Dr.mimaが医原病を斬る!

C型肝炎の解決を目指し、国の責任を追及するため闘っています。

肝がん白書

2015年02月28日 07時00分00秒 | その他
1999年「肝がん白書」日本肝臓学会から出版されたものである。
 今から20年前にまとめたれたもので、年齢については20年を加算する必要がある。
このなかで広島大学の吉澤浩司は「肝炎ウイルスキャリアの動向」について報告している。
1995年4月から1996年の1年間に献血した初回献血した272,343人を抽出し、その集団内におけるHBs抗原陽性率をまとめたものである。
HBs抗原陽性率は全体では0,67%と低い値を示しているが、これは初回献血者が抽出したことから、HBs抗原陽性率の低い30歳未満の献血者数が多数を占めていることによるものである。年齢階級別にわけてみると、HBs抗原陽性率は40歳代では1,46%と依然高い値を示し、40歳未満の若い年齢層でようやく1.0%を下回ることが解る。
これを地区別に整理してみると、各地区において整理してみると、各地区ともに40歳代において高い値を示し、特に北海道では40歳代の年齢層におけるHBs抗原陽性率が他の地区に比してきわだって高い値を示す点が注目される(図1)。
HCV抗体は同一の献血者集団におけるHCV抗体陽性率をまとめたものである。HCV抗体陽性率は全体で0.56%と、低い値を示しているが、40歳以上年齢層では1.29%、50歳以上からの年齢では2.54%と高い値を示している。これを地区別に整理してみると、福岡、広島・岡山、大阪地区の50代できわだって高い値を示しているのに対して、20歳未満の若い年齢層では、すべての地区において低い値を示すにとどまっている(図2)。
B型肝炎ウイルスの感染は、集団予防接種による皮下、皮内接種であることは医学的にも社会にも決着がついた問題である(B型肝炎訴訟)。
ではなぜ北海道にB型肝炎ウイルスキャリアが多いかというと、医療過疎のなかで保健婦が保健所(国)のいうとおり全道各地で予防接種を徹底して行ったためである。
また九州の福岡、佐賀、広島でHCV抗体(C型肝炎ウイルス)の保有者が多いのか?
この答えは簡単である。
寄生虫病予防法(法律第56号)下で日本住血吸虫症の患者に対して、研究所、保健所や医師会が何の疑問もなく、ガラスの注射器、ステンレスの針を使い回した結果である。
日本住血吸虫症ばかりではなく、一般の患者にも注射器や針の使い回しが行われたと考えるのが自然である。
1995年度の全献血者について検討すると、北海道のHBs抗原陽性率と福岡・佐賀の肝がん多発地域を比較すると北海道が有意に高い(<0.01)。
HCV抗体陽性率は福岡・佐賀が北海道より、有意に高い値を示す)(<0.01)。
厚生労働省は由仁・三川のC型肝炎訴訟で、注射器の使い回しをしていた医院群とその他の医院群ではHBc抗体でみるとかわらないのに、HCV抗体は違うのが可笑しいといってきた。
B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染経路は違うのである。
答えは肝がん白書(1995年)および私どもの統計をみても明らかである。





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HBVゲノタイプ (B型肝炎ウイルス遺伝子)

2015年02月27日 08時00分39秒 | B型肝炎訴訟
B型肝炎ウイルスは1968(昭和43)年に発見されたウイルスで現在世界の4億人に持続感染していると考えられています。
HBVはその遺伝子配列の違いにより8つの遺伝子型(ジェノタイプA、B、C、D、E、G、F、H)に分けられる。日本でみられるジェノタイプはA、B、C、Dの4種がほとんどで、その他の遺伝型は希です。
特に、日本におけるHBV持続感染者(HBVキャリアー)では、ジェノタイプB(85%)が最も多く、次いでジェノタイプC(12%)とA(2%)が見られます。
ジェノタイプAは欧米型・アジアアフリカ型のタイプで海外旅行時の性感染が原因でおこるもので、成人になってもB型肝炎ウイルスのキャリアになるという特徴があります。
しかし急性肝炎になっても劇症肝炎になることはありません。
ジェノタイプB、Cはセックスなどでも感染しますが、成人では急性肝炎で終わるか、時には劇症肝炎になります。ところがB型肝炎ウイルスキャリアになることはありません。
このため今回のB型肝炎訴訟(集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスキャリアになった)ではB型肝炎ウイルスのジェノタイプを調べることになったのです。
最近珍しい原告の親子に会う機会がありましたので報告します。
原告は66才女性HBs抗原陽性、HBV―DNA(タックマン法)3.7Lc/ml、祖母は88才、HBs抗原陰性、HBc抗体低力価で母児間感染は否定できました。
ところが息子(38才)、娘(36才)もB型肝炎ウイルスキャリアであるという。
調べて見ると息子はHBs抗原陽性、HBV-DNA3.5Lc/mlで軽度の肝機能障害があり、肝生検では慢性肝炎の所見(F1A1)でした。
娘はHBs抗体陰性、HBc抗体高力価でB型肝炎キャリアと診断しました。
母と息子は母児感染と考え矛盾はありませんでしたが、あえてジェノタイプも調べてみました。
結果は母のジェノタイプはBで、息子の方はCでした。
同時に行ったB型肝炎ウイルス(HBV)の分子系統樹解析では当然「感染の因果関係なし」という結論でした。
つまり息子は母児間感染ではなく、息子もまた集団予防接種による感染と考えられました。



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集団予防接種で肝がん -その根拠は?-

2015年02月26日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
彼の場合、両親は既に他界し、6人「きょうだい」でしたが、3人は亡くなっていました。
2015(平成27)年1月16日直近の姉(74歳)のB型肝炎ウイルス関連検査をしましたが、姉(表1)はB型肝炎ウイルスには暴露されていませんでした(B型肝炎ウイルスに感染したことすらありませんでした)。
同日本人の血液検査もしましたがB型肝炎ウイルスキャリアでした(表2)。
B型肝炎訴訟はB型肝炎ウイルスキャリアの定義が曖昧なまま進行していますが、彼の場合は完璧に原告の条件を満たしています。




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本間研一先生とお会いしてきました

2015年02月25日 15時18分05秒 | 由仁・三川C型肝炎訴訟
本日午後札幌花園病院理事長、元北大医学部医学部長、本間研一先生とお会いしてきました。
由仁・三川C型肝炎訴訟についてはよく理解していただきました。



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集団予防接種で肝がん

2015年02月25日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
69歳 男性
昔からの知り合いでアルコール性肝障害、糖尿病の病名がついていました。
診察室で会うのは久ぶりでした。
初診日は2013(平成25)年2月12日でこの時のUS(腹部)およびCT(ダイナミック)では異常はなかった。
ところがHBc抗体(コウリキカ)でB型肝炎ウイルスのキャリアと診断した。
右上腕には不正形の空豆(そらまめ)大とえんどう豆大の2ヶ所のBCG瘢痕と左上腕には大豆大の種痘痕を認めた。
その1年過ぎて2014(平成26)年3月6日久ぶりにUS(腹部)およびCT(ダイナミック)を行った(写真1、写真2)。
右後上下区域にΦ30×27mmの腫瘤を認めた。
典型的な肝がんとは言えなかったし、腫瘍マーカーも正常であった。
本人重粒子治療を希望したが、大腸癌もあったため、大腸癌の内視鏡切除のあと、結局5月19日外科的切除(写真3)となった。
肝がんは中~高分化型肝細胞癌でした。
団塊の世代はB型肝がん発生年齢ですので、HBs抗原陰性でも、必ずHBc抗体の検査も受けて下さい。 






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とある保健婦の証言 -追記-

2015年02月24日 08時46分00秒 | 意見陳述
(追記)とある保健婦の記載した、ランセット(メス)、ペトリ皿の正面像と側面像



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B型肝炎訴訟コーナー新設(再掲)

2015年02月23日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
第2次訴訟には今まで関わってきませんでしたが、今後はB型肝炎キャリアとは何かという観点から、積極的に参加することにしました。
本人は勿論、知人がB型肝炎でお悩みの方の相談にのります。ブログのコメントに投稿して下さい。


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とある保健婦の証言 -18-

2015年02月23日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
現実には、あなたが長年にわたって予防接種で連続使用をやってきたわけですけれども、御自分がやられたことと、B型肝炎とかC型肝炎の感染経路の1つとして予防接種の針とか筒の連続使用が挙げられていることについて、何か考えておられることがありますか。
 はい、あります。

どういうことですか。
 病気を防ぐためには、予防接種を多くの人に安全にしなくてはならないというふうに思いまして、それをするために一生懸命やってきたにもかかわらず、自分が無知だったために、こんなに蔓延しちゃったために、自分もその中に1つ加担しているということは、それも原因だというふうに伺ったときには、何て言っていいか分からない気持ちになりました。私は、北大病院で看護婦の実習とかいたしまして、そのときには、本当に厳格に1針1筒、隣の人に同じ針で注射をするなんてできないような中で実習をさせてもらったにもかかわらず、なぜ予防接種だったら連続していいと思っていたのかということを、本当に自分を責めたいというか、そういう気持ちがあります。それが1つと、もう1つは、保健所が1言指導してくれると、やり方は全部変えられるということがありまして、予防接種の具体的な実施の指導の責任ある保健所が、予防接種に関して実態をしっていながら、ほとんど関与されなかったということについて、本当に残念だったなと思うんです。管針について、1人1管を守れというふうに言われたのも、これは結核の予防接種だから保健所が関与されたのかなと後で思うんですけれども、予防接種全般に関して、保健所はほとんど関心を持っていただけなかったということが残念だなというふうに今になって思います。

保健所のことを言われましたけれども、厚生省とか国の立場でも、やっぱりあなたが今言ったような、予防接種のやり方について、もっと規則に従ったような指導をしてもらったら、こんなことにはならなかったんじゃないかというお考えですか。
 はい。私は、厚生省とか国とか道の具体的な指導というか、現場の実施機関が保健所だと思いますので、保健所がやってくれたらよかったというふうに思っております。


以上でとある保健婦の証言は終了になります。

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とある保健婦の証言 -17-

2015年02月22日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
そのとき、これをこういう病気が感染するとか、こういう疾患が感染するんですよということは具体的に言われましたか。
 具体的に覚えていないんです。

例えば、B型肝炎だとか。
 それは、ありません。

それは、言われたことはない。
 はい。

BCGについては、厳密に1人1個でやるようになったわけですね。
 そうです。

そのときに、証人は、ほかの予防接種について、その方法を何か変えるとか変えないとかということについて考えたことがありませんか。
 考えました。

何を考えましたか。
 先ほども言いましたけれども、感染から受診者を守るということは、細菌感染をさせないことだというふうに思っていて、アルコールでふけば大丈夫だというふうに思っていたところが、根本的にそうじゃなくて、血液を通してウイルス感染というようなものが起こるのだということであれば、管針じゃなくても、注射針でも同じではないかということで、そんなに危険なものであれば、私たちの実施している1針で連続使用というのもやめるべきではないかというふうに思いました。

それで、そのときに、予防接種実施規則なんかを見られたことがあるということなんですか。
 そのときも、よく見ませんでした。きちんとは。本当に恥ずかしいと思います。

そういうふうに考えて、あなたは、どうされましたか。
 まず、そのことを役場の内部で提案いたしました。

どういうふうにしようというふうに提案したんですか。
 昭和54、5年になりますと、それまで、ガラスの注射管を自分たちできちんと煮沸消毒をして現地へ持っていっ
たんですけれども、ディスポーザブルの注射筒が出回ってきておりまして、注射筒はそれを使っておりましたけれども、針も1人1針にしようということで。針だけは自分たちでたくさん消毒をしていって、現地で人数分注射筒に針を付けて、ワクチンを詰めて、接種しようということにしたんです。

そうすると、例えば、150人が予防接種をするということになれば、ディスポーザブルの注射筒を150個用意する、針も150個用意する、針は捨てないで、終わったら外してもう1回消毒して使うけれども、ともかく針と筒は1人1個というふうにしようと、そういう提案なんですね。
 そうです。

そういう提案をして、すぐ実現できましたか。
 いえ、すぐは、なかなかできませんでした。

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とある保健婦の証言 -16-

2015年02月21日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
昭和52年に早来に行ってから、BCGの接種について保健所から何か指導が来たということはありますか。
 はい。52年ではなくて、もう少しの昭和53、4年だと思いますが、以前は注射器で皮内に注射しておりましたBCGが、管針と言うんですが、スタンプに変わったんです。管針に変わったのはもう少し早いですけれども、54年くらいに保健所に来られた担当の予防課長から、連続で管針を使ってはいけません。絶対いけませんと、1人に1管で接種してくださいということを強硬に指導された記憶があります。初めて指導されたというんで、強烈に覚えているんですが。

管針を使って、どういうふうにBCGを接種するのかちょっと説明してもらえますか。まず消毒して、ワクチンを塗っちゃうわけですか。
 種痘の場合と同じなんですけれども、生ワクチンですので、皮膚をよく乾かしたところに溶かしたBCG液をスポイトで落としまして、皮膚の麺によく塗り付けて、直径2センチちょっと切れるくらいのものに9本の針の付いている管で2個圧迫をして、その針の穴からワクチンが体内に入るようにするということです。

検甲第4号証を示す

BCG経皮接種用管針というふうに書いてありますが、今言われた管針というのは、検甲第4号証ですか。
 はい、そうです。

中に細かい針が付いていますね。
 はい。

これを押すわけですか。
 強く押すんです。

そうすると、ワクチンが皮膚の中に入ると。それで接種を行うということなんですね。
 はい。

これを、1人1個を厳密に守れということですか。
 そうです。

それ以前は、この管針をどんなふうに使っていたんですか。連続して使っていたんですか。
 連続して使っていることもありました。厳密に1人1個というのを守ってなかったんです。

それで、厳しく指導されたということなんですね。
 そうです。

そのとき言われた1人1個を厳密に守れというのは、どういうことだから厳密にやれというふうに
言われたんですか。
 針を通して、前の子供から次の子供へ感染すると言うんですね。

だから、1人1個を厳密に守れということですか。
 はい。



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