経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.143 預言者たち~マラキ:十分の一の献げ物

2008-10-07 20:48:23 | ホセア~マラキ
業績が良い企業が慈善活動をするのか、
慈善活動をする企業は業績が良くなるのか。
「CSRランキング」をみると上位には優良企業が目白押しだ。

御社も収益の何パーセントかを社会貢献活動に回すことを検討してみては?


今日は預言者たちシリーズの最終回。
マラキの言葉に耳を傾けてみよう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人は神を偽りうるか。
あなたたちはわたしを偽っていながら
どのようにあなたを偽っていますか、と言う。
それは、十分の一の献げ物と
献納物においてである。
あなたたちは、甚だしく呪われる。
あなたたちは民全体で、わたしを偽っている。

十分の一の献げ物をすべて倉に運び
わたしの家に食物があるようにせよ。
これによって、わたしを試してみよと
万軍の主は言われる。

必ず、わたしはあなたたちのために
天の窓を開き
祝福を限りなく注ぐであろう。
また、わたしはあなたたちのために
食い荒らすいなごを滅ぼして
あなたたちの土地の作物が荒らされず
畑のぶどうが不作とならぬようにすると
万軍の主は言われる。
諸国の民は皆、あなたたちを幸せな者と呼ぶ。
あなたたちが喜びの国となるからだと
万軍の主は言われる。

  マラキ3:8-12
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

民は偽っていた。
この民は、十分の一の献げ物を怠っていた。

主は語られた。
試みに十分の一の献げてみよと。

それがなされた暁には、

天の窓が開かれ、限りない祝福が注がれる。
害虫から畑が守られ、不作にならない。
喜びの国となり、周囲から幸せな者と呼ばれる。


十分の一の献げ物は感謝の表れである。

感謝は感謝の連鎖を引き起こす。


「種を蒔く人に種を与え、パンを糧としてお与えになる方は、
 あなたがたに種を与えて、
 それを増やし、あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。
 あなたがたはすべてのことに富む者とされて惜しまず施すようになり、
 その施しは、わたしたちを通じて神に対する感謝の念を引き出します。
 なぜなら、この奉仕の働きは、
 聖なる者たちの不足しているものを補うばかりでなく、
 神に対する多くの感謝を通してますます盛んになるからです。」
                      (Ⅱコリント9:10-12)


実践する者のみが体感できる祝福である。



No.142 預言者たち~ゼカリヤ:武力によらず権力によらず

2008-10-04 15:50:21 | ホセア~マラキ
リーダーとしてプロジェクトが思い通りに運ばず行き詰った経験はあるだろうか。
妨害する者がいる、反対する者がいる、やる気のない者がいる・・・。
様々な障害があなたの前に立ちはだかる。

現状を打開するためにあなたが用いる力は何だろう?

下記は、神殿再建プロジェクトに臨む指導者ゼルバベルに対する預言である。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
彼は答えて、わたしに言った。
「これがゼルバベルに向けられた主の言葉である。

武力によらず、権力によらず
ただわが霊によって、
と万軍の主は言われる。

  ゼカリヤ4:6
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ゼカリヤは、ハガイと同時期に活動を開始した預言者である。
彼もまた神殿再建を促すため主に用いられた。

「預言者ハガイとイドの子ゼカリヤが、ユダとエルサレムにいるユダの人々に
 向かってその保護者であるイスラエルの神の名によって預言したので、
 シェアルティエルの子ゼルバベルとヨツァダクの子イエシュアは立ち上がって、
 エルサレムの神殿建築を再開した。
 神の預言者たちも彼らと共にいて、助けてくれた。」
                                  (エズラ 5:1-2)


指導者ゼルバベルは常に、
反対者の妨害と労働者の怠惰という障害に向き合っていた。

そんなゼルバベルに預言者ゼカリヤは励ましのメッセージを伝えた。


武力によらず、権力によらず、ただ主の霊によって、

任務を遂行せよ(遂行できる)。


何事かを成し遂げるため根本的に必要なのは、
武力でも、権力でもない。

人に使命を与えた存在がその人を通して発する力なのだ。






No.141 預言者たち~ハガイ(2):期待のギャップ

2008-10-01 12:42:29 | ホセア~マラキ
現在、御社の社員たちはどのような期待で仕事に取り組んでいるだろう。

とりあえず、こなすことか、
これまでと同レベルにすることか、
あるいは、かつてない最高の結果を残すことか。

神殿の再建が再開して約一か月が経った頃、工事に従事するイスラエル人に対し、
預言者ハガイは次のように主の言葉を語った。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
七月二十一日に、主の言葉が、預言者ハガイを通して臨んだ。
「ユダの総督シャルティエルの子ゼルバベルと大祭司ヨツァダクの子ヨシュア、
および民の残りの者に告げなさい。

お前たち、残った者のうち
誰が、昔の栄光のときのこの神殿を見たか。
今、お前たちが見ている様は何か。
目に映るのは無に等しいものではないか。

今こそ、ゼルバベルよ、勇気を出せと
主は言われる。
大祭司ヨツァダクの子ヨシュアよ、勇気を出せ。
国の民は皆、勇気を出せ、と主は言われる。
働け、わたしはお前たちと共にいると
万軍の主は言われる。

ここに、お前たちがエジプトを出たとき
わたしがお前たちと結んだ契約がある。
わたしの霊はお前たちの中にとどまっている。
恐れてはならない。

まことに、万軍の主はこう言われる。
わたしは、間もなくもう一度
天と地を、海と陸地を揺り動かす。
諸国の民をことごとく揺り動かし
諸国のすべての民の財宝をもたらし
この神殿を栄光で満たす、と万軍の主は言われる。
銀はわたしのもの、金もわたしのものと
万軍の主は言われる。
この新しい神殿の栄光は昔の神殿にまさると
万軍の主は言われる。
この場所にわたしは平和を与える」と
万軍の主は言われる。

  ハガイ2:1-9
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


何事にも時がある。

今は立派な神殿を建て直す時だった。
にもかかわらず、指導者である総督、大祭司をはじめとして、
エルサレムに帰還した民は、大変低い期待のもとに再建工事を行っていたようだ。

神殿工事が再開したのは6月24日(ハガイ1:15)。
この言葉が発せられたのは7月21日。

このままだと昔より劣る神殿になりそうな状況が進んでいた。

しかし、彼らは「無に等しい」現状を目の当たりにしても
危機感を抱いていなかった。
慣れとは恐ろしいものである。

ハガイは総督と大祭司に名指しで呼びかけた。
「勇気を出せ」と。

民にも呼びかけた。
「勇気を出せ」、「働け」と。

新しい神殿の栄光は昔の神殿にまさるものになると
主によって約束されていたのだ。

それなのに、総督も大祭司も恐れに取りつかれ
「まあまあ」でいいと思っていたのである。


一般的に、低い期待によって、せっかくのチャンスと成果を台無しにすることは、
気づかないところで数多く起こっていることだろう。

タイミングが整ったのに徹底したアクションを起こしていないとしたら、
現状維持が心地よくなっている。
恐れがある。
輝かしい将来から目をそらしている。


そんなときには、早い段階でビジョンを確認し、
「勇気」を奮い立たせる必要がある。

No.140 預言者たち~ハガイ:優先順位

2008-09-28 22:18:46 | ホセア~マラキ
紀元前538年のことである。
捕囚の民となって70年、
かねてから預言されていた通り、
4万2千人のイスラエル人が故郷エルサレムに帰還した。

帰還した人々は、破壊されていた神殿の再建に取り掛かったが、
現地住民の妨害を受け、再建工事は中断されたまま16年ほど放置された。

そんな状況下で用いられたのが預言者ハガイだった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主の言葉が、預言者ハガイを通して臨んだ。
「今、お前たちは、この神殿を 廃虚のままにしておきながら
自分たちは板ではった家に住んでいてよいのか。

今、万軍の主はこう言われる。
お前たちは自分の歩む道に心を留めよ。
種を多く蒔いても、取り入れは少ない。
食べても、満足することなく 飲んでも、酔うことがない。
衣服を重ねても、温まることなく 金をかせぐ者がかせいでも
穴のあいた袋に入れるようなものだ。

万軍の主はこう言われる。
お前たちは自分の歩む道に心を留めよ。
山に登り、木を切り出して、神殿を建てよ。
わたしはそれを喜び、栄光を受けると 主は言われる。
お前たちは多くの収穫を期待したが それはわずかであった。
しかも、お前たちが家へ持ち帰るとき わたしは、それを吹き飛ばした。

それはなぜか、と万軍の主は言われる。
それは、わたしの神殿が廃虚のままであるのに
お前たちが、それぞれ自分の家のために 走り回っているからだ。
それゆえ、お前たちの上に 天は露を降らさず 地は産物を出さなかった。
わたしが干ばつを呼び寄せたので それは、大地と山々と穀物の上に
新しいぶどう酒とオリーブ油と 土地が産み出す物の上に
また人間と家畜と すべて人の労苦の上に及んだのだ。」

  ハガイ1:3-11
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

帰還した人々は、自分の家を建て、畑を整えた。

しかし、彼らが種を多く蒔いても期待したほどの収穫は得られなかった。
いくら稼いでも穴のあいた袋に入れるようなものだった。

どうもうまく生活の歯車がかみ合っていなかったのである。

ハガイはその理由を明かした。

「わたしの神殿が廃虚のままであるのに
 お前たちが、それぞれ自分の家のために 走り回っているからだ。」

彼らは優先順位を間違えていたのだ。


まず成すべきことを成していないと、
いくら一生懸命動いても空回りしてしまうことがよくある。

皆さんは、優先順位を把握し、それを成し遂げているだろうか?

No.127 預言者たち~ハバクク(2):何もないけれど

2008-08-20 23:25:58 | ホセア~マラキ
あなたが充実感を感じるのはどんな時だろう。
目標が達成された時だろうか?

期待したものが得られない限り満足はできないのだろうか?

ハバククの置かれた状況と彼の心の内を見てみよう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いちじくの木に花は咲かず
ぶどうの枝は実をつけず
オリーブは収穫の期待を裏切り
田畑は食物を生ぜず
羊はおりから断たれ
牛舎には牛がいなくなる。

しかし、わたしは主によって喜び
わが救いの神のゆえに踊る。
わたしの主なる神は、わが力。
わたしの足を雌鹿のようにし
聖なる高台を歩ませられる。

指揮者によって、伴奏付き。

 ハバクク3:17-19
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この年、いちじくの木の花が咲かなかった。
ぶどう畑に行くと実がなかった。
オリーブも期待したほどの収穫は得られなかった。
田畑は食物を供給してくれなかった。
羊の柵は空っぽだった。
牛舎に行くと牛が姿を消していた。


この「状況」は最悪と言っていいだろう。


このような状況でハバククの心境はどんなものだったのだろう?

落ち込んでいてもおかしくはないはずだ。


だが彼は、・・・

喜んでいた。
踊るほどに。


周りの状況が個人の充実感を妨げるとは限らない。

その人がその人らしく自分の価値観を尊重して生きていれば、
たとえ思い通りの成果が現れなくても、内面を充実させることができる。


ハバククは神の力により満たされていた。


No.126 預言者たち~ハバクク(1):大いに驚くがよい

2008-08-17 18:37:59 | ホセア~マラキ
人生は複雑で予測不能なことも多い。
目前の出来事の意味を理解するのは至難の業だ。

長期的な視点が得られたとき、
今、何が起きているか判断するためのヒントが得られることがある。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのに
いつまで、あなたは聞いてくださらないのか。
わたしが、あなたに「不法」と訴えているのに
あなたは助けてくださらない。
どうして、あなたはわたしに災いを見させ
労苦に目を留めさせられるのか。
暴虐と不法がわたしの前にあり
争いが起こり、いさかいが持ち上がっている。
律法は無力となり
正義はいつまでも示されない。
神に逆らう者が正しい人を取り囲む。
たとえ、正義が示されても曲げられてしまう。

諸国を見渡し、目を留め
大いに驚くがよい。
お前たちの時代に一つのことが行われる。
それを告げられても、お前たちは信じまい。
見よ、わたしはカルデア人を起こす。
それは冷酷で剽悍な国民。
地上の広い領域に軍を進め
自分のものでない領土を占領する。
彼らは恐ろしく、すさまじい。
彼らから、裁きと支配が出る。

 ハバクク1:2-7
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ハバククはエレミヤと同時代に活動した預言者だ。

ハバククは主に問いかけた。

暴虐と不法が見過ごしにされているのはなぜか、と。


主は答えられた。

お前たちの時代に信じられないような驚くべきことが行われる。
カルデア人(バビロニア人)が兵を起こし、領土を占領する。
カルデア人から裁きと支配が出る。


何も動いていないように見えて、確実に時代は動いていたのである。

No.114 預言者たち~ゼファニヤ(2):喜びの歌

2008-07-12 10:46:09 | ホセア~マラキ
前回に引き続き、ゼファニア書から。

ゼファニアはエルサレムへの裁きと回復を預言した。

回復のメッセージは我々に希望を与える。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
イスラエルの残りの者は
不正を行わず、偽りを語らない。
その口に、欺く舌は見いだされない。
彼らは養われて憩い
彼らを脅かす者はない。
娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。
その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
 力なく手を垂れるな。
 お前の主なる神はお前のただ中におられ
 勇士であって勝利を与えられる。
 主はお前のゆえに喜び楽しみ
 愛によってお前を新たにし
 お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」
  ゼファニヤ3:13-17
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

苦しみにあっても不正を行わず、偽りを語らなかった残りの者たちは、
回復の時が来たとき、主によっておおいに祝福される。

彼らは心の底から喜び躍る。

神は彼らのただ中におられる。
神は彼らを喜び楽しみ、彼らのゆえに歌を歌う。


想像してみよう。

神があなたと共にいて、あなたを新しくし、
あなたを愛し、あなたを喜び楽しみ、
あなたのことで、喜びの歌を歌う・・・。


希望は確かにある。

No.113 預言者たち~ゼファニヤ(1):都の警告

2008-07-09 22:36:43 | ホセア~マラキ
ゼファニアは、前回登場のナホムと同じ時代に活躍した預言者である。

当時のユダの王は善政を行ったヨシア。
彼の治世は、それ以前の二代に渡る悪政の影響をみごと覆した繁栄の時代だった。
それはゼファニアらの助言を受け入れたゆえの結果だったのかもしれない。

ゼファニアは、将来下される審判と回復を預言した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
これが、かつてにぎやかであった都だろうか。
かつて、人々は安らかに住み、心の中で
「わたしだけだ。わたしのほかにだれもいない」と言っていた。
どうして、都は荒れ果て
獣の伏す所となってしまったのか。
ここを通り過ぎる者は皆
驚きのあまり、口笛を吹き、手を横に振る。
 ゼファニア2:15
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

かつて繁栄を誇った都も、今は見る影もない。

廃墟を垣間見た通行人は、思わず口笛を吹く。
手を横に振る。驚きのあまりに。

都の住民は、このような結果になることを思いもしなかった。
彼らは安らかに日々を送っていたのだ。

しかし、彼らは知らず知らずのうちに高慢になっていた。
彼らは心の中で言っていた。
「わたしだけだ。わたしのほかにだれもいない」と。


あなたの会社は今どのような状態だろうか。
安定を謳歌しているのであれば、それはめでたいことだ。
そこに至るまで、数々の労苦を乗り越えてきたのだろう。

しかし、「わたしだけだ。わたしのほかにだれもいない」という囁きに
聞き覚えがあるならば、気をつけた方が良い。

御社の前を通る人たちが、口笛を吹き、手を横に振るようなことが起こる前に。





No.112 預言者たち~ナホム:先を見る目

2008-07-06 19:58:38 | ホセア~マラキ
ナホムという預言者がいた。
彼が生きていた当時の超大国といえばアッシリアだった。

〈アッシリアの歴史〉
 BC723年:北王国イスラエルの首都サマリアを陥落させる。
 BC663年:上エジプトの首都テーベを陥落させる。
 BC612年:バビロニア帝国により、首都ニネベ陥落させられる。

エジプトの都テーベを滅ぼしたアッシリアが、まだ隆盛を誇っていた時代に、
ナホムは、アッシリアの首都ニネベの陥落を預言した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
災いだ、流血の町は。
町のすべては偽りに覆われ、略奪に満ち
人を餌食にすることをやめない。
鞭の音、車輪の響く音
突進する馬、跳び駆ける戦車。
騎兵は突撃し
剣はきらめき、槍はひらめく。
倒れる者はおびただしく
しかばねは山をなし、死体は数えきれない。
人々は味方の死体につまずく。
 ナホム3:1-3
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「お前はテーベにまさっているか。ナイルのほとりに座し、水に囲まれ
 海を砦とし、水を城壁としていたあの町に。」(ナホム3:8)

お前は、お前がかつて滅ぼしたテーベと同じようになる。

そう、ナホムはニネベに宣言した。
繁栄を誇り、誰もその滅亡について思いもしなかった時代に。

ナホムには聞こえていた。
ニネベの町に響き渡る車輪の音や鞭の音が。

ナホムには見えていた。
街中を突進する戦車や騎兵、振りかざされる剣のきらめきが。
そして数えきれないほどの屍が。

ナホムの預言は現実のものとなる。

驕り高ぶりがないか、繁栄の時こそ、自らを冷静に見つめることが肝要だ。









No.111 預言者たち~ミカ:求められていること

2008-07-03 19:21:49 | ホセア~マラキ
ミカは旧約聖書に登場する預言者の一人である。
彼は預言者イザヤと同時代に活躍した。
同じ世相を見ていたためであろうか、二人のメッセージには共通点が多い。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まだ、わたしは忍ばねばならないのか
神に逆らう者の家、不正に蓄えた富
呪われた、容量の足りない升を。
わたしは認めえようか
不正な天秤、偽りの重り石の袋を。
都の金持ちは不法で満ち、住民は偽りを語る。
彼らの口には欺く舌がある。
わたしも、お前を撃って病気にかからせ
罪のゆえに滅ぼす。
お前は食べても飽くことなく、空腹が取りつく。
持ち物を運び出しても、それを救いえず
救い出しても、わたしはそれを剣に渡す。
  ミカ6:10-14
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

細工を施した升、天秤、重り石・・・、
不正と不法がまかり通っていた時代。

神は天からすべてを見渡しておられた。

ミカを通して警告が発せられる。

心を入れ替えなければ、
疫病、飢饉、戦争などの災いが起こると。

人々は預言者の警告を受け入れたのだろうか?

残念ながら後に、ユダはバビロニアに滅ぼされてしまう。


彼らはミカの叫びに耳を傾けるべきであった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人よ、何が善であり
主が何をお前に求めておられるかは
お前に告げられている。
正義を行い、慈しみを愛し
へりくだって神と共に歩むこと、これである。
  ミカ6:8
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


No.102 預言者たち~ホセア:憐れまれる者

2008-06-06 10:37:51 | ホセア~マラキ
北王国イスラエルで41年間王位にあったヤロブアム二世の時代に、
預言者ホセアは活動を開始した。

残念なことにヤロブアム二世の治世は北王国にとって最後の繁栄の時代となった。
その後、度重なる謀反により6人の王たちが次々に北王国を治めるが、
まるで坂を転げ落ちるように王国は衰退し、
ついにはアッシリア帝国によって滅ぼされる。

ホセアはイスラエルの行く末をヤロブアム二世の時代に
既に預言していたわけであるが、
イスラエルの荒廃だけでなく、その後の回復までも預言していた。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
イスラエルの人々は、その数を増し
海の砂のようになり
量ることも、数えることもできなくなる。
彼らは
「あなたたちは、ロ・アンミ(わが民でない者)」と
言われるかわりに
「生ける神の子ら」と言われるようになる。
ユダの人々とイスラエルの人々は
ひとつに集められ
一人の頭を立てて、その地から上って来る。
イズレエルの日は栄光に満たされる。
あなたたちは兄弟に向かって
「アンミ(わが民)」と言え。あなたたちは姉妹に向かって
「ルハマ(憐れまれる者)」と言え。
  ホセア2:1-3
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

不義を犯したため、神に捨てられ、もはやわが民でないと呼ばれた民が、
生ける神の子らと呼ばれるようになる・・・。

いったんは滅びるが、それで終わるわけではない。
その先に逆転勝利が用意されている。
このようなメッセージは人々に希望を与える。

経営もいつも勝利ばかりではないだろう。
思い通りにいかないことも、失敗することもあるだろう。

しかし、失敗が失敗で終わるとは限らない。
人生にはセカンドチャンスが用意されている。
希望を失わない者には逆転の可能性が開かれる。

その失敗は無駄ではなかった。
必要な経験だった。と後で振り返ったとき言えるように、

その先にある希望の灯に目を留めたいものである。

No.101 預言者たち~アモス:いつまでも忘れない

2008-06-03 11:57:10 | ホセア~マラキ
相次ぐ不正の発覚により、老舗企業が暖簾を下ろした。
不誠実な行動のつけはいつか払わなければならなくなる。
預言者アモスも次のように警告している。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
このことを聞け。
貧しい者を踏みつけ
苦しむ農民を押さえつける者たちよ。
お前たちは言う。
「新月祭はいつ終わるのか、穀物を売りたいものだ。
 安息日はいつ終わるのか、麦を売り尽くしたいものだ。
 エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう。
 弱い者を金で、貧しい者を靴一足の値で買い取ろう。
 また、くず麦を売ろう。」
主はヤコブの誇りにかけて誓われる。
「わたしは、彼らが行ったすべてのことを
 いつまでも忘れない。」
  アモス8:4-7
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

アモスは家畜を飼い、いちじく桑を栽培する農家だった。
そんな彼に、ある日、主の言葉を預言する任務が与えられる。
アモスはイスラエルの真ん中で大胆に神の言葉を語った。

ここで、在庫を残したくない商人たちのたくらみが暴かれる。
彼らは、細工を施した偽りの升や天秤で取引相手をだまし、
弱い者、貧しい者をいいように利用し、
商品の品質をごまかした。

アモスは言う。
「主は、彼らが行ったすべてのことをいつまでも忘れない」。

不正の報いは必ずいつか来る。

「隠れているもので、あらわにならないものはなく、
 秘められたもので、人に知られず、公にならないものはない。」
                         (ルカ8:17)

No.100 預言者たち~ヨナ:これに呼びかけよ

2008-05-31 17:44:19 | ホセア~マラキ
「イエスはお答えになった。『よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。つまり、ヨナが三日三晩、大魚の腹の中にいたように、人の子も三日三晩、大地の中にいることになる。」                   (マタイ12:39-40)

イエス・キリストは自らの復活を預言者ヨナの逸話を用いて予告した。

預言者ヨナの身に起こった出来事を記す「ヨナ書」は以下のように始まる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主の言葉がアミタイの子ヨナに臨んだ。
「さあ、大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。
 彼らの悪はわたしの前に届いている。」
しかしヨナは主から逃れようとして出発し、タルシシュに向かった。
ヤッファに下ると、折よくタルシシュ行きの船が見つかったので、
船賃を払って乗り込み、人々に紛れ込んで主から逃れようと、
タルシシュに向かった。
主は大風を海に向かって放たれたので、海は大荒れとなり、
船は今にも砕けんばかりとなった。
 ヨナ1:1-4
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アッシリア王国の首都ニネベに行き宣教するよう、ヨナは主から命令を受けた。

ヨナのとった行動はニネベとは正反対の方角にあるタルシシュへの逃避行だった。

ヨナは自分の使命から逃れようとしたのだ。

首尾よくタルシシュ行きの船に乗り込んだヨナであったが、
主から逃れることはかなわなかった。

海が大荒れとなり船が難船しかかる。
災難の元凶を取り除こうと乗組員らによって海にほうり込まれたヨナは、
巨大な魚に呑み込まれ腹の中で三日三晩を過ごし、そこで悔い改める。

紆余曲折を経たもののヨナはニネベに向かいその町を救いに導くのだった。


あなたの果たすべき使命は何だろう。

神によって与えられた使命から逃れることはできない。

No.99 預言者たち~ヨエル:夢を見、幻を見る

2008-05-28 21:21:27 | ホセア~マラキ
今回は預言者ヨエルの言葉を紹介する。
ヨエルの預言の言葉は新約聖書にも登場する(使徒言行録2章)。
1日に3000人がバプテスマを受けた五旬祭の日に、
使徒ペトロは人々の心を動かした有名な説教の中でヨエルを引用した。
下記はその一部である。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その後
わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し
老人は夢を見、若者は幻を見る。
 ヨエル3:1
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「老人は夢を見、若者は幻を見る」、
なんと印象的なフレーズだろう。

英語の ”New International Version” では、
“…your old men will dream dreams, your young men will see visions.”
と記されている。

もし、あなたの会社がこのようだったらどうなるのか想像してみてほしい。

定年を控えたベテラン社員らは夢を見、若手社員たちはビジョンを見ている・・・。

何か、活力に溢れ、輝いている職場がイメージされるではないか。

翻って一般的な現実はというと、
この国では年金がもらえるかと老後に不安を抱えている人々や、
将来に夢を持てない若者が増えているように感じる。

社会に流されることなく、夢に満ちた社風をつくるにはどうしたらよいのだろうか。

ヨエルの言葉を引用したペトロは自らの手紙の中でこうも言っている。

「ゆだねられている人々に対して、権威を振り回してもいけません。
 むしろ、群れの模範になりなさい。」
                          (Ⅰペトロ5:3)

どうやらリーダーの影響力は絶大なようだ。

No.98 預言者たち~オバデヤ:頭上に返る業

2008-05-25 20:28:03 | ホセア~マラキ
今回はオバデヤによる預言である。
オバデヤはエドムというユダの南東に位置していた国に対し預言を行った。
預言者オバデヤの言葉に耳を傾けてみよう。

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兄弟ヤコブに不法を行ったので
お前は恥に覆われ、とこしえに滅ぼされる。
お前が離れて立っていたあの日
異国の者がエルサレムの財宝を奪い
他国の者がその門に入り
エルサレムをくじ引きにして取ったあの日に
お前も彼らの一人のようであった。
兄弟が不幸に見舞われる日に
お前は眺めていてはならない。
ユダの人々の滅びの日に
お前は喜んではならない。
その悩みの日に
大きな口をきいてはならない。
その災いの日に
わが民の門に入ってはならない。
その災いの日に
苦しみを眺めていてはならない。
その災いの日に
彼らの財宝に手を伸ばしてはならない。
逃げて行く者を殺すために
別れ道で待ち伏せしてはならない。
その悩みの日に
生き残った者を引き渡してはならない。
主の日は、すべての国に近づいている。
お前がしたように、お前にもされる。
お前の業は、お前の頭上に返る。
 オバデヤ10-15
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ユダが災難に苦しんでいた時、隣国のエドムは傍観した。

オバデヤはエドムに警告した。
「お前の業は、お前の頭上に返る」と。

知り合いが災難に遭った場合のあなたの行動やいかに。


「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。」(ルカ6:31)

「あなたがたは自分の量る秤で量り返される」(ルカ6:38)