経営者のための聖書講座

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No.198 あなたは幸いだ

2009-05-13 21:25:33 | マタイ
「すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。」(マタイ7:17)

どれだけ人を育てたかで、リーダーの良し悪しを見る基準にすることもできよう。

イエスは3年間で世界を変える人材を何人も育てた。

人材育成において大切なこととは何か?

今日は前回の続きである。

「イエスが言われた。『それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。』
 シモン・ペトロが、『あなたはメシア、生ける神の子です』と答えた。」
                            (マタイによる福音書16:15-16)

弟子たちにイエスは問いを投げかけた。
ペトロが一人声を上げた。

これにイエスはどう対応したか?

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すると、イエスはお答えになった。
「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。
 あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。

 わたしも言っておく。あなたはペトロ。
 わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。
 陰府の力もこれに対抗できない。

 わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。
 あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。
 あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

  マタイによる福音書16:17-19
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イエスはペトロを称賛した。
褒めるべき時は思いっきり褒めるのだ。

「シモン・バルヨナ」はペトロの本名。
「ペトロ」は、イエスが彼につけた新しい名、「岩」という意味があるそうだ。

ここでイエスはペトロの役割を予告した。

ペトロは他の弟子たちの前でイエスから褒められた。
気分が良かったに違いない。

イエスは、このあと、自分の身に起こることを弟子たちに打ち明ける。

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それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、
と弟子たちに命じられた。

このときから、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、
長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、
三日目に復活することになっている、
と弟子たちに打ち明け始められた。

すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。
「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」

イエスは振り向いてペトロに言われた。
「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。
 神のことを思わず、人間のことを思っている。」

  マタイによる福音書16:20-23
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衝撃的な言葉がイエスの口から発せられた。

実際すごいことがここで語られたのだ。
イエスは自分がどこでどのように死ぬかを予告しただけでなく、
復活することを予告したのだ。
しかも、「三日目」という具体的な日数まであげて。
(もし、予告が当たらなかった場合、イエスに対する評価はどうなっただろう?)

弟子たちはこれを聞きショックを受けたに違いない。

ペトロはここでも他の弟子たちに先んじてアクションを起こす。
彼はイエスを脇へ連れて行くと、イエスを諌め始めたのだ。

「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません」

彼なりの親切心を表明したつもりだったのだろう。

だが、イエスは振り向くとペトロに言った。

「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。
 神のことを思わず、人間のことを思っている。」

ペトロは他の弟子たちの前でイエスから叱責されてしまったのである。

ペトロにしてみれば、褒められたかと思えば叱られるという
アップダウンの激しい一日を体験したことになる。

しかし、決してイエスは感情的に弟子たちに接していたわけではない。
一定の基準をもって弟子たちを育てていたことが、その言動から読み取れる。
(イエスのもっていた基準とは何か?)

なぜ叱られ、なぜ褒められたのか、わからなければ部下は混乱してしまう。
ぶれない一定の基準をもつリーダーのもとで、部下は信頼して学び、成長する。

叱責されたペトロを見て、このとき弟子たちには混乱が生じていたことだろう。
新しいことを学ぶにはもってこいの状況だ。
ここでイエスはとても大切な教えを弟子たちに授ける。

「それから、弟子たちに言われた。
 『わたしについて来たい者は、
  自分を捨て、自分の十字架を背負って、
  わたしに従いなさい。
  自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、
  わたしのために命を失う者は、それを得る。
  人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、
  何の得があろうか。
  自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。」
             (マタイによる福音書16:24-26)

全世界を手に入れることよりも価値あることについてイエスは語った。