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No.220 復活

2009-08-09 18:06:17 | マタイ
壮絶な戦いの後、イエスは十字架上で息を引き取った。

だが、福音書はここで終わってはいない。

もしここで終わっていたら、「福音」とは言えまい。


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夕方になると、アリマタヤ出身の金持ちでヨセフという人が来た。
この人もイエスの弟子であった。
この人がピラトのところに行って、
イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出た。
そこでピラトは、渡すようにと命じた。

ヨセフはイエスの遺体を受け取ると、きれいな亜麻布に包み、
岩に掘った自分の新しい墓の中に納め、
墓の入り口には大きな石を転がしておいて立ち去った。

マグダラのマリアともう一人のマリアとはそこに残り、
墓の方を向いて座っていた。

明くる日、すなわち、準備の日の翌日、祭司長たちとファリサイ派の人々は、
ピラトのところに集まって、こう言った。
「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、
 『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、わたしたちは思い出しました。
 ですから、三日目まで墓を見張るように命令してください。
 そうでないと、弟子たちが来て死体を盗み出し、
 『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に言いふらすかもしれません。
 そうなると、人々は前よりもひどく惑わされることになります。」

ピラトは言った。
「あなたたちには、番兵がいるはずだ。行って、しっかりと見張らせるがよい。」
そこで、彼らは行って墓の石に封印をし、番兵をおいた。

さて、安息日が終わって、週の初めの日の明け方に、
マグダラのマリアともう一人のマリアが、墓を見に行った。

すると、大きな地震が起こった。主の天使が天から降って近寄り、
石をわきへ転がし、その上に座ったのである。
その姿は稲妻のように輝き、衣は雪のように白かった。
番兵たちは、恐ろしさのあまり震え上がり、死人のようになった。

天使は婦人たちに言った。
「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、
 あの方は、ここにはおられない。
 かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。
 さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。
 それから、急いで行って弟子たちにこう告げなさい。
 『あの方は死者の中から復活された。
  そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる。』
 確かに、あなたがたに伝えました。」

婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、
弟子たちに知らせるために走って行った。

すると、イエスが行く手に立っていて、「おはよう」と言われたので、
婦人たちは近寄り、イエスの足を抱き、その前にひれ伏した。

イエスは言われた。
「恐れることはない。
 行って、わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。
 そこでわたしに会うことになる。」

婦人たちが行き着かないうちに、数人の番兵は都に帰り、
この出来事をすべて祭司長たちに報告した。
そこで、祭司長たちは長老たちと集まって相談し、
兵士たちに多額の金を与えて、言った。

「『弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った』
 と言いなさい。もしこのことが総督の耳に入っても、うまく総督を説得して、
 あなたがたには心配をかけないようにしよう。」

兵士たちは金を受け取って、教えられたとおりにした。
この話は、今日に至るまでユダヤ人の間に広まっている。

  マタイによる福音書 27:57-28:15
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アリマタヤのヨセフという金持ちが、
総督ピラトにイエスの遺体の引き渡しを願い出る。
彼は、イエスの遺体をきれいな亜麻布に包み、
自分が所有する岩に掘った新しい墓に遺体を納めた。

イエスが生前、死者の中から三日目に復活すると語っていた。
それを覚えていた祭司長たちとファリサイ派の人々は、
墓からイエスの遺体が消えたりしたら、
イエスの影響は前よりも大きなものになると心配した。

ピラトと協議した彼らは、
弟子たちに遺体が盗まれないように対策を講じる。    
イエスの墓の入り口に転がされていた石は封印され、
見張りとして番兵が置かれた。

三日目の朝、婦人たちがイエスの墓に向かう。
大きな地震が起こり、天使が墓の石を脇に転がし、その上に座った。
番兵たちは恐れてその場を離れ、祭司長たちに報告すべく都に戻る。

天使からイエスが復活したことを伝えられた婦人たちは、
使徒たちに知らせようと道を急いだ。
途中、イエスが道に立って彼女たちに「おはよう」とあいさつする。
婦人たちは、イエスに近寄り、足を抱き、その前にひれ伏した。

番兵たちの報告を聞いた祭司長たちは、長老たちと相談したうえで、
兵士たちに多額の金を渡す。
そして「弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った」
と証言するよう強いた。

ここでの金の使われ方は両極端だ。

金持ちだったアリマタヤのヨセフは私財をイエスの埋葬に投じた。
一方、祭司長らはイエスの復活を打ち消すための工作費として多額の金を用いた。

前者の方が尊いということは言うまでもない。
富むことは悪ではない、問題はその使い方だ。

とにかく、イエスの墓は空になった。

遺体はどうなったのか?

盗まれたのか? 復活したのか?

これは本当に重大な問題である。

真実は一つ。