経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.199 からし種一粒

2009-05-17 18:45:13 | マタイ
「なぜ、こんなこともできないんだ」
と部下たちのことを嘆きたくなることがあるかもしれない。

部下が皆、あなたと同じ技量を持ったら会社はどう変わるだろうか?

忍耐強く鍛え続けていれば、実を結ぶ時が来るだろう。

イエスは根気強く弟子たちを教育した。

イエスは三人の弟子たちと共に山に登っている。(マタイ17:1‐13参照)
十字架に向け、心を整えるための登山であったと思われる。
この世での時間が限られていることを彼は自覚していたはずだ。

そんなイエスが下山し、最初に遭遇した出来事がこれだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
一同が群衆のところへ行くと、ある人がイエスに近寄り、ひざまずいて言った。
「主よ、息子を憐れんでください。てんかんでひどく苦しんでいます。
 度々火の中や水の中に倒れるのです。
 お弟子たちのところに連れて来ましたが、治すことができませんでした。」

イエスはお答えになった。
「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。
 いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。
 いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。
 その子をここに、わたしのところに連れて来なさい。」

そして、イエスがお叱りになると、悪霊は出て行き、そのとき子供はいやされた。

弟子たちはひそかにイエスのところに来て、
「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」と言った。

イエスは言われた。
「信仰が薄いからだ。はっきり言っておく。
 もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、
 『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。
 あなたがたにできないことは何もない。」

  マタイによる福音書17:14-20
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

崇高な時を過ごし山から下りると、
下界では、てんかんで苦しむ子供をいやすことができずに
弟子たちが悪戦苦闘していた。
業を癒した父親がイエスにすがりつく。

イエスが発した質問の三連発から
彼の心情を窺い知ることができるのではなかろうか。
「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。
 いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。
 いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。」

イエスのもとに連れて来られると、その子は一発でいやされた。
イエスと弟子たちの実力の差が明らかに示された瞬間でもあった。

後で弟子たちはイエスのところへ来て尋ねた。
「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」

こんな時は教育の絶好の機会だ。

イエスは答えた。
「信仰が薄いからだ。はっきり言っておく。
 もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、
 『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる」

からし種とは、点のような小さな小さな種である。
イエスと弟子たちとの差は、そんなからし種ほどの差でしかなかった。
しかし、その差が決定的な違いを生んだ。

からし種一粒ほどの信仰があれば、山でも動くのである。
少しの疑いもなく「できる」と信じられるかどうかが試されていた。

イエスは続けた。
「あなたがたにできないことは何もない」

イエス昇天後の使徒たちの活躍が綴られる『使徒言行録』。
我々はその中に、使徒たちを通した起こされた数多くの奇跡を見ることができる。