経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.130 預言者たち~ダニエル(3):不思議な夢

2008-08-29 23:57:28 | ダニエル
寝ている間夢を見ることがあなたにもあるだろう。
最近見た夢を覚えているだろうか?
その夢には何か意味があるのかもしれない。

バビロニアの王ネブカドネツァルはある晩奇妙な夢を見た。
彼が見た夢は、不思議な像と石の夢だった。

その像は、頭が金、胸と腕が銀、腹と腿が青銅、
すねが鉄、足は一部が鉄、一部が陶土でできていた。
ある石がどこからともなく現れ、その像の足の部分を砕くと像は跡形もなくなり、
やがて石は大きな山となり全地に広がった。

ダニエルは王の見た夢を見事に解き明かすことができた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
これが王様の御覧になった夢です。さて、その解釈をいたしましょう。
王様、あなたはすべての王の王です。
天の神はあなたに、国と権威と威力と威光を授け、人間も野の獣も空の鳥も、
どこに住んでいようとみなあなたの手にゆだね、
このすべてを治めさせられました。
すなわち、あなたがその金の頭なのです。
あなたのあとに他の国が興りますが、これはあなたに劣るもの。
その次に興る第三の国は青銅で、全地を支配します。
第四の国は鉄のように強い。
鉄はすべてを打ち砕きますが、あらゆるものを破壊する鉄のように、
この国は破壊を重ねます。
足と足指は一部が陶工の用いる陶土、一部が鉄であるのを御覧になりましたが、
そのようにこの国は分裂しています。
鉄が柔らかい陶土と混じっているのを御覧になったように、
この国には鉄の強さもあります。
足指は一部が鉄、一部が陶土です。
すなわち、この国には強い部分もあれば、もろい部分もあるのです。
また、鉄が柔らかい陶土と混じり合っているのを御覧になったように、
人々は婚姻によって混じり合います。
しかし、鉄が陶土と溶け合うことがないように、ひとつになることはありません。
この王たちの時代に、天の神は一つの国を興されます。
この国は永遠に滅びることなく、その主権は他の民の手に渡ることなく、
すべての国を打ち滅ぼし、永遠に続きます。
山から人手によらず切り出された石が、
鉄、青銅、陶土、銀、金を打つのを御覧になりましたが、
それによって、偉大な神は引き続き起こることを王様にお知らせになったのです。
この夢は確かであり、解釈もまちがいございません。」
これを聞いたネブカドネツァルはひれ伏してダニエルを拝し、
献げ物と香を彼に供えさせた。
王はダニエルに言った。
「あなたがこの秘密を明かすことができたからには、あなたたちの神はまことに
 神々の神、すべての王の主、秘密を明かす方にちがいない。」
  ダニエル2:36-47
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ネブカドネツァルは夢により、その後の世界の動きを知らされたのだ。
すなわちそれはネブカドネツァル以降の覇権国の移り変わりだった。

金はネブカドネツァルが治めるバビロニア帝国。
銀はペルシャ帝国。
青銅はアレキサンダー大王のギリシャ帝国。
そして鉄はローマ帝国である。

ローマ帝国は次々と周辺国家を征服し版図を広げた多民族国家だったが、
属州での反乱が後を絶たなかった。

この夢とその解釈が真実であることは歴史が如実に物語っている。

この夢には、鉄の時代、つまりローマ帝国の時代に
一つの国が興ると示されている。
その国は、夢に登場する他の国々と違い、永遠に滅びることがないという。

はたしてその国とは?


新約聖書はローマ帝国の時代が舞台だ。


ネブカドネツァルの時代にその後600年に及ぶ世界の動きが予告された。

神には計画がある。

そして時に夢によって人に働きかける。


No.129 預言者たち~ダニエル(2):医食同源

2008-08-26 20:40:59 | ダニエル
「体にいい◎◎」、「体脂肪を燃焼する△△」・・・、
世は、ちょっとした健康ブームだ。
「メタボ」を気にされている方も多いことだろう。

医食同源。
健康のため、食事に気を使うことも必要だ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ダニエルは宮廷の肉類と酒で自分を汚すまいと決心し、
自分を汚すようなことはさせないでほしいと侍従長に願い出た。
神の御計らいによって、侍従長はダニエルに好意を示し、親切にした。
侍従長はダニエルに言った。
「わたしは王様が恐ろしい。
 王様御自身がお前たちの食べ物と飲み物をお定めになったのだから。
 同じ年ごろの少年に比べてお前たちの顔色が悪くなったら、
 お前たちのためにわたしの首が危うくなるではないか。」
ダニエルは、侍従長が自分たち四人の世話係に定めた人に言った。
「どうかわたしたちを十日間試してください。
 その間、食べる物は野菜だけ、飲む物は水だけにさせてください。
 その後、わたしたちの顔色と、宮廷の肉類をいただいた少年の顔色を
 よくお比べになり、その上でお考えどおりにしてください。」
世話係はこの願いを聞き入れ、十日間彼らを試した。
十日たってみると、彼らの顔色と健康は
宮廷の食べ物を受けているどの少年よりも良かった。
それ以来、世話係は彼らに支給される肉類と酒を除いて、
野菜だけ与えることにした。
 ダニエル1:8-16
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ネブカドネツァル王の計らいにより特別に選ばれ、
バビロニア流の英才教育を受けることになった捕囚の子ダニエルは、
宮廷が支給する肉類と酒は自らを汚すものと判断した。

ダニエルは侍従長に自分の意志を伝えたが、彼は王を恐れその申し出を拒否した。
あきらめないダニエルは、世話役に対してある提案を投げかけた。

10日間試してもらいたい。
自分たちに、10日間、水と野菜だけを与え、
10日後、自分たちの顔色と肉を食べた少年たちの顔色とを比べてみてほしい。
そのうえで判断してほしい。


彼は「10日間お試し」という手に打って出たのだ。
粘り強いダニエルは、結構いい営業マンになれただろう。

世話役は折れ、10日間、ダニエルとその仲間に水と野菜だけを与えた。

10日後、彼らの顔色は、他のどの少年よりも良かった。

菜食が健康に良いことは、この時代、既に証明されていたわけだ。


健康も優れた経営者の資質の一つだ。

体に良いものを摂り、悪いものは極力口にしないというのも節制である。

普段の食生活は、顔色をはじめ体に表れている。

あなたの顔色は?

あなたの体はあなただけのものではない。

No.128 預言者たち~ダニエル(1):奨学制度

2008-08-23 23:10:08 | ダニエル
これまで登場した数々の預言者の叫びもむなしく、
悔い改めることを拒んだユダ王国は、バビロニアに滅ばされた。
敗戦の結果、貴重な財宝と多くの住民はユダからバビロンへ引いて行かれた。

バビロンに捕囚として連れ去られた者たちの中に少年ダニエルも含まれていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、ネブカドネツァル王は侍従長アシュペナズに命じて、
イスラエル人の王族と貴族の中から、
体に難点がなく、容姿が美しく、何事にも才能と知恵があり、
知識と理解力に富み、宮廷に仕える能力のある少年を何人か連れて来させ、
カルデア人の言葉と文書を学ばせた。
王は、宮廷の肉類と酒を毎日彼らに与えるように定め、
三年間養成してから自分に仕えさせることにした。
この少年たちの中に、
ユダ族出身のダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの四人がいた。
侍従長は彼らの名前を変えて、
ダニエルをベルテシャツァル、ハナンヤをシャドラク、
ミシャエルをメシャク、アザルヤをアベド・ネゴと呼んだ。
 ダニエル1:3-7
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ネブカドネツァル王は、その善悪は別とすれば、非常に優秀なリーダーだった。
彼は、敵国の子弟であっても有能であれば
自国の将来のために登用しようと考えた。

いわばネブカドネツァル奨学制度だ。

王族と貴族の子弟らの中から、健康、容姿、知能、性格を審査し、
何人かの少年を選出した。

選ばれた少年たちは、3年間、バビロニアの言葉と文書を徹底的に学ばされた。
その間、彼らには最高級の待遇が施された。

ダニエルは彼らの中の一人だった。

ダニエルは、後にバビロニア、ペルシャで国家に貢献したばかりでなく、
預言者として活躍し、今日に至るまで世界中の人々に影響を与えている。

このような有意な人材が、みじめな捕囚の子として埋もれずにすんだのは、
ある意味、ネブカドネツァルの功績によるともいえよう。


御社は人材の育成をどれほど重視しているだろうか。
埋もれている人材はいないだろうか。

人材の育成に労を惜しむのはかえって益にならない。

この分野に関してはトップリーダーの見識がおおいに影響する。


No.127 預言者たち~ハバクク(2):何もないけれど

2008-08-20 23:25:58 | ホセア~マラキ
あなたが充実感を感じるのはどんな時だろう。
目標が達成された時だろうか?

期待したものが得られない限り満足はできないのだろうか?

ハバククの置かれた状況と彼の心の内を見てみよう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いちじくの木に花は咲かず
ぶどうの枝は実をつけず
オリーブは収穫の期待を裏切り
田畑は食物を生ぜず
羊はおりから断たれ
牛舎には牛がいなくなる。

しかし、わたしは主によって喜び
わが救いの神のゆえに踊る。
わたしの主なる神は、わが力。
わたしの足を雌鹿のようにし
聖なる高台を歩ませられる。

指揮者によって、伴奏付き。

 ハバクク3:17-19
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この年、いちじくの木の花が咲かなかった。
ぶどう畑に行くと実がなかった。
オリーブも期待したほどの収穫は得られなかった。
田畑は食物を供給してくれなかった。
羊の柵は空っぽだった。
牛舎に行くと牛が姿を消していた。


この「状況」は最悪と言っていいだろう。


このような状況でハバククの心境はどんなものだったのだろう?

落ち込んでいてもおかしくはないはずだ。


だが彼は、・・・

喜んでいた。
踊るほどに。


周りの状況が個人の充実感を妨げるとは限らない。

その人がその人らしく自分の価値観を尊重して生きていれば、
たとえ思い通りの成果が現れなくても、内面を充実させることができる。


ハバククは神の力により満たされていた。


No.126 預言者たち~ハバクク(1):大いに驚くがよい

2008-08-17 18:37:59 | ホセア~マラキ
人生は複雑で予測不能なことも多い。
目前の出来事の意味を理解するのは至難の業だ。

長期的な視点が得られたとき、
今、何が起きているか判断するためのヒントが得られることがある。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのに
いつまで、あなたは聞いてくださらないのか。
わたしが、あなたに「不法」と訴えているのに
あなたは助けてくださらない。
どうして、あなたはわたしに災いを見させ
労苦に目を留めさせられるのか。
暴虐と不法がわたしの前にあり
争いが起こり、いさかいが持ち上がっている。
律法は無力となり
正義はいつまでも示されない。
神に逆らう者が正しい人を取り囲む。
たとえ、正義が示されても曲げられてしまう。

諸国を見渡し、目を留め
大いに驚くがよい。
お前たちの時代に一つのことが行われる。
それを告げられても、お前たちは信じまい。
見よ、わたしはカルデア人を起こす。
それは冷酷で剽悍な国民。
地上の広い領域に軍を進め
自分のものでない領土を占領する。
彼らは恐ろしく、すさまじい。
彼らから、裁きと支配が出る。

 ハバクク1:2-7
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ハバククはエレミヤと同時代に活動した預言者だ。

ハバククは主に問いかけた。

暴虐と不法が見過ごしにされているのはなぜか、と。


主は答えられた。

お前たちの時代に信じられないような驚くべきことが行われる。
カルデア人(バビロニア人)が兵を起こし、領土を占領する。
カルデア人から裁きと支配が出る。


何も動いていないように見えて、確実に時代は動いていたのである。

No.125 預言者たち~エレミヤ(11):抗戦か降伏か

2008-08-14 19:21:35 | エレミヤ
経営はいつも思い通りに事が運ぶとは限らない。
その場合、「撤退」も賢い選択肢の一つである。
ただこの選択には大きな決断力が必要である。

エレミヤの時代、ユダは大きな国難に見舞われていた。
カルデア軍(バビロニア軍)の脅威が迫っていたのだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「主はこう言われる。この都にとどまる者は、剣、飢饉、疫病で死ぬ。
 しかし、出てカルデア軍に投降する者は生き残る。命だけは助かって生き残る。
 主はこう言われる。
 この都は必ずバビロンの王の軍隊の手に落ち、占領される。」
役人たちは王に言った。
「どうか、この男を死刑にしてください。
 あのようなことを言いふらして、
 この都に残った兵士と民衆の士気を挫いています。
 この民のために平和を願わず、むしろ災いを望んでいるのです。」
ゼデキヤ王は答えた。
「あの男のことはお前たちに任せる。
 王であっても、お前たちの意に反しては何もできないのだから。」
そこで、役人たちはエレミヤを捕らえ、
監視の庭にある王子マルキヤの水溜めへ綱でつり降ろした。
水溜めには水がなく泥がたまっていたので、エレミヤは泥の中に沈んだ。
  エレミヤ38:2-6
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

カルデア軍に投降せよ。
そうエレミヤはすべての民に語った。
役人たちはエレミヤを民衆の士気を挫く「非国民」だとして死刑を要求した。
王は「お前たちの意に反しては何もできない」と言って
指導力を発揮しえなかった。
エレミヤは泥のたまった水溜めにつり降ろされた。

エレミヤを主の預言者と認める王は、
ひそかに使者を遣わしてエレミヤを呼び出し国家の進むべき道を尋ねた。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そこで、エレミヤはゼデキヤに言った。
「イスラエルの神、万軍の神なる主はこう言われる。
 もし、あなたがバビロンの王の将軍たちに降伏するなら、
 命は助かり、都は火で焼かれずに済む。
 また、あなたは家族と共に生き残る。
 しかし、もしバビロンの王の将軍たちに降伏しないなら、
 都はカルデア軍の手に渡り、火で焼かれ、
 あなたは彼らの手から逃れることはできない。」
  エレミヤ38:17-18
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

エレミヤはゼデキア王に降伏を勧めた。
降伏すれば命は助かり、都は焼かれず、家族も生き残る、と。

ゼデキアはどうしただろうか。

「ゼデキアはバビロンの王に反旗を翻した。」(列王記下24:20)

王はエレミヤの助言を無視した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
カルデア軍は彼らの後を追い、エリコの荒れ地でゼデキヤに追いついた。
王は捕らえられて、ハマト地方のリブラにいるバビロンの王
ネブカドレツァルのもとに連れて行かれ、裁きを受けた。
リブラでバビロンの王は、ゼデキヤの目の前でその王子たちを殺した。
バビロンの王はユダの貴族たちもすべて殺した。
その上で、バビロンの王はゼデキヤの両眼をつぶし、
青銅の足枷をはめ、彼をバビロンに連れて行った。
カルデア人は、王宮と民家に火を放って焼き払い、
エルサレムの城壁を取り壊した。
民のうち都に残っていたほかの者、投降した者、その他の生き残った民は、
バビロンの親衛隊の長ネブザルアダンによって捕囚とされ、連れ去られた。
エレミヤ39:5-9
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ゼデキア王の治世9年にバビロン軍はエレサレムを包囲し、
治世11年には食糧が尽き、都の一角が破られた。
王と戦士らは夜中に都を脱出するが、追手によって捕縛される。

ゼデキアは王子たちが殺されるのを見せられた後、両眼をつぶされる。

都は火で焼かれ、城壁は取り壊された。


エレミヤの助言を受け入れていれば、
このような悲劇に遭わずに済んだであろうに。


降伏するか、徹底抗戦するか、
この意思決定は次代に大きな影響を及ぼす。


そういえば、今日は東京のある地下壕で、降伏するか否かの会議が行われた日だ。
63年前のことだ。

No.124 預言者たち~エレミヤ(10):不動産投資

2008-08-11 22:00:25 | エレミヤ
いつ、どこに資金を投入するか
それは大事な意思決定の一つである。

エレミヤも不動産を購入したときがあった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主の言葉どおり、いとこのハナムエルが獄舎にいるわたしのところに来て言った。
「ベニヤミン族の所領に属する、アナトトの畑を買い取ってください。
 あなたに親族として相続し所有する権利があるのですから、
 どうか買い取ってください。」
わたしは、これが主の言葉によることを知っていた。
そこで、わたしはいとこのハナムエルからアナトトにある畑を買い取り、
銀十七シェケルを量って支払った。
わたしは、証書を作成して、封印し、証人を立て、銀を秤で量った。
そしてわたしは、定められた慣習どおり、封印した購入証書と、
封印されていない写しを取って、
マフセヤの孫であり、ネリヤの子であるバルクにそれを手渡した。
いとこのハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、
獄舎にいたユダの人々全員がそれを見ていた。
そして、彼らの見ている前でバルクに命じた。
「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。
 これらの証書、すなわち、封印した購入証書と、その写しを取り、
 素焼きの器に納めて長く保存せよ。
 イスラエルの神、万軍の主が、
 『この国で家、畑、ぶどう園を再び買い取る時が来る』
 と言われるからだ。」
  エレミヤ32:8- 15
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


このときエレミヤは、あからさまな預言活動のゆえ獄舎に拘留されていた。

そこにいとこが来て、畑を買ってくれるよう頼んだ。

バビロニアに荒らされ、捕囚として人々が連れ去られた後
そんな畑に何の価値があるだろう。

エレミヤは銀17シュケルを支払った。(1シュケルは11.5g)
そして、購入証書の正本と副本をしっかりと保管するよう書記バラクに命じた。

エレミヤには確信があった。
将来、人々はこの土地に戻ってくるのだと。


先が見えているのと見えていないのでは、投資の意思決定が違ってくる。


No.123 預言者たち~エレミヤ(9):平和の計画

2008-08-08 11:49:44 | エレミヤ
先の見えない困難な状態というのは苦しいものだ。
しかし、将来に希望があれば、苦難を乗り越える力も湧いてくる。

どん底の状態にあるユダの住民に対しエレミヤは語った。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主はこう言われる。
バビロンに七十年の時が満ちたなら、わたしはあなたたちを顧みる。
わたしは恵みの約束を果たし、あなたたちをこの地に連れ戻す。
わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。
それは平和の計画であって、災いの計画ではない。
将来と希望を与えるものである。
そのとき、あなたたちがわたしを呼び、来てわたしに祈り求めるなら、わたしは聞く。
わたしを尋ね求めるならば見いだし、心を尽くしてわたしを求めるなら、
わたしに出会うであろう、と主は言われる。
わたしは捕囚の民を帰らせる。
わたしはあなたたちをあらゆる国々の間に、またあらゆる地域に追いやったが、
そこから呼び集め、かつてそこから捕囚として追い出した元の場所へ連れ戻す、
と主は言われる。
 エレミヤ29:10-14
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ユダ王国はバビロンに侵略され、都は焦土と化し、住民は捕囚として連行された。

エレミヤはここで70年後に起こる出来事を預言している。
70年経てば捕囚の民がエルサルムに戻ってくると。

神は、災いの計画ではなく、平和の計画を用意された。

打ちひしがれた民に、将来と希望を与えられた。


歴史はエレミヤの預言が正しかったことを証明している。


計画がある。

果たして、あなたのために立てられた計画とはどのようなものだろうか。

No.122 預言者たち~エレミヤ(8):立派な指導者

2008-08-05 23:07:52 | エレミヤ
ユダ王国は滅亡への道をひた走っていた。
エレミヤは当時の王について以下のように語った。

会社が末期症状に陥らないよう、現代の経営者もよく耳を傾けるべきだろう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
災いだ、恵みの業を行わず自分の宮殿を
正義を行わずに高殿を建て
同胞をただで働かせ
賃金を払わない者は。
彼は言う。
「自分のために広い宮殿を建て
 大きな高殿を造ろう」と。
彼は窓を大きく開け
レバノン杉で覆い、朱色に塗り上げる。
あなたは、レバノン杉を多く得れば
立派な王だと思うのか。
あなたの父は、質素な生活をし
正義と恵みの業を行ったではないか。
そのころ、彼には幸いがあった。
彼は貧しい人、乏しい人の訴えを裁き
そのころ、人々は幸いであった。
こうすることこそ
わたしを知ることではないか、と主は言われる。
あなたの目も心も不当な利益を追い求め
無実の人の血を流し、虐げと圧制を行っている。
 エレミヤ22:13-17
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レバノン杉は当時、高級建材だった。
この王はレバノン杉を多く得るのが立派な指導者だと思い込んでいたようだ。


エレミヤは語った。

父を思い出してみよ。

彼は質素な生活をしていたが幸せだった。

彼は正義と恵みの業を行った。
彼は貧しい人の訴えに耳を傾けた。
だから彼の周りにいた人たちも幸せだった。

ところが、あなたは不当な利益を追い求め、同胞をただで働かせている。



優れた指導者とはどのような人を指すのか。

幸せとは何なのか。


今一度、考えてみよう。


No.121 預言者たち~エレミヤ(7):押さえつけられない情熱

2008-08-02 14:55:05 | エレミヤ
どうしても、せずにはいられないもの。
自分がしなければならないこと。

あなたにとって、それは何だろう?

それは「存在意義」や「使命」という言葉で言い表されるものだ。


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主よ、あなたがわたしを惑わし
わたしは惑わされて
あなたに捕らえられました。
あなたの勝ちです。
わたしは一日中、笑い者にされ
人が皆、わたしを嘲ります。
わたしが語ろうとすれば、それは嘆きとなり
「不法だ、暴力だ」と叫ばずにはいられません。
主の言葉のゆえに、わたしは一日中
恥とそしりを受けねばなりません。
主の名を口にすまい
もうその名によって語るまい、と思っても
主の言葉は、わたしの心の中
骨の中に閉じ込められて
火のように燃え上がります。
押さえつけておこうとして
わたしは疲れ果てました。
わたしの負けです。
 エレミヤ20:7- 9
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


エレミヤは周囲から相当な嘲りを受けていたようだ。
それらは、不法なものであり、暴力を伴った。

彼はあまりの苦痛に、もう主の言葉を語るのをやめようと思ったこともあった。

しかし、それは叶わなかった。

沈黙を保っていると、彼の心や骨から、メッセージが燃え上がった。
押さえつけておくことはもはや不可能だった。


あなたには、語らずにはいられないメッセージがあるだろうか?
行動せずにいられないものがあるだろうか?

もし、あなたがそれを語るために、行動するために生まれてきたのなら、
到底、それを押さえつけておくことはできないだろう。