経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.214 高価な香油

2009-07-16 21:12:42 | マタイ
イエスが十字架にかかる日が近づいていた。
イエスは何度も予告していたのに、
最も近くにいた弟子たちほどそれに無頓着だった。

リーダーとは孤独なものなのだろうか。

以下の場面でのイエスと弟子たちの価値観の違いは明らかだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、
一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、
食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。

弟子たちはこれを見て、憤慨して言った。
「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。
 高く売って、貧しい人々に施すことができたのに。」

イエスはこれを知って言われた。
「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。
 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、
 わたしはいつも一緒にいるわけではない。
 この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた。

 はっきり言っておく。世界中どこでも、
 この福音が宣べ伝えられる所では、
 この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」

  マタイによる福音書26:6-13
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シモンの家で食事をしていたイエスの頭に、ある女性が香油を注ぎかけた。
高価な香油だった。

部屋中はたちまち美しい香りで満たされたことだろう。

だが、一緒にいたイエスの弟子たちは憤慨した。

「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。
 高く売って、貧しい人々に施すことができたのに」

正論のようにも聞こえる。
貧しい人々に施すのは尊い意味のある行為だ。

しかし、イエスは、たしなめられた女性をかばうとともに弟子たちを諭した。

「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ」

「貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、
 わたしはいつも一緒にいるわけではない。
 この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた」

お金の使い方にもTPOがある。
それがわからない者には出費が無駄遣いに見えてしまうことがある。

イエスと一緒にいられる時間は限られていた。
この時、香油をイエスに注ぐのは価値のあることだった。

イエスは、このタイミングで惜しみなく高価な香油を注いだこの女性について
弟子たちに言った。

「はっきり言っておく。
 世界中どこでも、この福音が宣べ伝えられる所では、
 この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう」

事実、今、約2000年後の日本においてもそれが現実となっている。