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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

TS-780 #e レストア その3

2011-09-03 12:44:41 | TS-780

4.AVRユニット・CARユニット・PLLユニット・430HETユニット

メインダイヤルを修理して一通り制御系統は正常に動作しているようなので、いつもの通り共通部の確認から始めました。

電源の出力電圧と144/430の切り替え、送受の切り替え・・・・電圧を調整して特に問題なし。

CARも若干の修正はしましたが、まったく問題なし。

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PLLは***.*00MHz~***.*20MHzの間でセラミックフィルタの周波数ずれは若干ありますが、出力を見てみるとそれほど大きな偏差は無いのでOKでしょう。

800_img_3999 PLL出力

430HETで430MHzのローバンドとハイバンドの局発信号を作り出していますが、ココの周波数がずれると430の周波数ずれになってしまいます。周波数を合わせて完了。

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もう一か所送受共通部分があります。IFユニットの局発です。いつも周波数の調整に一苦労するところ・・・・

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送受信共通部分は大きな問題もなく調整完了です。


TS-780 #e レストア その2

2011-08-31 08:57:00 | TS-780

1.清掃・洗浄

今回のTS-780は結構汚い部類に入ります。フロントパネルには傷は無いのですが、表面には汚れがかなり着いていました。ツマミもタバコの汚れは無かったようですが埃と手垢だらけ・・・・。すべてバラしていつもの通りマジックリンに浸けておきました。すっかりきれいになってさっぱりしました。

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リアパネルは黒く斑点状に錆が出始めていたのでバラして錆取りで磨いてから黒艶消しで塗装しました。ヒートシンクもバラしてきれいに洗浄。フィンの間は金属定規にウエスを巻きつけてマジックリンを着けて磨くときれいになります。ネジはすべて新品交換。

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リアパネルをシャーシーに止めているネジ4本の内1本がシャーシー側のネジ山がバカになっていました。ココはよほどのことが無ければ外す所ではないので製造時から?(私は外してバラしてますが・・・・・)ナット止めに変更しました。

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内部も埃が雪が積もるように積もっていました。幸いタバコの汚れが無かったので掃除機とエアーダスター、ウエットティッシュ、ウエスを使ってほぼきれいにすることができました。
 

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2.メインダイヤル修理

清掃のためにバラしたついでにメインダイヤルがFM-CHモード以外のポジションでもクリック状態でフリー回転にならない件と回すのが重い件を修理しました。

原因はモードースイッチがFM-CHにになったときにロータリーエンコーダにリンクしているリンケージが引っかかって戻らない状態になっていました。同時にこのリンケージを押すレバーの止めネジ(イモネジ)がゆるんで正常に動作しない状態でした。すべて修正してOKです。

回転が重いのはレバーが「NORMAL」になっているにもかかわらずレバーからロータリーエンコーダーの爪が外れて「TIGHT」の状態になっていました。これもロータリーエンコーダーを一旦外して修正。修理完了。

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3.同軸ケーブル潰れ

PLLユニットのシールドカバーを開けてみると同軸ケーブルがカバーとポストの間に挟まって潰れていました。幸い断線にまでは至っていなかったので一応動いていたのでしょう。

基板を外してケーブルを交換修理。オリジナルはかなり細いケーブルですが、これはありませんので1.5D2Vを使って修復完了。

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TS-780 #e レストア その1

2011-08-30 23:46:14 | TS-780

TS-780 #d が未解決のまま#eを入手しました。

オークションの説明では「電源が入り、ダミーロードにつないで144MHzで約9W、430MHzで約10W出力を確認。メインダイヤルが常にクリック状態。メモリ用の電池ケースがなし。その他不具合があるかも。」でした。
初見確認しました。
【外観】
1.フロントパネル、ツマミ、ヒートシンクはかなり汚れている。
2.トップカバー、ボトムカバー共に傷も多く汚れも多い。
3.リアパネルは錆が少々出ていてポツポツと黒くなっている。
4.バックアップ用電池のケースが欠品。
5.トップカバー上の窓のナイラッチが1個欠品、1個は固くて手では開かない。
6.内部はかなり埃が侵入している。
7.手提げハンドルがかなり傷んでいる。
【機能】
1.送信出力 144/430MHz共にFM/SSBで10W程度あり。
2.受信感度 144/430MHz共にFM/SSBでそれなりに受信可能。感度未測定。
3.メインダイヤルがFM-CH以外のモードでも常にクリックの状態でフリー回転にならない。
4.メインダイヤルが重い。
5.SSBモードでSメーターが3程度振れっぱなし。
6.F_STEP、RIT、SCANなどのスイッチの動きが緩慢。
7.トーンユニットTU-78が実装されている。(取り付けブラケットが非純正)

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全体的には外観は悪いですが、機能的には大きな問題は無さそうな感じがします。


TS-780 #d レストア その5

2011-08-23 07:32:23 | TS-780

7.FM受信不良

概ねOKになったかな・・・・と思ってアンテナを接続して受信をしているとどうもFMの受信感度が悪い気がしてきました。受信感度の測定はSSBモードで確認して0.16μVでS/N10dBありましたので仕様は満足しています。しかしFMはどうも悪いです。

IFユニットの入力に30.865MHzの信号を入力して良品と比較すると455KHzのセラミックフィルターのOUTPUTで明らかにレベルに差があります。

800_img_3856 正常なTS-780のセラミックフィルター出力

800_img_3857 TS-780 #d のセラミックフィルター出力

ココまで分かったので後は簡単と思っていたらなかなか原因が分かりません。455KHzへの変換回路はバランスドMIXERではないのでキャリアレベルが高すぎてフィルターの前では455KHz成分のレベルが分かりません。「スペアナが欲しい・・・・・」

またMIXERに使われている2SK125かと思って交換してみるもハズレ。セラミックフィルターを
交換してもダメ。

まだ原因不明で丸一日悩んでいます。

 

8.半田クラック

突然430MHzが送信できなくなり、調べてみると「43T」の電源(430MHz送信)が出力されていませんでした。AVRユニットを叩くと復旧するのでルーズコンタクトと判断して半田面を確認するとやはり半田付けのクラックでした。

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ルーズコンタクトを発生していたのは赤丸部でしたが、他の3か所も明らかにクラックが入っています。 

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半田を吸い取ってみると・・・・・。


TS-780 #d レストア その4

2011-08-19 15:51:58 | TS-780

6.諸々修理

①バンドスイッチが2度押し状態になることがある。

   バンドスイッチ部を基板ごと交換。

②FLOCKがかからない時がある。

   FLOCKスイッチを交換。

③メーター照明が時々消える。

   ランプ交換。

④BEEP音がならない。

   BZ-1を基板に取り付けてある座布団(円形のスポンジ)を交換。

⑤EXT-SPジャックからMICジャックへの改造線

   改造線は撤去してオリジナルに復元。

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