Dr.mimaが医原病を斬る!

C型肝炎の解決を目指し、国の責任を追及するため闘っています。

B型肝炎訴訟判決骨子

2015年02月04日 07時00分00秒 | B型肝炎訴訟
B型肝炎は針も注射器も換えない集団予防接種で拡がったとして、5人の原告(母子手帳のある)を立て、1988(平成元)年6月30日札幌地裁に提訴した民事裁判である。

札幌地方裁判所の判決骨子
2002(平成14)年3月22日
判決の抜粋
主文
原告らの請求をいずれも棄却する。

判決理由(要約)
原告らのB型肝炎ウイルス感染について注射針が連続使用なされた本件各集団予防接種が相当重要な要因であることは否定しがたい。しかし厚生省証人吉澤浩司の「B型肝炎ウイルスの感染力の強さからみて、想像を越える感染経路が存在しうることから、医学的に解明できた例は少なく、多くの場合その感染経路は不明である。」という証言から、集団接種と原告各々の個別的な因果関係まで直接証明するものではない。

札幌高等裁判所
2004(平成16)年1月16日
判決の抜粋
主文(一部抜粋)
1.原判決中、控訴人木村伸一、同亀田谷和徳はおよび亡佐藤直幸訴訟継続人らに関する部分を変更する。
2.控訴人○○及び杉本裕一は、本件各訴訟をいずれも棄却する。

判決理由(要約)
訴訟の因果関係の証明は、自然科学的なものではなく、訴訟上、提出された全証拠を経験則に照らして総合的に検討し、その上で、ある特定の事実(本件でいえば集団予防接種における連続的な注射器の使用)が、ある特定の結果発生(B型肝炎ウイルスの感染)を招来したという関係を是認し得るだけの蓋然性を証明することである。そして、その判断は、通常人が疑いを差し挟まない確信を持ちうるものであることを必要とし、かつそれでたり得るものである。
本件については控訴人らが証明すべき程度は必ずしも高度の蓋然性にまで至る必要はなく、相当程度の蓋然性についての立証で足りる。家族内感染、その他の医療行為による感染を除外できるので、控訴人らは0歳から6歳ころまでの間に各集団予防接種を受けているが、当時の集団予防接種においては、いずれも同一の注射器(針・筒)などの接種器具が連続して使用されていた。以上から控訴人らはいずれも、本件各集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染したことが明らかである。
被控訴人(国)は、本件各集団予防接種において、注射器の針を交換しない場合はもちろんのこと、針を交換しても肝炎の病原に感染させる可能性があったことを認識し、又は、認識することが十分に可能で、かつ、本件集団予防接種を実施するに当たっては、注射器(針及び筒)の一人ごとの交換又は徹底した消毒の励行等を各実施機関に指導してB型肝炎ウイルス感染を未然に防止すべき義務があったにもかかわらず、これを怠った過失が認められる。
したがって、被控訴人は、本件予防接種によって発生した損害について、国家賠償法1条に基づく賠償責任を負うと解するのが相当である。
当裁判所は、民法724条後段について、これを期間20年の除斥期間の定めであると解する(杉本祐一と○○の棄却理由)。

最高裁判所の判決骨子
2006(平成18)年6月16日
主文
1. 原判決のうち平成16年(受)第672号上告人らに関する部分を変更する。
2. 平成16年(受)673号上告人(国)の上告を棄却する。

最高裁判所の判決理由(要約)
基本的に札幌高裁の判決を踏襲し、上告人らが集団予防接種の注射器等の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染した蓋然性が高いというべきであり、経験則上、本件集団予防接種等と原告木村らの感染との間の因果関係を肯定するのが相当である。
また高裁が除斥期間を理由に排除した、原告2名に対しては、除斥期間の起算点は、加害行為(本件集団予防接種等)の時ではなく、損害の発生(B型肝炎発症)の時というべきであり、除斥期間は適応されず、2名にたいする損害賠償の責任はある。国の主張は棄却する。

(注)児童福祉法は、1947(昭和22)年12月12日(法律第164号)にでき、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定めた日本の法律である。これに基づき1948(昭和23)年4月母子手帳の交付・普及が各地で始まった。
昭和23年以前に生まれた方は母子手帳はありません。



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