樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

ごめんなさい。学者さんはやっぱりすごかった。

2007-09-29 | 壊れかけてる森林
素人なので 知らない言葉が出てきたら それを検索してと…という事を繰り返しておりますが、最近 おかげさまでかなり核心に近い「検索」がひっかかるようになってきた。

なにせ 杉・桧が枯れてきたら死活問題だ。
政財界がなんと言おうと、自分たちの山を守らなくちゃ
おいしいお酒も飲めなくなる。

先日、びわ湖沿いを走っていて こんな光景が目に入ってきた。

松や広葉樹が枯れて、たぶん根っこが弱って雨に絶えられなくなって土砂くずれを起こしたのだろう。
皮肉な事に、増えすぎてやっかいものになっている竹が その崩落を止めている。

これ位の崩落は、まーよくおこるらしけれど 山全体が枯れてしまったら こんなもんじゃすまない。ブルッ。おそろしい。

このまま、鈴鹿の山をほったらかしにしておいたら うちの実家はぺちゃんこだろうし 下流の人たちにもひどい被害が出るのは 容易に想像できる。

これはもう 林野庁じゃなくて 国交省の仕事だな。

て 事で いっぱい植わっている「杉」が枯れたら お酒どころか命があぶないので 今日は「杉 梢端枯損」を検索してみた。

すると ちゃーんと 大気汚染と森林衰退の関係について 全国各地をたくさんの大学が協力して一大プロジェクトを作って研究して頂いているではないか。

広島大学 森林衰退研究センター 

広島大学をはじめ、神奈川大学 東京農大 名古屋大 熊本県立大 等 すごい人数の方が取組まれている。

瀬戸内海沿岸山林研究グループ
丹沢・大山研究グループ
乗鞍岳研究グループ
九州山岳地域研究グループ

乗鞍は 大学の頃てっぺんで夏休みにバイトをしていたのでとても 気になる。
数年前 スカイラインが車で通れなくなった。
たぶん この研究の成果が後押ししていると思う。

九州では、日本からの排出の影響がない屋久島の被害を調べる事で大陸由縁の大気汚染を調べられている。

こんな文章があった。

従来の森林衰退対策上の問題と改善の方向:
従来の森林衰退の対策は、主に病害虫の対策に限定されていた。しかしながら、本研究によって近年の大気汚染物質がアカマツ個体の物質生産に影響を及ぼし、結果として個体の衰弱を引き起こすことが総合的に解明され、慢性化する大気汚染の影響の重要性を指摘した。また、これらの成果は、森林管理や病虫害抑制のための農薬散布の実施形態を再検討するとともに,主に自動車から排出される窒素酸化物を中心とした汚染物質の排出規制に対する施策を早急に具体化することが望まれる。

戦略的基礎研究推進事業 研究領域
「環境低負荷型の社会システム」
研究課題「森林衰退に係わる大気汚染物質の計測、動態、制御に関する研究」
研究実施終了報告
研究期間 平成8年4月~平成13年3月
研究代表者 佐久川 弘 (広島大学・総合科学部・教授)


すべては 読めていないが どうしてこの研究が山を守らなくてはいけない私たちに届いてこなかったのだろう。

79ページに及ぶ報告書の 最後に研究して頂いた皆さんの写真があった。
了解もなく申し訳ないけれど 公開されているので この場をお借りして


みなさん ありがとうございました。

ついでといっちゃ なんですが 国立環境研究所にこんなグラフがありました。


空気中の硫酸粒子の広がり(1年間平均した結果)の15年間の変化

北京:大気汚染5年来最悪、青空計画の実現は困難

今は 何年? もちろん上のグラフより進行している事は言うまでもない。

あー資金と時間があればなー。
一刻も早く 酸性化した土壌をなんとかしたい。
まだ 間に合う。中国の環境対策がなんとかなるまで
おらが山を 持ちこたえさせなくては…。

あっ アルカリ成分をまけばいいなんて 安易に 石灰まいちゃだめですよぉー。
微生物を殺しちゃうらしい。
うちの近所に石灰石を採ってる山があって もちろん山を削って出すんです。
森林を治すのに、それはないですよねぇー。

持続可能で環境負荷がないのは やっぱり 炭なのよねぇ。