正グリスが溶解していた。
動軸ギア清掃終了直後に吹き上げを行った。
清掃工具が同一でこの手順は今後の参考にしたい。


組立前のFS-361動力台車。

駆動不調はモーターにも原因があると考えた。
単独駆動試験の結果も予想通り回転が重かった。
トルクが弱く純正グリスの抵抗がある動力台車に推力を伝えられなかったと思われる。
モーター軸への油脂付着は見られなかったが余りに回転が悪いため注油を施した。
注油後の単独駆動試験では最初こそ鈍かった回転が徐々に軽やかになり他車と同状態に向上している。


整備を終えた動力ユニット。

動力ユニットを組立て試験線での駆動試験を行った。
ここで症状が全く解消されていなければ動力ユニット更新まで考えていた。
しかし心配は杞憂に終わった。
整備された動力ユニットは低速からスムーズに立ち上がり千葉中央方面行の段付加速も廃されている。
モハ3307の駆動不調はモーター軸の抵抗によるトルク不足が主因だったと思われる。
まだ3304F現行色,3344F現行色LOTの動力ユニットは不調に陥っている個体が存在している。
3300形は状態に関わらずモーターへの注油を行う方針に切り替える事にする。


忘れずに装着したTNカプラーSP。

動力ユニット駆動試験を終えた直後に狭幅貫通路側へTNカプラーSPを装着した。
TNカプラーSP取付車では初めて失念を防げた。
予め車体脇にTNカプラーSPを用意し目に入るよう改めた。
これが定着すれば装着忘れを防げるだろう。


竣工したモハ3307。

車体と動力ユニットを嵌合させモハ3307が竣工した。
3308F-1はこれにて再出場の予定だったがモハ3308,モハ3305の種別幕交換を組み入れる。
動力ユニットの状態と共に見附も向上させたい。

京成3300形モハ3303[3304F-7] 現行色 特急成田山号仕様 動力ユニット整備(加速度改善)

2017-05-25 21:16:52 | 京成線:3300形
先入観。

マイクロエース製京成3300形の動力ユニット整備はモハ3303現行色特急成田山号仕様(3304F-7)を入場させる。
3344F特急成田山号は3344F-3+3304F-7(3344F-4)の4+4編成を組む。
編成管理番号上は3344Fグループに属するが走行機会が多いことから1次車での整備に組み入れた。


京成3300形3304F 現行色 特急成田山号仕様。
3304F-7:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

3304F-7は当初4T化し出場させた。
動力車はモハ3334(3344F-3)としたが[成田]固定のため推進割合が高かった。
保留車発生時にKS-131非動力台車,FS-329動力台車付動力ユニットを捻出しモハ3303を電装した。
ここで3344F-3が4Tに変わり3304F-7が1M3Tへ改められた。
3344F-4の牽引比率を高める目的だったが現時点では上手く機能している。
保留車から動力ユニットを転用したため種車の3304F現行色に搭載されいたものではない。
動力車変更後から加速度が低くなり特急成田山号さながらだったが個体差と思い気にしていなかった。


入工中のモハ3303。

当時は珍しい存在だった奇数番号車両の動力ユニット搭載車も今では勢力が拡大した。
モハ3303を電装したのは極端な動力車偏位を嫌ったためで他編成とは意味合いが異なっている。
動力ユニットは未整備のまま起用しておりモハ3302(3304F-6)に近い状態だと思われた。
早速分解するとその通りの結果が待ち受けていた。
導電板の酸化進行はほどほどだった。
しかし指紋が強烈に残り部分的にはモハ3302を下回っている。
ラプロス#4000でもなかなか除去出来ず導電板と10分近く格闘した。
完全な状態には至らなかったもののそれなりの状態まで戻している。




指紋を除去した導電板。

FS-361動力台車の整備はモハ3302から採用した上野寄,成田寄同時施工とした。
3304F現行色,3344F現行色は純正グリスが過剰に投入されている個体が殆どである。
モハ3303も当然ながらこれに該当した。
ギアボックス内の白塊と煌めくギアは最早見慣れてしまった。
嫌がらせの様な純正グリスは全て除去する。


現行LOT特有の純正グリスが盛られたFS-361動力台車。

ギア類はクリーナー浸けし溶解を待つ。
その間にギアボックス,スパイラルギア部の清掃を進める。
純正グリスは僅かに固形化が始まっており爪楊枝での掻き出しは順調に進められた。
ギアボックス内壁に残った純正グリスはクリーナーを浸した綿棒で除去し細綿棒で拭き上げた。
ギアボックス清掃はクリーナー浸けより綿棒の方が作業し易いように思える。
個体差にも左右されるが基本的には2種類の綿棒で純正グリス除去を行う方針としたい。


純正グリス除去を終えたギアボックス。

FS-361動力台車枠,動軸ギアは固形化の影響かグリス塗れには至っていなかった。
ギアボックス清掃と同様にクリーナーを浸した綿棒で大方の純正グリスを取り除いた。
FS-361動力台車枠はクロス,動軸ギアは歯ブラシで各々仕上げている。
ギアボックス内の状態が悪かったため最悪の状態を考えていたが一歩手前で止まっていた。
ここで手間を要さなかった事がそのままFS-361動力台車整備の時間短縮に繋がっている。


被害の少なかったFS-361動力台車枠,動軸。

スパイラルギア部も予想より純正グリスが回り込んでおらず手早く清掃を終えた。
クリーナー浸けされていたギア類は完全に純正グリスが無くなり歯ブラシとクロスで綺麗な状態になった。
集電板は純正グリスの影響を受けておらずクロスで吹き上げだけで済ませている。


組立を終えたFS-361動力台車。

組み立てたFS-361動力台車は車輪の回転が軽くなった。
摺動抵抗が低くなれば加速度改善に繋がる可能性がある。
仕様だと考えていた状況が改められる期待を抱いた。


付着した油脂を除去したモーター軸。

動力ユニットは3304F現行色でモーター周りは目視だけで済むと考えていた。
ところがモーターストッパーを撤去するとモーター軸に油脂が絡み白色に変わっていた。
これも加速度低下の一因かもしれない。
油脂を除去した上で念の為注油を行っている。
3304F現行色,3344F現行色LOTの動力ユニットも注油対象にした方が無難な気がする。


整備を終えた動力ユニット。

最後に津川洋行製ホイールクリーナーで踏面清掃を施した。
添加したタミヤ製グリスを馴染ませる目的もあり常に低速回転としている。
この時は動力ユニットの変化に気付かなかった。
踏面清掃を終え駆動試験を行ったところ電流量と比例する加速に変わっていた。
モハ3303はギア類の過剰グリスとモーターが抵抗の元になっていたらしい。


再び装着をし忘れたTNカプラーSP。

3344F-4は全車TNカプラーSPへ交換した。
これを失念し車体と嵌合させたが間の抜けた妻面を見て装着忘れに気付いた。
TNカプラーSPを装着したマイクロエース製車両の絶対数は少ない。
それでも度重なる失策に嫌気が差す。
ユニットカバーにマーキングを施すなど何かしら手を打った方が良いかもしれない。


台枠に入り込むTNカプラーSPロアフレーム。

TNカプラーSPを装着したままユニットカバーを撤去できればこの様な失敗は生じない。
しかし動力ユニットの構造上TNカプラーSPを取り外す必要がある。
台枠下部にTNカプラーSPのロアフレームが進入するためユニットカバーが取り外せない。
正規指定はマイクロカプラーでありTNカプラーSPを起用する以上は気を付けるしかないだろう。


モハ3303特急成田山号仕様(動力ユニット整備)。

加速度が改善されモハ3303が竣工した。
個体差と思われた現象は分解整備だけで解消された。
注油を施したせいかモーター駆動音も静音化された気がする。
個体差と言う言葉に騙されないよう先入観を廃して動力ユニット整備を進めたい。

京成3300形モハ3303,モハ3302[3304F-1] 新赤電色 PT-43形パンタグラフ スライダー金色化

2017-05-24 21:21:51 | 京成線:3300形
異端。

マイクロエース製京成3300形3304F新赤電色(3304F-1)は動力ユニット整備を終え順調に稼働している。
3304F-1はモハ3306+モハ3305現行色前期仕様(3308F-1)を増結する4+2編成(3304F-2)に対応させていた。
一方3308F-1もモハ3302+モハ3301(3304F-1)との4+2編成(3308F-2)を組成出来る。


京成3300形3304F 新赤電色。
3304F-1:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

3304F-2,3308F-2各々で4+2編成を組むと必ず何れかの半ユニットが組成から漏れる。
加えて両編成同士の離合は齟齬が無かった。
これも影響し混色4+2編成の登場機会は比較的少ない状態で推移している。
これにより見落とされてきたのはモハ3303,モハ3302のパンタグラフスライダー色だった。


モハ3303 新赤電色(3304F-1)。


モハ3302 新赤電色(3304F-1)。

3304F-1の種車は3316F新赤電色クロスシート試作車(二代目)に遡る。
3200形3240F現行色以来マイクロエース製京成3000形系列は必ずスライダーに金色が挿されてきた。
どういう訳か3316F新赤電色クロスシート試作車だけはこれが再現されなかった。
その後は再び色挿しが復活し現在に至るまで異端製品になっている。
在籍する3316F新赤電色クロスシート試作車(3316F-1)は3312F新赤電色の車体更新時にスライダーを金色化した。
捻出された旧3312F新赤電色は3304F-1へ改番され復活したがスライダー色は完全に抜け落ちていたらしい。
今更ながら黒色スライダーから金色スライダーへの変更に着手した。


入工中のモハ3303。

スライダーへの色挿しは油性ペイントマーカーを使用する。
これは3316F-1等と同様で既に実績があった。
黒色成形品へ塗布するため製品の色挿しとは色温度が異なる。
それでも最低限の効果が得られるため従来方式を踏襲した。
PT-43形パンタグラフを取り外す必要は無く上昇させるだけで油性ペイントマーカーのペン先が当たる。
スライダーは固定されておらずホーンを抑えながら一定の角度を保つようにした。




金色化されたスライダー(モハ3303)。

油性ペイントマーカーのためスライダーモールドを丁寧に塗るのは不可能に近い。
液垂れも伴うため良い仕上がりは望めない。
ここは3308F-1との差違を埋める事が第一であり仕上がりは見切っている。
完璧を求めるなら筆塗りかパンタグラフ交換しかないだろう。
なおインクはホーンの一部まで進出した。
しかし油性インクの強味を活かし乾燥後に爪楊枝で除去し金色部をパンタグラフ枠内に収めている。


液垂れ部を除去したホーン(モハ3302)。

モハ3303,モハ3302共に間近ではぱっとしない出来に終わった。
3316F-1と比べても全く進歩の跡が見られない。
試験的にモハ3302で二度塗りを施したがインクの厚みが増すだけで裏目に出ている。
無駄骨だった二度塗りはインクを剥がし一重塗りに戻した。




一応近似色にはなったスライダー (モハ3306,モハ3302)。

俯瞰と言う見地ではまずまずだと思う。
明らかにモハ3306(3308F-1)と見附が異なる印象は拭えた。
この答も3312F-1を前後に半ユニットずつ増結される機会を有する3316F-1と重なっている。
そもそも3316F新赤電色クロスシート試作車だけスライダー色挿しが省略された理由が理解できない。


モハ3304+モハ3303 (PT-43形パンタグラフ スライダー金色化)。


モハ3302+モハ3301 (PT-43形パンタグラフ スライダー金色化)。

スライダー金色化は俯瞰見附向上が目的で側面見附は入場前と変わらない。
液垂れを修正できなければホーンが金色に変わるところだった。
その点では油性ペイントマーカーでの色挿しに救われたと思う。
モハ3303,モハ3302のパンタグラフスライダー金色化で3308F-1に少しだけ近付けた。
半ユニットが外れる事態は変えられないが各々の4+2編成組成を増やしていきたい。

京成3300形モハ3315,モハ3314[3316F-3] 現行色 中期仕様 床板相互振替,狭幅貫通路側TNカプラーSP化

2017-05-23 21:28:47 | 京成線:3300形
失念。

マイクロエース製京成3300形3316F現行色中期仕様(3316F-3)は4両編成で出場した。
その後3304F現行色中期仕様2両口(モハ3302+モハ3301)が竣工し4+2編成に対応させている。
3304F現行色中期仕様(3304F-3)の4両編成化後も3316F-3に動きは無かった。


京成3300形3316F 現行色 中期仕様。
3316F-3:[3316]-[3315]-[3314]-[3313]。
3316F-4:[3316]-[3315]-[3314]-[3313]+[3302]-[3301]。

モハ3302+モハ3301(3304F-3)先行竣工時に3300形現行色の4+2編成登場で満足感を得た。
3304F-3の4両編成化で2+4編成への対応が浮上した。
動力ユニットをモハ3314からモハ3315に変更すればモハ3316+モハ3315+3304F-3の2+4編成が組成できる。
計画に存在しながら長らく放置されてきた。
モハ3310(3304F-4)の動力ユニット整備でこれを思い出した。
再び先送りされる前にモハ3315とモハ3314で床板交換を行い動力車位置を変更する。


入工中のモハ3315,モハ3314 (非動力車,動力車)。

モハ3314の動力ユニットは中期整備施工済である。
動力ユニット整備は編成管理番号順に進めており3316F-3の入場はもう少し先になる。
同時進行する手段もあったが深夜帯からの作業開始となり床板振替のみに留めた。
3304F-3との2+4編成対応は狭幅貫通路側連結面のTNカプラーSP化が必要になる。
先送りされてきた主な原因はTNカプラーSPの残数だった。
編成増備の落ち着いた現在では急遽所要となる可能性は低く作業を進めても不足はしないだろう。


TNカプラーSP化された狭幅貫通路側連結面。

モハ3315はモハ3304(3304F-3)に増結させるためTNカプラーSP化は必然だった。
これに連動しモハ3314もTNカプラーSP化される。
3316F-3の各ユニット間はKATOカプラーを装着しているため連結面間隔は不均等になる。
これは3304F-3も同様で全車TNカプラーSP化を行わない限り解消出来ない。
しかし既に4+2編成の3316F-4ではモハ3313+モハ3304でこの現象が出ている。
当分はユニット間はKATOカプラーで存置されると思う。


床板を振替えたモハ3315,モハ3314 (電装,電装解除)。

モハ3315へのTNカプラーSP取付時に導電板の状態を確認しようと思った。
これに手を着けると動力ユニット整備に進みかねない。
何れは入場する上に日付を跨ぎそうだった。
妙な欲求に耐え床板相互振替を終えた。




モハ3315(電装:動力車化)。




モハ3314(電装解除:非動力車化)。

M1車同士の床板振替のため反転等の付帯作業は生じなかった。
従ってモハ3315,モハ3314ともに床板の嵌め込みだけで竣工を迎えている。
3200形~3300形,3500形ではM1車,M2車とも床下機器配置が同一で余り余計な事を考えなくて済む。
ここはユニット構成が変更された3200形以降の強味だろう。




モハ3315+モハ3314 (TNカプラーSP化)。

モハ3315+モハ3314はTNカプラーSPに交換されジャンパホースが廃止された。
これだけは惜しまれるが2+4編成を再現するにはTNカプラーSPが欠かせない。
3200形3298Fリバイバル開運号,3344F+3304F特急成田山号は全車TNカプラーSP化している。
全編成の連結面にジャンパホースが有るわけではなく組成自由度向上の方が大きいと思う。


3316F 現行色 中期仕様(2+4編成)。
3316F-5:[3316]-[3315]+[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

動力車位置変更を終え3316F-3が再出場した。
新たに組成される2+4編成の編成管理番号は上野寄先頭車を基準とし3316F-5へ付番した。
計画から着手まで時間を要したがようやく実現に至っている。




連結可能になったモハ3315+モハ3304 (3316F-5)。

3300形現行色の2+4編成は3304F現行色中期仕様(3304F-5)に次いで2本目となった。
これも3304F-3が4Tだからこそ成せる業でもある。
3300形の4+2編成,2+4編成は1次車でしか再現出来ない。
増備を行わずにバリエーションを増やせた動力車位置変更は成功と言えるだろう。

京成3300形モハ3304[3304F-6] 現行色 晩年仕様 ライトケース漏光対策施工,前面行先表示器角度微調整

2017-05-22 21:06:16 | 京成線:3300形
再出場。

マイクロエース製京成3300形3304F現行色晩年仕様(3304F-6)は初出場当時の名残が強く残る編成だった。
そのためその後に増備された編成とは一部措置が若干異なっている。
モハ3301(3304F-6)に続きモハ3304も他編成との差違を廃し3300形の仕様統一を進める。


京成3300形モハ3304 現行色 晩年仕様(3304F-6)。

3304F-6は3344F現行色と同時回着だった。
しかし3320F暫定8両貫通編成(3320F-2),3344F暫定4両通番編成(3344F-1)の出場が優先され入場が遅れた。
3320F-2,3344F-1は3320F現行色,3344F現行色との混結が前提だったため部品交換を繰り返した。
両編成の出場を早めるため外観のLOT差を吸収する方法を採り作業の効率化を図った。
その結果続いて入場した3304F-6はほぼ製品仕様のまま出場に至っている。
3320F-2,3344F-1入場で仕様変更に気付いていればモハ3304,モハ3301(3304F-6)の再入場は不要だったかもしれない。


入工中のモハ3304。

モハ3304は行先表示器窓セルの乱れがモハ3301より少なかった。
主工程はライトケース漏光対策で前面行先表示器窓セル修正は出来る範囲内に留める。
早速車体を分解しライトユニットを撤去した。
アルミテープによる漏光対策はモハ3301と同一方式で3304F現行色,3344F現行色の共通仕様である。
先ずライトケースにアルミテープを貼付するため行先表示器用プリズムを取り外した。
それと同時に前照灯用ライトレンズも脱落した。
材質変更のあった新LOTライトケースだが蒸着処理が施された旧LOT製品と金型は同じだったらしい。
この脱落も今入場以後は無くなる筈である。


脱落した前照灯用ライトレンズ。

ライトケースへのアルミテープ貼付は分解を要する個体と不要な個体が存在する。
何れもライトケースの問題ではなくライト基板の行先表示器用LEDチップが絡んでいる。
行先表示器用プリズムを受けるライトケース立ち上がり部は比較的内部が狭い。
分解が不要なライトユニットはLEDチップが後傾しているためアルミテープを受け入れる余裕がある。
行先表示器用LEDチップが直立若しくは前傾している個体は分解しなければならない。
モハ3304は後者に該当し原形のままアルミテープを貼れなかった。


ライトケース分解の原因となった行先表示器用LEDチップ。

ライトユニットを分解しライト基板を撤去した。
アルミテープ貼付後もこのまま無理矢理押し込む事も出来る。
ただアルミテープとLEDチップが直に接すると何を引き起こすか判らない。
予め行先表示器用LEDチップを後傾させライトケース内での接触を防ぐようにした。


後傾させた行先表示器用LEDチップ。

行先表示器用LEDチップさえライトケースに支障しなければアルミテープを貼付できる。
ライトケース行先表示器用プリズム上端へアルミテープを貼りライトユニットの組立に戻る。
念の為ライト基板装着はライトケース内部との接触を確認しながら行った。
最後は前照灯用ライトレンズの固定となる。
使用しているアルミテープはライトケース裏面前端のリブより薄く床板嵌合に影響は出ない。
切り出し幅は特に定めていない。
漏光対策用で用いたアルミテープの残りを適当に切断し貼付した。


アルミテープで固定された前照灯用ライトレンズ。

最後に行先表示器窓セルの角度修正に取り掛かった。
モハ3301での失敗を活かし車内側をプラスチックドライバーで抑えながら前面から押し込む。
あくまでプラスチックドライバーは脱落防止用であり軽く支えるだけでいい。
ただこの力加減が難しかった。


運転台側が引き込まれた行先表示器窓セル。

幸い運転台側の押し込みに成功し行先表示器窓セルの脱落を招かずに済んでいる。
この状態では敢えて車体との平行は守らなかった。
モハ3301での癖を考え運転台側を引き込ませた。


行先表示器の微調整に成功したモハ3304。

狙いは当たりライトユニット装着時に運転台側の行先表示器窓セルが僅かに押し出された。
結果的に車体と平行する位置で止まりモハ3301と同等の見附になってくれた。
なおモハ3301と共に行先方向幕ステッカーを傷めないよう細心の注意を払った。
行先表示器窓セル押し込み時に若干生じた歪みはステッカースライダーで修正し原形に復帰している。




モハ3304 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:ライトケース漏光対策施工。

モハ3304でもライトケースからの漏光が無くなり緑色に光る貫通扉窓奥が廃された。
行先表示器用LEDチップ後傾の影響も出ていない。
この漏光対策は3304F現行色,3344F現行色出自車で積極的に採用しており安定域に入ったと言えるだろう。
作業を終えモハ3304が竣工し3304F-6が再出場した。




3304F-6 (モハ3304,モハ3301 行先表示器角度修正)。

これで3344F現行色晩年仕様(3344F-2)とも見附が揃った。
モハ3344,モハ3333(3344F-2)は入場時に行先表示器の角度修正を施していた。
これはステッカー転用が絡んだ作業だったが平行取りに苦労した記憶がある。
共に苦戦した行先表示器角度修正だが3320F現行色との差違は無くなっている。


3344F-2,3304F-6 (モハ3344,モハ3304)。

なおもう1編成の現行色晩年仕様は3320F-4である。
3320F-4は3320F現行色6両編成からモハ3318,モハ3317を脱車し出場させた。
3320F現行色では行先表示器角度に問題は無かったため現在に至るまで手を加えていない。
仮に3300形のバリエーション追加があるとすれば是非とも改善してもらいたい。


3320F-4。

現状で行先表示器の角度修正が必要な3300形は全廃されたと思う。
3304F現行色を種車にした編成が多く再度確認した方が良いかもしれない。
ただモハ3301(3304F-6)ほど酷い個体は存在しないはずで微調整で済むだろう。

京成3300形モハ3301[3304F-6] 現行色 晩年仕様 前面行先表示器角度修正,ライトケース漏光対策施工

2017-05-21 21:47:24 | 京成線:3300形
再開。

マイクロエース製京成3300形3304F現行色晩年仕様(3304F-6)はモハ3302の動力ユニット整備を終えた。
3304F-6の再出場を前にモハ3301を入場させる。
回着当時から前面行先表示器窓セルの角度が気に入らず修正を図ることにした。


京成3300形3304F 現行色 晩年仕様。
3304F-6:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

3304F現行色,3344F現行色は当たり外れの激しい製品だった。
側面窓セルのサッシ印刷が剥がれた個体に悩まされたがこれは白ウレタンケースに変わったせいかもしれない。
パンタグラフ配管取り廻しは大半のM1車で修正を要している。
これに加えM2車の前面行先表示器窓セルが斜めに固定されている車両が少なからず存在した。
MG抵抗器の色挿し廃止,ライトケースプラスチック材質変更等コストダウン指向が強く見られた製品でもあった。


入工中のモハ3301。

3300形の前面行先表示器窓セル角度修正は一部車両で施工済だった。
何れもセルの再組込に大苦戦し3304F-6の入場を前に作業を中断していた。
3200形,3300形の前面行先表示器窓セルは屈指の取り扱い難さを誇る部品だと思う。
しかしモハ3301は余りにも見栄えが悪く修正作業再開となった。


運転台側が張り出す行先表示器。

モハ3301の行先表示器窓セルは運転台側が大きく前進し車体との平行を保てていない。
行先表示器が貫通扉水切りより前に位置するため最初に目に飛び込んでくる箇所である。
モハ3301での行先表示器窓セル位置修正はこれまでの方式を改め車体に存置したまま挑んだ。
ステッカーを傷めないようクロスで包んだ爪楊枝で少しずつ張り出した箇所を押し込む。
しかし嵌合の固い部品で容易には動かなかった。
少しだけ力を込めたところ行先表示器窓セルが脱落した。
新方式はあっと言う間に崩れ去っている。


切除した助士側リブ内側。

結局従来方式での行先表示器角度修正になった。
苦労して位置合わせを行い何とか車体と平行に戻した。
ところがライトケースを装着すると行先表示器窓セルが押し出され振り出しに戻ってしまった。
行先表示器用プリズム若しくはライトケース先端との余裕が余り無いらしい。
過去に修正した車両ではこの様な現象は生じなかった。
間違い無く車体側に問題がある。
張り出すのは必ず運転台側だった。
試しに助士側を車内側から押し込んでみたが全く動く気配がしない。
そこで車体内側の一部を削り行先表示器窓セルを受け入れる代を稼ぐ事にした。
下手に細工すると痛い目に遭う気がしたため車内側から少しずつ助士側リブの内側を押し潰した。
潰したプラスチックをニードルで掻き出す作業を繰り返し目算で薄くなった手応えを得ている。


前面窓セルを撤去して取り付けた行先表示器窓セル。

出来るだけ車体の分解は避けたかった。
しかし取付に悪戦苦闘し前面窓セルを取り外して対処している。
どうにか嵌込みに辿り着き位置合わせを取り掛かった。
ライトケース装着時に生じた行先表示器窓セル押し出しを考慮し僅かに運転台側を引き込ませた。

ここからライトケースの漏光対策に転じている。
3304F-6は3304F現行色グループで最初に出場した編成だった。
まだライトケース行先表示器用プリズム立ち上がり部の漏光対策が浮かばなかった時期に該当する。
現在では標準化された新ライトケースへの漏光対策をモハ3301にも採り入れる。


アルミテープを貼付したライトケース。

漏光対策はライトケースの一部にアルミテープを貼付する簡易的なものである。
行先表示器用プリズム差し込み部から約6mm程度を覆うとほぼ漏光を防げる。
あくまで前面からの見栄え向上が目的で側面,室内側の変化は無い。
それでも走行中に気になる箇所を大幅に減らせるメリットがある。
アルミテープは100円ショップで入手したものだが薄いため行先表示器用プリズムの嵌合には影響しない。


前照灯用ライトレンズ抑えに役目が変わったアルミテープ。

ライトケース底面の前照灯ライトレンズ用導光部にもアルミテープを貼り付けた。
本来前照灯光量を保つために採用した経緯がある。
モハ3301の点灯光量に不満は無かった。
しかし前照灯ライトレンズが安易に脱落するため紛失防止用にアルミテープを貼付している。




角度が修正された行先表示器窓セル。

漏光対策を終えたライトケースを車体に取り付けた。
ライトケースでの押し出しを逆算した行先表示器窓セルは首尾良くほぼ車体と平行になっている。
最大の修正課題だった行先表示器周りの違和感は無事廃された。
やはり助士側リブへの細工が効いたらしい。
これで傾斜に悩ませられる事は無くなると思う。




モハ3301 点灯試験[B51 普通 千葉中央]:ライトケース漏光対策施工。

ライトケースの漏光対策はこれまで通りの成果を得ている。
前照灯光量は心無しか向上した気がしないでもない。
入場前から気になっておらずライトレンズ脱落防止が優先で付帯効果が無くても構わない。

外観の改善を終えモハ3301が竣工した。
やはり前面行先表示器窓セル着脱には余り手を出したくないとも感じた作業になった。
なおモハ3304(3304F-6)のライトケース漏光対策に取り掛かる時間が無くなり3304F-6再出場は先送りされている。
そのモハ3304も僅かに行先表示器窓セルがずれている。
モハ3301で失敗した微調整にもう一度挑みたい。

京成3300形モハ3302[3304F-6] 現行色 晩年仕様 動力ユニット整備(起動時急発進改善),パンタグラフ配管修正

2017-05-20 21:15:17 | 京成線:3300形
急発進。

マイクロエース製京成3300形の動力ユニット整備は3304F現行色晩年仕様(3304F-6)を迎えた。
3304F-5は3304F現行色中期仕様(3304F-3:4T)グループに入る。
しかし動力車を3316F現行色中期仕様モハ3314(3316F-3)に頼るため3304F-6を先発させる。


京成3300形3304F 現行色 晩年仕様。
3304F-6:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

3304F-6は3編成が在籍する3300形色地[普通]種別幕車で唯一の1次車である。
離合に齟齬の無い編成が多く比較的出番は多い。
初出場時の記録を振り返ると動力ユニットに関する記述が無かった。
現在に至るまで全く手が入っていないらしい。
そのせいか起動電流が高く急発進する難点があった。


モハ3302 現行色 晩年仕様(3304F-6)。

3304F現行色は都合5編成が投入された。
このうち2編成は改番され未改番の2編成は現行色中期仕様(3304F-3),特急成田山号仕様(3304F-7)へ各々改装した。
そのため製品仕様のまま出場したのは3304F-6のみに留まっている。
3300形では少数派の色地種別幕車でもあり今後も登場機会は多い状態で推移すると思われる。
せめて急発進だけでも改善出来ればと願いモハ3302を入場させた。


入工中のモハ3302。

最初に目に入ったのはパンタグラフ配管がパンタグラフ台枠の下に入り込んでいる事だった。
この現象は3304F現行色,3344F現行色の回着時から頻々と見られる様になった。
それまでリリースされた京成3000形系列ではパンタグラフ台枠上に取り廻されていた。
回着整備で手を施したはずだが見落としたらしい。
これは容易に修正できるため最終工程に廻す。


経年より状態が良く見える動力ユニット。

ユニットカバーを外すと思いの外導電板の酸化は進んでいなかった。
回着当時の記録が無くどの様な状態だったか突き止められない。
経年による酸化自体には対抗できないがこの程度なら良い部類に入ると思う。
この点は今後の整備進行で明らかになるだろう。
未整備の象徴は導電板にはっきりと残る指紋だった。
ユニットカバーとの焼き潰し部には巨大な痕が残っている。


指紋が浮かび上がる導電板。

モハ3302の動力ユニット整備は経年対策の基本工程を踏襲する。
クリーナーでは歯が立たない指紋痕もラプロス#4000には敵わない。
中途半端な初期整備施工車よりも指紋除去の方が楽だった。
全面を磨き上げクリーナーで仕上げるまでの時間は予想より短くなっている。
気になるのは所々にある窪みである。
ピンスポット状に凹んでおり何が当たったのか不思議に思う。


研磨を終えた導電板。

続いてFS-361動力台車の清掃に入った。
リリース時期から山盛り純正グリスを予想していた。
台車を取り外すと予想通りの答が返ってきた。
この状態でギア毎の清掃は手間を要する。
モハ3303新赤電色(3304F-1)のギア類清掃に倣いクリーナー浸けを選択した。


純正グリスが目立つFS-361動力台車。

モハ3302から上野寄,成田寄台車の清掃を同時進行とした。
さすがに数を捌いてきており構造は頭の中に入っている。
組立に迷った際の参考とするため別々に清掃を施してきたがその必要も無いだろう。
両台車とも分解しギアボックスを撤去した。


用を成さない純正グリス。

ギアボックス内はギアへ絡まない箇所に純正グリスが集中していた。
ただモハ3303(3304F-1)の様なギアボックス外側への純正グリスの進出は見られない。
ギア類をクリーナー浸けしている間にギアボックスの清掃を進める。
ギアボックス内の純正グリスは各々角部に固まっており爪楊枝で大まかに掻き出した。
残滓はクリーナーを浸した綿棒で残った純正グリスを除去している。


清掃を終えたギアボックス。

クリーナーに浸けていたギア類はほぼ純正グリスが溶解していた。
クロスで各部を吹き上げた後に各ギア山を歯ブラシで払い清掃を終えている。
スパイラルギア部も純正グリスの付着が夥しかった。
従来通りの方式で清掃を行ったがビニール手袋が純正グリスで塗れ使い物にならなくなっている。
過去の動力ユニット整備で途中で手袋交換したケースは無く如何にグリス過多だったか良く判った。


整備を終えたFS-361動力台車。

上野寄,成田寄台車を同時進行させたせいか動力台車組立までの時間が大幅に短縮された様に感じた。
実測では分解から組立まで約60分を要しており実際には10分程度しか早まっていない。
これまで同じ工程を2度繰り返していたため体感時間が短く感じたのだろう。
とは言え深夜帯に作業する機会が多く10分は貴重である。
今後の動力台車清掃は同時進行とする。


油脂が付着していたモーター軸。

FS-361動力台車の清掃を終えたがギア周りの不具合は一切見られなかった。
急発進の推定要因からギア類の抵抗は除かれたためモーター自体に問題があると考えた。
モーター単独駆動試験でも電流の高まりに比例せず急に勢い良く回転し始める。
取り敢えず注油を行い様子見することにした。
注油のためモーターストッパーを取り外すとモーター軸に油脂の付着が見られた。
やはりモーターに何かがあったらしい。
油脂はクリーナーを浸した極細綿棒で取り除いた。
更にモーター軸受部へ注油を施し再度単独駆動試験を行った。
すると起動電流が低くなった上に電流に比例して回転が増すように変わった。
根本原因を突き止められたかもしれない。
後は動力ユニット組立後に症状が出ないかに懸かる。


予備品と交換した絶縁シート (折損品,予備品)。

そして珍しく塩化ビニール製の絶縁シートを交換した。
工場での組み立てが粗雑だったらしく絶縁シートの海側が折れ曲がっていた。
1枚だけ絶縁シートの予備品があり交換が行えた。
今後この様な個体に出会した場合にはマイクロエース分売品に頼るしかないだろう。


整備を終えた動力ユニット。

動力ユニットを組立て踏面清掃で駆動に関連する作業は終了となる。
津川洋行製ホイールクリーナーを使用するため動力ユニットの駆動試験も兼ねられる。
トラクションタイヤ都合で高速回転は禁物である。
しかし今回は急発進解消が主項目で症状が改善されていない場合にはこれを回避できない。
万が一に備え直ぐに車体を持ち上げられる状態でホイールクリーナー上に載せた。
結果が心配されたがモーター単独駆動試験と同じく低速回転が可能になった。
上野寄,成田寄台車共に急発進は生じず問題点は解消された。




取り廻しを改めたパンタグラフ配管。

最後にパンタグラフ台枠下側に入り込んでいた配管を修正する。
配管先端をニードルで引き掛け正規位置へ復した。
PT-43形パンタグラフは車体に固定されており今後配管位置が変わる事はないだろう。




モハ3302(動力ユニット整備,パンタグラフ配管修正)。

各工程を終えモハ3302が竣工した。
基本的に3304F現行色,3344F現行色LOTの動力ユニットは注油しない方針だった。
柔軟に対応する体制ではあったが早くも対象外の車両が生じている。
まだ3300形の動力ユニット整備は始まったばかりである。
対象外の個体だらけにならない事を願いたい。

京成3300形モハ3310[3304F-4] 現行色 中期仕様 動力ユニット再整備(経年対策) ※3300形用ユニットカバー化

2017-05-12 21:19:17 | 京成線:3300形
発見。

マイクロエース製京成3300形系列の動力ユニット整備第二弾はモハ3310現行色中期仕様(3304F-4)となった。
3304F現行色中期仕様(3304F-2)は4Tで3312F現行色中期仕様2両口のモハ3310+モハ3309を増結させている。
3304F-2は3316F現行色中期仕様(3316F-3)との増結を前提とし成田寄半ユニットが先に竣工した経緯を持つ。


京成3300形3304F 現行色 中期仕様(4+2編成)。
3304F-4:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]+[3310]+[3309]。

当初3304F-2はモハ3302+モハ3301の2両口が竣工し3316F現行色中期仕様との2+4編成(3316F-4)を組み出場した。
その後保留車と発生品を活用してモハ3304+モハ3303が竣工し4両編成化している。
最後の3300形保留車となった旧モハ3306(非動力車:FS-361),モハ3333(KS-131)は足廻りが揃わなかった。
都合良く動力ユニットを含めたサックスブルー成形品のKS-121が残りモハ3310,モハ3309へ改番している。
2両口を活かすため3304F-2の牽引用に充当しモハ3310+モハ3309現行色中期仕様(3304F-4)が出場した。
現在もモハ3312+モハ3311現行色中期仕様は欠番で3312F現行色中期仕様2両口のまま推移している。
結果3304F現行色中期仕様グループに属し編成管理番号から若番車より先じて動力ユニット整備対象となった。


モハ3310 現行色 中期仕様(3304F-4)。

モハ3310は現時点で3300形の最終竣工車となっている。
しかし車体は流転を繰り返しモハ3310に辿り着いた。
種車はモハ3318現行色で回着は3320F現行色晩年仕様(3320F-3)と同時だった。
そのため3300形でも旧LOT製品に該当する。
動力ユニットは保管品に廻っていたモハ3314新赤電色クロスシート試作車(二代目)から捻出されたものである。
入場時に動力ユニット整備を施したが現在とは方式が異なるため再入場させた。


入工中のモハ3310。

分解すると動力ユニットカバーが3200形用に変更されていた。
元々がセミクロスシートのモハ3314用でロングシート化は3200形用ユニットカバーを転用したらしい。
ここで3200形モハ3266現行色晩年仕様(3232F)で3300形用ユニットカバーを使用していた事を思い出した。
モハ3310,モハ3266でユニットカバーを相互交換すれば座席部品の編成内統一が図れる。
動力ユニットの本格整備へ入る前にモハ3266とのユニットカバー交換を行う。


ユニットカバー交換前のモハ3266,モハ3310 (3232F,3304F-4)。

モハ3266は動力ユニット整備済でモーターカバー交換以外に施す工程は無い。
先にモハ3266を竣工させるためモハ3310に取付けていたモーターカバーの導電板研磨を施した。
マイクロエース製動力ユニットの本格整備は3500形グループから行っている。
これ以前に竣工した車両は同じ様な整備で留まっていた。


研磨中の導電板(モハ3310用→モハ3266用)。

モハ3310の導電板はクリーナーの吹き上げ不足が原因でやや変色が進んでいた。
磨き出しはラプロス#4000を用いる定番化した方式である。
クリーナーによる酸化は斑点状にこそなっていなかったが全体的に茶色くなり始めていた。
現行整備施工車までは気を配って来なかった箇所で暫くはラプロスによる研磨が欠かせないと思われる。


3200形用ユニットカバーに交換されたモハ3266用動力ユニット。

モハ3266は3300形用FS-361付動力ユニット搭載車だった。
今回の交換で3200形LOTへ変更されライトスイッチ用の切り欠きが消滅している。
外観は3200形用動力ユニットに近くなったが駆動部は3300形用を引き継ぐ。
3200形系列の異端車である事実には変わりなくメンテナンスサイクルが違う点には気を付けたい。
なおユニットカバーの色温度差は僅かのため外観からは全く変化が無いように見える。




モハ3266現行色晩年仕様(3232F:3200形用ユニットカバー化)。

ユニットカバー交換を終えモハ3266が竣工した。
これ以後はモハ3310向けの整備となる。
モハ3266から転用するユニットカバーは整備済で状態に変化は見られない。
清掃から2箇月程度では現在の整備方法が合っているか判断できなくて当然である。
唯一研磨フィルムによる小傷が目立っておりこれだけはラプロス#4000で除去した。


余り純正グリスの目立たないKS-121動力台車(上野寄)。

モハ3310は中期整備施工車でも後半の竣工車に当たる。
そのためそれまでよりも入念に過剰な純正グリスを取り除いていた。
しかし純正グリスに頼る考えを引き継いでいたため清掃を施す。
純正グリス除去時にKS-121動力台車を分解したか記録に残っていなかった。
中途半端な整備で終わっている可能性があり分解清掃を選択した。


歯ブラシを中心に清掃したKS-121動力台車(上野寄)。

KS-121動力台車(上野寄)を分解するとギアボックス内側に半固形化した純正グリスが付着していた。
どうやら分解清掃まで手を着けていなかったらしい。
その割にはギア類への純正グリス付着は少なかった。
クリーナーを浸した細綿棒と歯ブラシで鮮やかなサックスブルーに戻っている。
ここでも歯ブラシは大活躍してくれた。


整備されていたスパイラルギア。

スパイラルギア周りはしっかりと清掃を施したようである。
動力台車のギアから付着したスパイラルギアの純正グリス拭き上げだけで清掃終了を迎えている。
引き続きKS-121動力台車(成田寄)を分解整備した。
純正グリス付着は上野寄同様で余り手こずっていない。
この程度の状態であれば2両/日のペースに上げられる。
しかし今後はモハ3302現行色,モハ3318現行色の動力ユニットを転用した車両が増える。
計算通りには行かないだろう。


整備を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

モーター軸受部は油脂固着も無く良好だった。
ただモハ3314新赤電色出自の動力ユニットで注油を行っている。
入場前は若干低周波の音が目立ち始めていたためタイミングは良かったと思う。
効果が無いと判りながらも霞んだフライホイールを拭き上げモーター周りの作業を終えた。


注油を施したモーター軸受部。

残るはモハ3266と交換したユニットカバーを嵌合させるだけである。
3200形,3300形のユニットカバーは共用可能で不安無く装着を迎えられている。
これで動力ユニットは一応3300形LOTの部品で占めらた。
座席部品の色温度は他3300形動力車と同じになり気になった箇所は廃された。


3300形用ユニットカバーに交換されたモハ3310用動力ユニット。

最後に津川洋行製ホイールクリーナーで踏面清掃とタミヤ製グリスの潤滑を同時に行った。
モーター駆動音,ギア周りの摺動音共に清音化され動力ユニットの整備を終えた。
竣工直前でTNカプラーSPの装着忘れに気付いた。
モハ3310はモハ3301(3304F-2)への増結が原則で上野寄はTNカプラーSPを採用している。
モハ3296リバイバル開運号仕様でもやらかしたがTNカプラーSP装着車は注意が必要だろう。




モハ3310(動力ユニット整備,3300形用ユニットカバー化)。

整備を終えモハ3310が竣工した。
基本組成編成の3304F-2は上野寄,成田寄ユニットとも3316F-3への増結が可能である。
そのためモハ3310+モハ3309は3304F-2の稼働に直接影響があるわけではない。
しかし現行色+KS-121(サックスブルー)の組合せは他に存在せず希少な存在になっている。
製品化にも至っておらず2両口ながら独自の雰囲気を持っているため痛みの目立つ車体を何とかしたい。

※車体更新済。

京成3300形モハ3303[3304F-1] 新赤電色 動力ユニット整備(駆動不調改善) ※中期整備施工車

2017-05-06 21:00:52 | 京成線:3300形
段付加速。

マイクロエース製京成形式で順次進めている動力ユニット整備は3300形系列に突入した。
最大勢力を誇る3300形で初入場を迎えるのは3304F新赤電色(3304F-1)となった。
現在でも製品には存在しない3300形新赤電色通常仕様(3304F,3312F)は貴重な戦力になっている。


京成3300形3304F 新赤電色。
3304F-1:[3304]-[3303]-[3302]-[3301]。

種車は3316F新赤電色クロスシート試作車(二代目)である。
当初から改番前提で導入したがプロトタイプは3304Fではなかった。
3316F新赤電色クロスシート試作車(3316F-1)は製品仕様のまま千葉線系統へ投入した。
しかし3316Fクロスシート試作車の4両編成運行が確認できず3316F-1は4+2編成化に迫られた。
3316Fへ増結された半ユニットは原則的にモハ3310+モハ3309(3312F半ユニット)だった。
更に資料を探ると2+4+2編成(モハ3312+モハ3311+3316F+モハ3310+モハ3309)で運行された実績もあると判明した。
そこで3316Fクロスシート試作車(二代目)全車を3312F新赤電色(3312F-1)へ改番,改装し出場させた。
なお回着整備時にモハ3314を電装解除し4T化している。


⇩ モハ3315→改番→モハ3311。

⇩ モハ3311→改番→モハ3303。

モハ3303 新赤電色(3304F-1)。

3312F-1は種車の[クロスシート試作車]ステッカー印刷をラプロス式で剥離した。
現在でも側扉脇の剥離痕が目立っている。
改番も簡易式を採用したため出来映えは余り良くなかった。
当初は3316Fの4+2編成化で満足していた。
ところが時間の経過とともに粗が気になり始めた。
改番が不要な3312F復活新赤電色(二代目)を種車に車体更新実施を決断した。
新3312F-1も4Tを引き継ぎ出場させている。
旧3312F-1は一旦保留車となり3300形系列増備に伴う部品転用の結果を待った。
都合良く動力ユニットを含むFS-361台車1編成分が揃い旧3312F-1は3304F-1へ再改番され現在に至っている。


入工中のモハ3302。

FS-361を履く動力ユニットは3304F現行色モハ3302の発生品である。
3300形系列では最新LOTに該当する。
しかしその調子は下降線を辿っていた。
徐々に段付加速が激しくなり現状では定速走行さえ維持出来なくなっている。
モハ3303の動力ユニット整備ではこの解消も目指す。
なお上野寄M1車のモハ3303へ動力ユニットを搭載したのは3308F現行色前期仕様との混結を実現するためである。
そのため3300形系列では珍しい奇数車両番号車が動力車になった。


外観は良好だった動力ユニット。

動力ユニットはモハ3302改番入場時に一応の清掃を施したらしい。
当時はまだ本格的に清掃整備を行う前だった。
モハ3296復活赤電色仕様(3298F-3)とほぼ同じ手順を踏む工程で留まっている。
ユニットカバーを外すと経年並の導電板状態を保っていた。
しかし表面には指紋が残り当時のマイクロエース製品らしさを感じさせる。
先ず指紋除去から着手した。
ところがクリーナー単体では全く歯が立たず早々にラプロス#4000に切り替えている。
最終的には高経年車と変わらない導電板磨きになった。


指紋が消えた導電板。

無事指紋を消去し終えクリーナーで拭き上げた。
クロスは真っ黒に変わり導電板の酸化が進み始めていたと思われる。
3304F現行色モハ3302,3344F現行色モハ3334出自の動力ユニットは軽微な清掃で留める計画だった。
モハ3303での結果を見ると外観に関わらず研磨を行った方が無難だと思われる。
導電板の清掃を終えFS-361動力台車の整備に移った。
改番入場では過剰純正グリスの除去を行ったのみである。


グリスに塗れたFS-361動力台車(上野寄)。

上野寄FS-361動力台車を分解するとギアボックス周りが純正グリスで光り輝いていた。
過剰グリス除去はギアボックス内壁に対して施したためギア類は回着当時のままである。
車輪を弾くと重いどころか引っ掛かりが生じた。
段付加速の原因はギアの噛み合いと見て間違いないだろう。


噛み合わせの悪い3ギア(上野寄)。

台車枠とギアボックスを分離し何処のギアが不具合を招いているか確認した。
するとギアボックスに装着されている3つのギアが上手く回転しなかった。
スパイラルギアからの入力はここで抑止が掛けられていたらしい。
滑らかに回転しない原因を切り分けなければならない。
取り敢えずギア類の純正グリスを除去し再度噛み合わせ試験を行うことにした。


クリーナー浸け中の3ギア。

ギアボックス内は純正グリスの量が夥しく当初からクリーナー浸けを選択した。
ギアを投入するとクリーナーは瞬く間に白濁化した。
さすがにこれだけ大量だと手に負えない。
ギアボックスはクリーナー量を節約するため綿棒を中心とした手作業での清掃を選んでいる。
これが大失敗でなかなかグリスが除去できず苦戦した。
ギア類の拭き上げを終えてもギアボックスの清掃終了は間に合わなかった。


清掃を終えたギアボックス(上野寄)。

ようやくギアボックスの清掃を終え3ギアを装着した。
ゆっくりと回転させたが引っ掛かりは全く生じない。
前後方向ともスムーズに動作し抵抗は感じられなかった。
先ず段付加速の第一要因は排除できたと思う。
しかし純正グリス除去はまだ終わらない。
FS-361台車枠と動軸ギアもクリーニングを行う。


手作業で清掃を施した動軸ギア。

動軸は分解可能だがギア同士の噛み合わせが変化する事を嫌い極細綿棒で純正グリスを除去した。
2軸ともグリス付着状況は同じで大量だった。
ギア山の谷は極細綿棒でも届かず適宜クリーナーを浸した歯ブラシで清掃している。
その結果クリーナー浸けの3ギアに近い状態まで持ち上げられた。


初回整備の効果が見られたスパイラルギア(上野寄)。

漸くFS-361動力台車を組み立てスパイラルギア部を確認した。
モハ3303の初回動力ユニット整備はモハ3296(3298F-3)より少々手数を増やしスパイラルギア周りの清掃を行っていた。
そのため状態は良く金属製ギアの変色も無い。
主ギアから付着したと思われる純正グリスを除去し上野寄FS-361動力台車関連の整備を終えた。


クリーナー浸けで清掃したギアボックス一式(成田寄)。

まだ成田寄FS-361動力台車の整備が残っている。
予めギア駆動を確認したが特に問題は生じなかった。
段付加速の原因は上野寄FS-361動力台車にあったらしい。
上野寄ではギアボックスだけ手作業で清掃したがこれを改め全てクリーナー浸けとした。
クリーナーの使用量は増えるものの部品の拭き上げだけで清掃を終えられる。
ここは上野寄で難儀した経過を鑑みて判断した。
全ての純正グリスが一気に除去できるため作業は一気に速くなった。
今後の整備では状態を見て採用の可否を下したい。


整備を終えたFS-361動力台車。

動軸ギア清掃は成田寄も手作業とした。
仕上げの歯ブラシ使用が効果的で純正グリスはその欠片も無くなっている。
時間こそ掛かるもののこれだけの結果を得られれば文句はない。
これからも歯ブラシに頼る機会が増えると思う。


注油を見送ったモーター。

大半を高経年車で占められる3200形系列ではモーター軸受部に注油を施してきた。
モハ3303の動力ユニットは比較的経年が浅くモーター軸の油脂固着確認だけで済ませている。
3300形系列では3304F現行色,3344F現行色LOTを境に注油は行わない方針とした。
もちろん個体差があるため異音等が生じている場合は適宜対応する。


整備が完了した動力ユニット。

清掃を終えた動力ユニットを組み立て津川洋行製ホイールクリーナーで車輪踏面清掃を行った。
低速での踏面清掃ではスムーズな動きに戻っている。
その後の試験走行でも不自然な挙動は生じず段付加速は収まった。
純正グリスの除去に手を焼いたが結果が出たためある程度の手応えを感じている。
3304F現行色,3344F現行色LOT動力ユニット使用車では同じ措置を施す必要があると思う。
時間の余裕を考えながら入場させたい。


妻面に[3315]が残るモハ3303。

モハ3303は快調さを取り戻し3304F-1が再出場した。
3304F-1は全車妻面に3316F時代の車両番号が残る。
今入場での印刷剥離を考えたが連結面で然程目立つ標記ではなく存置した。
種車の系譜を残す車両番号でもあり改番竣工車は全てこのままにしようと思う。

京成3300形モハ3342[3320F-1] 現行色 6両編成 後期仕様 動力ユニット整備(故障修繕) ※成田寄ギアボックス交換

2017-02-21 21:02:27 | 京成線:3300形
重傷。

マイクロエース製京成3300形現行色6両編成後期仕様(3320F-1)が走行中に急停車した。
モハ3320,モハ3341の前尾灯は点灯しており通電には問題無い。
急遽モハ3342(動力車)を入場させ復旧作業に入った。


京成3300形3320F 現行色 6両編成 後期仕様。
3320F-1:[3320]-[3319]-[3318]-[3317]+[3342]-[3341]。

マイクロエース製3300形の初陣に属する3320F-1は動力ユニット整備の機会を逃し続けてきた。
モハ3320,モハ3341のライト基板交換後に過剰なグリスの除去だけを行い本格的なメンテナンスは施していなかった。
この際に整備を行っていれば展開が変わっていたかもしれない。
その点が惜しまれるが故障してしまい手遅れになった。


モハ3342現行色6両編成後期仕様(3320F-1)。

走行中は異音も発せず順調に思えた。
急停止した後は全く動く気配がしない。
モーターの僅かな動きさえ無く通電していない様だった。
入場前の記録ではやや車体が傾いているのも気になる。
先ずは通電系統から切り分けを始めた。


入工中のモハ3342。

最初にモーターに電極を繋げ駆動試験を実施した。
ところがいくら電流を上げても回転しない。
せめて少しでも動いてくれれば良かったが平静を保ったままだった。
モーターに拘り続けても状況を打破できないため毎度の整備工程に移った。


比較的状態の良かった動力ユニット。

導電板は予想より酸化が進んでいない。
前回入場時には手を着けておらず回着当時からの状態を保っていた。
この程度なら通電に差し障りない。
今回の故障とは無関係という答が出た。
多少の曇りが出ておりラプロス#8000で研磨を行っている。
ラプロスは試験的に浅掛けとし3M製研磨フィルムによる仕上げは見送った。
3M製研磨フィルムは角度により導電板を傷付ける場合があり一時的に使用を見合わせる。


ユニバーサルジョイントを外して撤去したモーター。

FS-329D動力台車台車は過剰グリス除去実施済で分解整備は後回しにした。
不動の根本原因と思われるモーターの具合を確認する。
マイクロエース製動力ユニットのモーターはユニバーサルジョイントを外さないと台枠から撤去できない。
組立時に苦労するのは判っていたが今回ばかりは欠かせない工程になった。
指でモーターの回転軸を動かすとかなり重く感じられた。
反動を付け駆動試験を行えば弾みで動くかもしれない。
低電流では始動が難しいと考え初めから中電流程度に設定した。
電極を繋ぎ4回ほど人力でフライホイール部を回したところ勢い良くモーターが動き出した。
その後は低電流からでも始動するように変わった。


注油したモーター軸受部。

恐らく軸受部の摺動が悪く抵抗になっていたと思われる。
クリーナーで軸受部を清掃した後に微量の油を挿した。
再度駆動試験を行うと不動だったのが嘘のように回転する。
これで根本原因を突き止められたと思った。
しかし折り返しから躓いた。
予想通りユニバーサルジョイントを上手く噛み合わせられない。
ジョイント系の接合はどうも苦手で動力ユニット整備では出来るだけ手を着けたくなかった。
特にユニバーサルジョイントは必ず作業停滞の要因になってきた。
時間に余裕が無く痺れを切らし先に成田寄のユニバーサルジョイントを接合した。


何とか接合出来たユニバーサルジョイント(上野寄)。

上野寄のモーターは電極があり余り負荷を掛けられない。
そこで成田寄にユニバーサルジョイントを接合しモーターを斜めにしながら台枠内に滑り込ませた。
上野寄のユニバーサルジョイントは床下側からどうにか接合出来た。
この作業だけで20分近くを要するほど苦戦している。
ただ片側のユニバーサルジョイントだけ撤去すればモーターを外せるのが判ったのは収穫となった。


グリス除去の甘いFS-329D動力台車(上野寄)。

ようやくFS-329D動力台車の清掃に取り掛かれた。
過剰グリスの除去はかなり雑に行ったようで茶色に変色したグリスが目立っている。
ギア山の清掃を行うため完全分解した。
通電系統に疑いを持っており集電板は入念に磨いている。


清掃を終えた集電板。

ギアは1山毎にクリーナーを浸した極細綿棒でグリスを拭き上げた。
見た目以上にグリスが残っており大ギア,小ギア×2,車軸ギア×2とも大幅に時間を要した。
中途半端にグリス除去を行ったのは失敗だったらしい。
第二次整備に動力ユニット整備を工程化する前に竣工した車両は同様の施工を行ったものが存在する。
時間的余裕の無い時は先送りした方が無難だろう。


整備を終えたFS-329D動力台車(上野寄)。

上野寄動力台車の整備を終え成田寄FS-329D動力台車に移った。
台車を取り外したところ衝撃が走った。
本来集電板を貫通しているはずの側受が山側だけ失われていた。
車体傾斜の原因は成田寄ギアボックスにあった。
側受を折損し支持を失った台枠は沈下する。
台枠が3点支持になったため車体傾斜に繋がった。
折損した側受の欠片は線路上で発見したがこれを接着して強度を保つのは難しい。


山側の側受が折損していたギアボックス(成田寄)。

側受復旧の妙案も浮かばず予備動力ユニットから捻出するしか手段が無くなった。
有していた予備動力台車はFS-361とKS-131の2種類である。
先ずはFS-361のギアボックスを転用できるか採寸した。
しかしFS-329DとFS-361は全長が異なり使用不可と判明している。
KS-131動力台車は入手が難しく悩むところだったが緊急事態のため転用を決断した。


苦渋の選択になったKS-131動力台車供出。

参考までに現時点で京成3000系列最新リリースの3300形3304F,3344F現行色は各々で連結面間隔が異なっている。
3304Fの連結面間隔が広くなったのはFS-361動力台車の全長にあると判った。
3200形3240F現行色以来の設計を改めなかったためFS-361非動力台車もこれに合わせたらしい。
同時リリース製品で揃わない連結面間隔に疑問を抱いていたが氷解している。
ギアボックスを転用するKS-131動力台車はモハ3334現行色特急成田山号仕様(3344F-3)を出自とする。
当初3344F特急成田山号(3344F-5)はモハ3302(3304F-7)を電装解除しモハ3334を動力車にしていた。
3344F-5は原則的に成田方面行となるため後日モハ3303(3304F-7)を電装して牽引比率を変更した。
この際にモハ3333(→モハ3309:3304F-4)から捻出したKS-131非動力台車でモハ3334を電装解除している。
取って置きのKS-131動力台車をこの様な形で起用するのは少々残念ではある。


KS-131動力台車用ギアボックスに取付けたFS-329D動力台車用ギア。

KS-131動力台車から転用するのはギアボックスだけとした。
車輪を含めたギア類は磨耗度を考えFS-329D動力台車から流用する。
最近のマイクロエース製動力台車は台枠色に関わらず黒色成形のギアボックスが採用されている。
KS-131動力台車はこの変更後に該当し黒色成形のギアボックスを有していた。
ギアは流用都合により灰色成形品となったため如何にも急場凌ぎな色合いになっている。


見付の異なるFS-329D動力台車 (上野寄,成田寄)。

並べて見るとちぐはぐだが台枠に取り付ければギアボックスの差異は殆ど気にならなくなる。
ただKS-131動力台車が使用不能になったのは痛手でジャンク品の導入も視野に入れている。
FS-329Dを履く動力ユニットも確保したいが採用車両が少なく厳しいところである。




整備を終えた動力ユニット。

結果的に全部品を整備し直した。
状態は確実に上がったはずで期待して駆動試験を行った。
すると低速からスムーズに動き出してくれた。
不動の原因は台車側受とモーターの複合要因だったらしい。
KS-131動力台車を1台失ったのは大打撃だがモハ3342の復旧には代えられなかった。




モハ3342(動力ユニット整備,成田寄ギアボックス交換)。

車体を乗せると傾斜も収まっていた。
側受が折損し車体の平行を維持できなくなっていたが解消された。
外観上の問題も解消されモハ3342が竣工した。

なお折損した側受を瞬間接着剤でギアボックスに固定しKS-131動力台車を組み上げた。
駆動試験を行うとモハ3342故障時の様に全く動かない。
モーターそのものは駆動するため集電板位置のずれが通電支障を招くらしい。
ギアボックスの側受には重要な意味があった。
折損に至った経緯は不明だが取扱いには注意したい。

京成3300形モハ3309[3304F-4] 現行色 中期仕様 (元モハ3333[元3344F] 改番,種別表示器交換)

2016-06-25 21:14:34 | 京成線:3300形
千秋楽。

マイクロエース製京成3300形最後の保留車だった元モハ3333(元3344F)を入場させた。
製品仕様のKS-131非動力台車はモハ3334特急成田山号仕様(3344F-3)の非動力車化に転用した。
代わりにサックスブルー成形KS-121非動力台車を履かせたため1次車然としている。


京成3300形元モハ3333 (元3344F:サックスブルー成形KS-121非動力台車装着車)。

3次車から1次車へ変更されるが車体は同一であり改番が中心の作業になる。
行先方向幕は3200形3298F復活赤電色(3298F-3)の行先変更時に[津田沼]幕を貼付した。
後は運行番号表示器取付と種別表示器交換を残すだけだった。
しかも3304F現行色中期仕様(3304F-3)に合わせるため[B43 普通]表示が確定済みである。


入工中の元モハ3333。

先ず下廻りから整備に入った。
灰色成形KATOカプラーを取り付け運転台側はTNカプラーSP化した。
この出場では2両とになるが将来を考えTNダミーカプラーにはしていない。
元モハ3333でもどうにか捻出したTNカプラーSPを用いている。
連結面は黒色成形KATOカプラー化されていたがアダプターごと交換した。
カプラーアダプター:3300形発生品,KATOカプラー:3400形発生品を用いている。


カプラーアダプターを交換したKS-121非動力台車。

カプラーアダプターはサックスブルー成形KS-121非動力台車と不釣り合いに見える。
選択に迷いが生じたがKATOカプラー成形色に合わせている。
仮にサックスブルー成形カプラーアダプターにしても連結時には目立たず殆ど差は無いと言えよう。
ライトケースは現行LOT品でLEDチップの漏光が目立つ。
遮光はアルミテープを行先表示器用プリズム差込口に貼り付ける毎度の方法で3300形現行LOTでは定番化した。
行先表示器用プリズム先端の青色化と種別表示器用プリズムへのタックラベル貼付も点灯機構を持つ3300形先頭車両共通仕様である。
今後3200形,3300形のリリースがどうなるか判らないがライトケース漏光は是非とも改善して欲しい。


遮光,減光処理を終えた現行LOTライトユニット。

ここで一度車体を組立て車両番号剥離を行う。
組み立てるのは剛性を高めるのが目的で不用意に車体を傷付けることを防止している。
印刷剥離は爪楊枝式とした。
これまで何度も改番を行ってきたため力加減が判るようになった。
銀粉を残さず跡形もなく[3333],[モハ3333]は消え去っている。


車両番号を剥離した元モハ3333

新旧共に残り少なくなった京成車用インレタで余り余裕が無い。
この日は元モハ3333の入場だけで時間が確保できたため慎重に作業が行えた。
転写位置が狭隘な前面車両番号から転写を開始した。
残り最後の[3309]を転写し[3309]を組み合わせる。
[3309]は無難に終えたが[3309]には大苦戦した。
通過標識灯下部に掛かる都合で転写位置が限られる。
やや型崩れしたが[3309]が残1になってしまい妥協した。


[[モハ330][9]]:山側。

側面は[モハ330]+[9]としたが前面を終えた後だけに数段楽に感じた。
インレタ残数都合で山側のみ同一シートから転写している。
珍しく均一に見えるのは新旧混合にしなかったからだろう。
海側は[モハ3309]が新インレタ,[モハ3309]が旧インレタになっている。
旧インレタは殆どの標記を使い切りこれでお役御免になった。
改番という山を乗り越え種別表示器窓セル撤去に移った。
これまで個体差に悩まされてきた種別表示器だがモハ3309は押し込むだけで取り外せた。
貫通扉内側に接着剤跡が残らず最終入場車は苦しまずに済んでいる。
ライトユニットとの隙間が殆ど無く種別表示器窓セルを溶着する必要は無いと思う。


種別表示器窓セルを撤去したモハ3309。

英字無併記[普通]種別幕ステッカーは3304F-3に揃え富士川車輌工業製とした。
3300形の英字無併記[普通]種別幕はマイクロエース製と富士川車輌工業製が混在している。
今の所急いて統一する予定は無いがこれも今後のリリース次第で変わってくる。
新たに英字無併記[普通]種別幕が含まれる富士川車輌工業製ステッカーが必要になれば交換するだろう。
運行番号表示器の[B43]表示は自作ステッカーである。
切り出しに失敗し一回り小さくなってしまった。
まだ[B43]は残っていたが印刷都合で色合いが異なっていたため周囲の白枠はプラ板を露出させ再現した。


モハ3309 [B43 普通 津田沼]:改番,運行番号表示器追設,種別表示器交換施工。

オーバースケールだが運行番号表示器の存在感が増した。
周囲の白枠は印刷よりプラ板に頼った方が良かったかもしれない。
今更気付いても手遅れでモハ3309だけの再現方式になる。
[3309]はアクティブシルバー地に銀文字の組合せが低水準の転写を誤魔化してくれたと思う。
特に[3309]は通過標識灯の陰になり車両デザインに助けられている。


モハ3309 点灯試験[B43 普通 津田沼]:ライトケース漏光対策施工。

モハ3309では3300形の一部で見られた前照灯照度低下は生じていない。
現行LOTライトケースへの遮光対策はこれだけの効果を得られれば小細工だけで十分だと思える。
種別幕は富士川車輌工業製ステッカーのお陰ではっきり視認できる。
実際には問題ないがマイクロエース製ステッカーでは記録すると飛んでしまう。
もちろん種別表示器減光も効果があると思う。




モハ3309現行色中期仕様(3304F-4:元モハ3333 改番)。

元モハ3333はモハ3309(3304F-4)に改められ竣工した。
回着当初はモハ3305現行色前期仕様(3308F)にする計画だった。
しかし五代目3304F(→3308F現行色前期仕様)の譲受で長らく保留車になった。
捻出される部品がどうなるか混乱し宙に浮いた時期もあったが何とか収束に至っている。


モハ3310+モハ3309 (3304F-4:旧モハ3306+元モハ3333)。

モハ3335現行色暫定8両貫通編成仕様(3320F-2)の車体更新をきっかけに余剰車が発生した。
この際セットバラし品を確保したのは良い判断だったと言えよう。
モハ3310+モハ3309(3304F-4)は半ユニットでの出場となるが3300形最終竣工車に相応しいと思う。

京成3300形モハ3310[3304F-4] 現行色 中期仕様 (旧モハ3306 改番,電装:動力車化,[K'SEI]CIマーク転写)

2016-06-24 21:19:09 | 京成線:3300形
折衷。

マイクロエース製京成3300形は半ユニットが保留車になっていた。
復帰させるため旧モハ3306+元モハ3333で1次車成田寄ユニットを製作する。


京成3300形旧モハ3306 現行色 前期仕様。

3308F現行色前期仕様組成でモハ3306が重複し旧モハ3306は保留車に廻った。
元モハ3333回着でユニットが組めるようになり成田寄M1車のまま復活させる。
現状は非動力車だが3304F現行色中期仕様(3304F-3)との併結を原則とするため動力車化が必要になった。
3304F-3は4Tで自走が出来ず3316F現行色中期仕様(3316F-3)と併結させている。
3316F-3を4両編成で走行させると運休になってしまうがそれも解消に至る。


入工中の旧モハ3306。

動力ユニットはモハ3303から捻出されたモハ3314新赤電色クロスシート試作車用を用いた。
二代目3312F新赤電色組成時に捻出されたもので回着後の走行は試走させた僅かな距離に留まっていた。
問題は動力ユニットカバーがセミクロスシート仕様になっていることだった。
リブを切除しても良かったが台車整備だけで済ませていたため導電板の状態が芳しくない。
そこで3200形モハ3210から捻出された整備済の動力ユニットカバーと交換する。


3200形用動力ユニットカバー,モハ3314クロスシート試作車用動力ユニット。

ユニットカバーの嵌合爪位置に変更は無く流用が可能だった。
念のため台車状態を確認したところ先の整備により綺麗な状態を保っていた。
カプラーアダプターは上野寄を撤去,成田寄を3300形発生品に交換している。
成田寄カプラーアダプターはKATOカプラー化済のグレーを再用した。


KS-121動力台車(上野寄,成田寄)。

サックスブルーのKS-121を履く動力ユニットは1つしかなく貴重な戦力になった。
これで予備の動力ユニットはKS-131,FS-361擬の2台に変わっている。
組み立てた動力ユニットの試走をしたが異音等は無く至ってスムーズだった。
駆動に問題ない事を確認し上野寄にTNカプラーSPを取り付けた。
このTNカプラーSPは何とか遣り繰りしたもので早急に予備品を確保したい。


ロングシート化された動力ユニット。

続いて車体の細工に入る。
旧モハ3306は元モハ3335が種車で貫通扉を設けていたためこれを撤去した。
貫通扉は供出元の元モハ3239へ装着し予備品へ廻った。
[モハ3306]は全て除去し新たに転写し直す。
なお妻面の車両番号は[3318]のままでその出自を物語っている。


貫通扉撤去,車両番号除去を行った元モハ3306。

車体組立後の難関は[K'SEI]CIマークの転写である。
3600形3618F芝山色で使用したCIマークインレタは予想より失敗回数が少なく元モハ3306用を確保できた。
旧モハ3306入工中にメーカー印刷の[K'SEI]CIマークを剥がしたが無駄な工程だった。
この時は3308F現行色前期仕様をプロトタイプと定めていたためだが勿体ないことをした。
苦手なインレタ転写を自ら増やすとは思いもしなかった。

[K'SEI]CIマーク印刷剥離時に荒れた塗装被膜を誤魔化すため戸袋吹寄は消しゴムで均してあった。
そのため元モハ3306は特に下処理をせず転写を行っている。
やはり消しゴムの効果があるようで両側とも一発で転写を終えた。
3600形3618F芝山色で成功が続いたのは奇跡ではなく消しゴムのお陰だったらしい。


復活した[K'SEI]CIマーク:ジオマトリックス製インレタ。

続いて車両番号を転写する。
車両番号は最後までモハ3310かモハ3314かで悩んだ。
モハ3314+モハ3313であれば組文字インレタが使用できる。
しかし3316F-3が出場しておりKS-121の台車色違いだけになるのが弱点だった。
最終的に所属する3300形現行色グループで欠番になっているモハ3310を選択した。

海側は埃混入に気付かず車体を磨いて塗装が剥離した箇所に被る。
固定用のセロハンテープを貼付する猶予が無くシートから切り出さずに転写している。
組合せは[モハ331]+[0]でLOTの違うインレタとなった。
バラ数字を早めに使い切るため古インレタを用いたが側面帯簡易補修の方が目立ち余り気にならない。


帯の乱れが激しいモハ3310。

山側も同様に転写し全工程を終えた。
二代目モハ3318はモハ3335,モハ3306を経てモハ3310に辿り着いた。
予備品を考えるとモハ3310で落ち着くはずである。


⇩モハ3318→電装解除。

⇩モハ3318→改番,方転,貫通扉取付。

⇩モハ3335→改番,再方転,FS-361化,[K'SEI]CIマーク剥離。

⇩モハ3306→改番,電装,KS-121化,貫通扉撤去,[K'SEI]CIマーク転写。

モハ3310現行色中期仕様(3304F-1)。

入出場を繰り返したため靴摺の銀色は剥がれかかり一部車側灯は色が失われている。
かなり痛みを進行させてしまった車体だが3304F-4の自走には欠かせない車両である。
これ以上状態を悪くしないよう気を付けたい。


モハ3301+モハ3310 (3304F-4)。

サックスブルーの台車とグレーのカプラーの組合せは3150形3162F現行色晩年仕様以来である。
3300形は各年代を出場させてきたがこの仕様は初登場になった。
部品都合もあったが3304F-3との併結が条件のためカプラーはグレーとした。
3300形最終出場の半ユニットが少々癖のある折衷仕様となるのは自分らしいと思う。

※車体更新済。

京成3300形モハ3304[3304F-4] 現行色 中期仕様 (モハ3304 種別表示器交換)

2016-05-25 21:14:41 | 京成線:3300形
原番号。

マイクロエース製京成3300形保留車再生第二弾はモハ3304である。
四代目3304Fはモハ3335車体更新とM1車用部品確保が目的で回着した。
余剰車は3308F(2両口)化を目指して元モハ3335をモハ3306へ改番しモハ3304は方転の上モハ3305とする予定だった。


京成3300形モハ3304 現行色:四代目。

その後M2車方転防止と編成化を狙いモハ3343,モハ3333が回着し元モハ3335を方転しモハ3306へ改番した。
この間3304F現行色(五代目)が回着し3308F化されたため編成化計画は旧モハ3306が竣工したところで御破算になった。
更に保留車同士での編成化が不可能になり予定を再変更しモハ3304のまま竣工させる。


入工中のモハ3304。

最近回着した3300形入場は大半が印刷剥離を伴っていた。
しかし四代目モハ3304は標準化だけで済むためやや拍子抜けする。
下廻りは先頭部TNカプラーSP化と連結面KATOカプラー化といつも通りである。
KATOカプラーは3400形3408Fの発生品を使用している。
車体への細工は種別表示器交換と運行番号表示器取付である。
幸いにして種別表示器の撤去は貫通扉を外さずに終えられた。


撤去した種別表示器窓セル。

押し出すだけでは外れなかったがこれは予想通りだった。
貫通扉内側から種別表示器の周囲にデザインナイフを挿し込む。
ガチガチに固められている個体が多い3304F,3344Fでは破砕する事もあった。
しかしモハ3304は刃先が深く入り容易に取り外せると判った。
左右,底辺に切り込みを入れ貫通扉表側から押し出すと原形を保ったまま種別表示器が脱落した。
これも拍子抜けした点である。

種別幕は富士川車輌工業製の[普通]とした。
3316F現行色中期仕様(3316F-3)への増結でモハ3301を富士川車輌工業製[普通]幕としたためこれに倣っている。
運行番号も[B43]で印刷済の自作ステッカーから切り出した。
なお[津田沼]は3200形3298F復活赤電色行先変更時に貼附している。

ライトケースは新型で行先表示器用LEDが収まる立ち上がり部分から漏光が目立つ。
こちらもケース内にアルミテープを貼り付け簡易遮光を施した。
種別表示器用プリズムにはタックラベルを貼附し減光させている。


[普通]:富士川車輌工業製ステッカー。

車体を組み上げ点灯試験を行った。
遮光・減光方式は安定域に入っており最早心配ない。


モハ3304 点灯試験[B43 普通 津田沼]:前照灯。


モハ3304 点灯試験[B43 普通 津田沼]:尾灯。

尾灯点灯時に前照灯が僅かに光るのは仕様である。
コスト都合があるだろうが蒸着処理廃止は痛い点だった。
今更戻されても困るが何とかならなかったのだろうか。




モハ3304現行色中期仕様。

側面見附は入場前と全く変わりないままモハ3304が竣工した。
3600形の様に側面行先表示器基準幕化が不要で助かると言えば助かる。
細工点が少なく物足りなく感じるのは感覚が狂っているのかもしれない。


モハ3304+モハ3303 (KATOカプラー)。

モハ3303+モハ3302とは異なりKATOカプラーを使用している。
そのためモハ3304+モハ3303の連結面間隔は広くなり編成単位では不均等になった。
6両編成対応化した3300形全編成で見られる現状であるが今の所は変更する計画は無い。
SPフレームTNダミーカプラーが増え6両編成未対応の先頭車からTNカプラーSPが捻出されれば考える事にする。


ユニット分割は未対応の3316F現行色中期仕様 (モハ3315+モハ3304)。

3304Fは4Tで動力源を他ユニットに頼る。
そのため3316F-3は3304F現行色中期仕様を分割し4+2編成,2+4編成が組めバリエーションが増えている。
3304F現行色を基本とした4+2編成は保留車の旧モハ3306+元モハ3333で実現させる予定である。
但し上野寄半ユニットが存在しないため2+4編成は組めない。
場合によっては3316F-3の動力車をモハ3315に変更しユニット分割対応化するかもしれない。