経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.4 ヨセフ:リーダーの器

2007-08-31 00:33:27 | 創世記
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ヨセフは兄弟たちに言った。
「どうか、もっと近寄ってください。」
兄弟たちがそばへ近づくと、ヨセフはまた言った。
「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。
 しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、
 責め合ったりする必要はありません。
 命を救うために、神がわたしをあなたたちより先に
 お遣わしになったのです。・・」
  創世記45:4-5
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「出る杭は打たれる」という言葉がある。
何かに特出していると必要以上に叩かれる、
ということが残念ながら世の中ではよく起こる。
もしかしたら、あなたにも身に覚えがあるかもしれない。
ねたみや憎しみはいつも周囲に多かれ少なかれ存在するだろう。
問題は、あなたがそれにどう対処するかだ。

ヤコブの11番目の息子、ヨセフは、ヤコブにとって初めて授かった正妻による子供だった。そのためヨセフは父から最もかわいがられ、特別な待遇を受けた。また、将来を予見する特別な才能も授かっていて、兄たちが自分にひれ伏す夢を見たことを、何の遠慮もなく兄たちに話したりしたので、兄たちは、ねたみとともに憎みをヨセフに対して抱いた。

ヨセフはそんな兄たちのために、数奇な運命をたどることとなる。ある日、兄たちの謀略により、外国の商人に売り飛ばされ、あるエジプト人の家の奴隷となる。真面目な仕事ぶりが評価され、頭角を現すものの、主人の妻の誘惑を拒否したため、無実の罪を着せられ投獄されてしまう。獄中では囚人たちの頭領となるが、2年以上も放置されてしまう。兄たちに売り飛ばされてから10年余り、さんざんな目にあうのだ。

だが、エジプト王の夢を解き明かしたことをきっかけに、ヨセフは王の顧問、エジプト全土を治める者となり、ダイナミックな転身を遂げる。

ある時、世界的な飢饉が起こったが、エジプトには、ヨセフの政策により、食料の備蓄が豊富になされていた。周辺諸国の住民はエジプトへ食料を買い付けに集まったが、その中にはヨセフの兄たちの姿もあった。兄たちと劇的な再会を果たしたヨセフが語った言葉が上記の言葉だ。

ヨセフは、この時、すべて自分に起こった出来事には意味があり、これで良かったのだと受け止めていた。自分をひどい目にあわせた兄たちを赦していたのだ。

かくして、兄たちは心からヨセフの前にひれ伏し、ヨセフの少年時代に見た夢は現実のものとなる。

若年の頃のヨセフは、才能はあったものの、リーダーとしては未成熟だった。
彼は数々の試練により、その使命にふさわしい器に整えられていった。

不当な苦しみを受けるとき、ただ嘆き、憎しみ返すこともできれば、
成長のチャンスととらえ、自らの器を磨くこともできる。

どちらを選択するかは、あなた次第だ。


No.3 ヤコブ:驚異的な粘り

2007-08-29 23:57:26 | 創世記
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ヤコブは独り後に残った。
そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。
ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、
格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。
「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」
とその人は言ったが、ヤコブは答えた。
「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」
「お前の名は何というのか」とその人が尋ね、
「ヤコブです」と答えると、その人は言った。
「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。
 お前は神と人と闘って勝ったからだ。」
  創世記32:25-29
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およそ世に名を残す者は、人並みはずれた意志の強さを持っている。
一度噛み付いたら、てこでも離れない。

イサクの後継者ヤコブはまさにそのような人だった。
彼は兄から長子の権利と父の祝福を奪い取り、その後逃亡。
旅先でラケルという女性に恋し、彼女の父のもとで7年間働き続け、ついに獲得。
20年間横暴な主人に奉公した後、ついに独立を果たす。

11人の息子たち(もう一人がこの旅の途中で生まれ、12人になる)と妻たち、
多くの財産と使用人らを連れて故郷に戻る途中、
ヤコブはこの不思議な体験をする。

腿の関節!をはずされながらも、ヤコブは格闘することをやめなかった。
激痛に耐え、相手にしがみつきながら彼が発した言葉が、
「祝福してくださるまでは離しません」だった。
夜明け、彼は勝利の達成感とイスラエルという新しい名を獲得する。

あきらめない者だけが勝利を掴むともいう。
いくら才能があっても淡白すぎては結果を残すことができない。

経営をしていると、「もう無理だ」と思う誘惑に何度も駆られるはずだ。
なぜなら、あなたは通常よりも高い目標を掲げて果敢に
チャレンジしているからだ。

そんな時、「祝福してくださるまでは離しません」という
ヤコブの精神を思い出して欲しい。




No.2 イサク:人材の見極め

2007-08-28 22:37:46 | 創世記
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エサウはヤコブに言った。
「お願いだ、その赤いもの(アドム)、そこの赤いものを食べさせてほしい。私は疲れきっているんだ。」
彼がエドムとも呼ばれたのはこのためである。
ヤコブは言った。
「まず、お兄さんの長子の権利を譲ってください。」
「ああ、もう死にそうだ。長子の権利などどうでもよい」とエサウが答えると、
ヤコブは言った。
「では、今すぐ誓ってください。」
エサウは誓い、長子の権利をヤコブに譲ってしまった。
 創世記25:30-33
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組織とは人材の集まりである。
人材の素質を見抜き、適所に配置することは、経営者の重要な役割である。
人材の見極めが組織の帰趨を決すると言ってもよい。
それが自分の後継者についてであるならば、なおさらのことである。

アブラハムの跡取りとなったイサクは、父から受け継いだ事業を
順調に拡大させながら年を重ねた。
彼にはエサウとヤコブという二人の息子がいた。
イサクは自分の後継者を長男のエサウにしようと決めていた。
エサウは彼の嗜好に合っていたからだ。
また、長男を後継者に任命するという年功序列人事は、
当時もあたり障りのない妥当なものであったのかもしれない。

しかし、神の見方は違っていた。
神の目にエサウはイサクの後継者とは映っていなかった。
エサウは、ただ一杯の食物のために長子の権利を譲り渡してしうような
弱さを内面に抱えていた(ヘブライ12:16)。
それに引き換え、弟のヤコブには、彼のその後の人生にも見られるような、
一種意志の強さのようなものが備えられていた。

イサクは「目がかすんで」いて、この兄弟の将来を
「見破る」ことができなかったのだ。

結局、妻の計略によりイサクはヤコブを後継者に任命することになるのだが
(詳しくは創世記27章を)、
神は明らかに、イスラエルの族長に、アブラハム、イサク、ヤコブと
連なる系図を望まれたのだ。

経歴や単なる「好み」で人事を行っていないだろうか?

「目」を研ぎ澄まし、天からの視点で人材を眺め直してみると、
いつもとは違った評価が生ずるかもしれない。




No.1 アブラハム:天を仰いで、星を数える

2007-08-27 22:34:42 | 創世記
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主は彼を外に連れ出して言われた。
「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」
そして言われた。
「あなたの子孫はこのようになる。」
アブラハムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。
 創世記15:5-6
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たいていの経営者は忙しい。一人で何役もこなし、息つく暇もなかったりする。
あなたが最近、ゆっくりと星空を眺めたのは、いったいいつのことだっただろう。

人生の折り返し地点を迎えようとしていたアブラム(後のアブラハム)は、
このとき300人以上を雇用し、非常に多くの家畜と金銀を所有していた。
しかし、この時点で、彼が地上で成すべきことは、
まだまだ遂げられてはいなかった。

ある晩、アブラムは神に導かれ、夜空を仰ぐことになる。
そこには、満天の星が瞬いていた。神はアブラムにビジョンを指し示した。
「あなたの子孫はこのようになる」と。

この後の彼の人生は波瀾に富んでいる。
計り知れない忍耐、苦渋の決断、嘆きや悲しみを強いられる。
しかし、彼は決してあきらめることなく、自らの使命を成し遂げていく。

「あなたの子孫はこのようになる」と言われたとき、
子供がなかったアブラムが、今も世界中に広がるイスラエル民族の祖先、
信仰の父、アブラハムとなれたのは何故だろう?

どんな境遇にあっても、夜空に輝く星を眺めるたびに、
彼は自らの使命を思い出すことができたに違いない。

一息入れて、たまには大自然の中に身を置いてみてはいかがだろうか。
残りの人生であなたが成すべきことは何か、
後の世代に残すべきものは何なのか。
自分にとっての「満天の星」を見出すことができたなら、
なんと幸福なことだろう。





スタートにあたって

2007-08-26 22:08:52 | Weblog
かつてあったことは、これからもあり
かつて起こったことは、これからも起こる。
太陽の下、新しいものは何ひとつない。
見よ、これこそ新しい、と言ってみても
それもまた、永遠の昔からあり
この時代の前にもあった。

 コヘレトの言葉1:9-10


日々めまぐるしく変わる現代社会。経営者は常に新しいものを追い求めることを要求される。
しかし、その努力は確実な成果を生むことのないまま徒労に終わることも多い。

約3000年前、コヘレト(=ソロモン)は「太陽の下、新しいものは何ひとつない」と言った。
求めるべきは、うつろい易い現代の諸現象の中にあるのではなく、いにしえから変わらない知恵の中にあるのかもしれない。

永遠のベストセラー、神のことば、聖書よりビジネスを切り開く知恵を学んでいきたい。

乞うご期待!