経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.39 ダビデ(14):詩に綴った思い

2007-11-03 22:30:05 | 詩篇
ダビデはその生涯において実に数多くの詩を作った。
逃亡中の苦難の最中に詠まれたものも多い。
ガトの王アキシュのもとで危機に陥ったときに起きた彼の心の動きは
詩篇56を読むことによって今日でも知ることができる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
指揮者によって。「はるかな沈黙の鳩」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。
ダビデがガトでペリシテ人に捕らえられたとき。

神よ、わたしを憐れんでください。
わたしは人に踏みにじられています。
戦いを挑む者が絶えることなくわたしを虐げ
陥れようとする者が絶えることなくわたしを踏みにじります。
高くいます方よ。
多くの者がわたしに戦いを挑みます。
 詩篇56:1-3
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

以上は詩篇56の一部である。(ぜひ聖書で全文お読みいただきたい。)
ダビデはそのときどきで、とても素直に自分の気持ちを表現しているのがわかる。

詩篇の中には、かつて身近にいた人々から捨てられた苦しみを綴ったものも多い。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
心は動転し、力はわたしを見捨て
目の光もまた、去りました。
疫病にかかったわたしを愛する者も友も避けて立ち
わたしに近い者も、遠く離れて立ちます。
わたしの命をねらう者は罠を仕掛けます。
わたしに災いを望む者は 欺こう、破滅させよう、と決めて
一日中それを口にしています。
 詩篇38:11-13
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

かつてイスラエルの戦士の長として活躍していたダビデには
共に戦った同僚や部下も数多くいたことだろう。
だが、ダビデはこの時、明日の命の保証もないまま、荒れ野を一人さまよっていた。

このようなつらい経験は決して無駄にならなかった。
詩篇にはダビデの心の軌跡が綴られている。
試練によってダビデは、人よりも神に依り頼むことを学び、信心を成長させた。
自分自身が苦難を味わったので、弱者に対する同情と憐れみを持てるようになった。

荒れ野の試練がダビデを真の王にふさわしい者へと精錬していたのである。

もし現在、自分も火で精錬されているところだと感じているのなら、
詩篇を読んでみることをお勧めしたい。
ダビデの心の闘いに、共感し、励まされ、また良い刺激を受けることだろう。