経営者のための聖書講座

永遠のベストセラー、聖書からビジネスのヒントを学ぶ

No.84 王たちの系譜~アサ:心を一つにする者

2008-03-30 22:50:33 | 歴代誌
レハブアムの時代に国の大半をイスラエルにもっていかれたユダ王国。
ユダの王はレハブアム、アビヤ、アサと受け継がれていた。
アサは「その神、主の目にかなう正しく善いことを行った」。
アサの善政により平和を謳歌するユダ。
だが、アサの治世36年に敵国イスラエルが侵攻を開始する。
危機に際してアサは宝物庫から金銀を取り出し隣国のアラムに同盟を求める。
イスラエルは砦の構築を中止し退却、同盟は功を奏した。
だが、それはアサの繁栄の終わりの始まりとなった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そのとき、先見者ハナニがユダの王アサのもとに来て言った。
「あなたはアラム王を頼みとし、あなたの神、主を頼みとしなかった。
 それゆえ、アラムの王の軍隊はあなたの支配を離れる。
 クシュ人とリビア人は非常に多くの戦車と騎兵を有する大きな軍隊であったが、
 あなたが主を頼みとしたので、主は彼らをあなたの手に渡されたではないか。
 主は世界中至るところを見渡され、
 御自分と心を一つにする者を力づけようとしておられる。
 この事について、あなたは愚かだった。今後、あなたには戦争が続く。」
アサは先見者のこの言葉を聞いて怒り、彼を獄に投じた。
この事で彼に対して激しく怒ったからである。
またアサはそのとき、民の中のある者たちを虐待した。
  歴代誌下16:7-10
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それまで主に助けを求め、主によって守られてきたアサであったが、
平和ボケになって心がずれたのか、王になって36年目の危機に瀕し、
金銀の力、隣国の力に頼り、主を頼みとしなかった。

また、正しく助言する者を虐待した。

彼はその3年後に極めて重い足の病にかかるが、
その病の中にあっても主を求めなかった。 

悲しいことである。
病にかかって2年後、彼は死んだ。

主は世界中至るところを見渡されておられるのだ。


◎今日の設問
1,あなたが危機に直面したとき頼るものは何だろう?
2,あなたの「ハナニ」が何か進言してきたとき、どのように反応するだろう?
3,世界中至る所を見渡しておられる主の目にあなたはどう映っているだろう?

No.83 王たちの系譜~ヤロブアム:不必要な不安

2008-03-27 00:21:38 | 列王記
レハブアムの時代に分裂した二つの国家、イスラエルとユダ。
イスラエルを率いたのは民衆の圧倒的支持により王となったヤロブアムだった。
しかし、ヤロブアムの心にはある種の不安がよぎる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ヤロブアムは心に思った。
「今、王国は、再びダビデの家のものになりそうだ。
 この民がいけにえをささげるためにエルサレムの主の神殿に上るなら、
 この民の心は再び彼らの主君、ユダの王レハブアムに向かい、
 彼らはわたしを殺して、ユダの王レハブアムのもとに帰ってしまうだろう。」
彼はよく考えたうえで、金の子牛を二体造り、人々に言った。
「あなたたちはもはやエルサレムに上る必要はない。
 見よ、イスラエルよ、
 これがあなたをエジプトから導き上ったあなたの神である。」
  列王記上12:26-28
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

民の心が自分から離れてしまうことを恐れたヤロブアムは
金の子牛の像を造り、それを神と称し、民に礼拝させた。
偶像礼拝を何よりも嘆かれる神、主はヤロブアムに言づてされた。

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行ってヤロブアムに言いなさい。
『イスラエルの神、主はこう言われる。
 わたしはあなたを民の中から選び出して高め、わが民イスラエルの指導者とし、
 ダビデの家から王国を裂いて取り上げ、あなたに与えた。
 しかし、わが僕ダビデがわたしの戒めを守り、
 心を尽くしてわたしに従って歩み、
 わたしの目にかなう正しいことだけを行ったのとは異なり、
 あなたはこれまでのだれよりも悪を行い、
 行って自分のために他の神々や、鋳物の像を造り、
 わたしを怒らせ、わたしを後ろに捨て去った。
 それゆえ、わたしはヤロブアムの家に災いをもたらす。
 ヤロブアムに属する者は、イスラエルにおいて縛られている者も、
 解き放たれている者も、男子であれば、すべて滅ぼし、
 人が汚物を徹底的にぬぐい去るように、
 わたしはヤロブアムの家に残る者をぬぐい去る。
  列王記上14:7-11
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ヤロブアムをイスラエルの指導者としたのは他ならぬ神であった。
神はヤロブアムを祝福しようとされていたのだ。

ヤロブアムは勝手に疑いを抱いた。
彼の不必要な不安と不信頼が金の子牛を造らせた。

偶像礼拝がいかに恐ろしい罪か、日本人はにわかに理解しがたいだろう。
だが、この罪の恐ろしさを人は知るべきである。

このヤロブアムの罪によりヤロブアムの家に滅びがもたらされることとなった。


◎今日の設問
1.あなたを不安にさせているものがあるとしたら、それは何だろう?
2.その不安は本当に必要なものだろうか?
3.「金の子牛」を造ってないだろうか? 

No.82 王たちの系譜~レハブアム:コンプレックス

2008-03-22 17:39:48 | 列王記
今回から、聖書の中の列王記と歴代誌より、
ソロモンの死後南北に分裂したイスラエルとユダ、
それぞれに君臨した王たちのエピソードをいくつか取り上げていきたい。

ダビデからソロモンへと引き継がれた王国は繁栄のピークを謳歌していた。
列王記、歴代誌はその王国が衰退し滅亡するまでの歴史が描かれている。

ソロモンの後を継いだのは、その子レハブアムだった。
彼の時代に王国は早々と分裂する。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
すべてのイスラエル人が王を立てるためにシケムに集まって来るというので、
レハブアムもシケムに行った。
ネバトの子ヤロブアムは、ソロモン王を避けて逃亡した先のエジプトにいて、
このことを聞いたが、なおエジプトにとどまっていた。
ヤロブアムを呼びに使いが送られて来たので、
彼もイスラエルの全会衆と共に来て、レハブアムにこう言った。
「あなたの父上はわたしたちに苛酷な軛を負わせました。
 今、あなたの父上がわたしたちに課した苛酷な労働、
 重い軛を軽くしてください。
 そうすれば、わたしたちはあなたにお仕えいたします。」
彼が、「行け、三日たってからまた来るがよい」と答えたので、民は立ち去った。
レハブアム王は、存命中の父ソロモンに仕えていた長老たちに相談した。
「この民にどう答えたらよいと思うか。」
彼らは答えた。
「もしあなたが今日この民の僕となり、彼らに仕えてその求めに応じ、
 優しい言葉をかけるなら、彼らはいつまでもあなたに仕えるはずです。」
しかし、彼はこの長老たちの勧めを捨て、
自分と共に育ち、自分に仕えている若者たちに相談した。
彼と共に育った若者たちは答えた。
「あなたの父上が負わせた重い軛を軽くせよと言ってきたこの民に、
 こう告げなさい。
 『わたしの小指は父の腰より太い。
  父がお前たちに重い軛を負わせたのだから、わたしは更にそれを重くする。
  父がお前たちを鞭で懲らしめたのだから、わたしはさそりで懲らしめる。』」
 列王記上12:1-11
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偉大な前任者をもった後継の悲しさか
レハブアムの自信のなさがそこかしこに垣間見える。
まるで主体性がない。(自分では何も決められない。)
そればかりかコンプレックスの塊のようである。

経験ある長老たちの優れたアドバイスを捨て、
未熟なボンボン育ちのお友達の意見を取り入れた。

その結果、ヤロブアムという有能な人材をはじめとする国民の心を勝ち取る
チャンスを逃し、逆に、国民の反感を買い、ヤロブアムを指導者に推挙する
国民の圧倒的多数によってイスラエル王の座から追い落とされる。

その後、レハブアムは、ただユダの町々に住むイスラエル人に対してのみ
王であり続けた。


◎今日の設問
1、自らの理想は明確だろうか?
2、普段どんな人のアドバイスを大切にしているだろう?
3、判断の基準にしているものは何だろう?  利己心? 他者への貢献?

No.81 ソロモンの最期

2008-03-19 23:55:21 | 列王記
聖書にはソロモンの晩年が記されている。
それは読む者に複雑な感情を引き起こす。
彼の人生の結末とは?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ソロモン王はファラオの娘のほかにも
モアブ人、アンモン人、エドム人、シドン人、ヘト人など
多くの外国の女を愛した。
これらの諸国の民については、主がかつてイスラエルの人々に、
「あなたたちは彼らの中に入って行ってはならない。
 彼らをあなたたちの中に入れてはならない。
 彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、彼らの神々に向かわせる」
と仰せになったが、ソロモンは彼女たちを愛してそのとりことなった。
彼には妻たち、すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた。
この妻たちが彼の心を迷わせた。
ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、
他の神々に向かわせた。
こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、自分の神、主と一つではなかった。
          ・・・
ソロモンの心は迷い、イスラエルの神、主から離れたので、
主は彼に対してお怒りになった。
主は二度も彼に現れ、他の神々に従ってはならないと戒められたが、
ソロモンは主の戒めを守らなかった。
そこで、主は仰せになった。
「あなたがこのようにふるまい、わたしがあなたに授けた契約と掟を
 守らなかったゆえに、わたしはあなたから王国を裂いて取り上げ、
 あなたの家臣に渡す。あなたが生きている間は父ダビデのゆえに
 そうしないでおくが、あなたの息子の時代にはその手から王国を
 裂いて取り上げる。ただし、王国全部を裂いて取り上げることはしない。
 わが僕ダビデのゆえに、わたしが選んだ都エルサレムのゆえに、
 あなたの息子に一つの部族を与える。」
  列王記上8:1-6,9-13
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老境に入ったとき、彼は外国の女たちによって心惑わされ、
偶像礼拝を行い、主から離れた。

その結果、彼の子供の時代にイスラエルは南北に分裂することになった。

自らの箴言で、誘惑に気をつけるよう、主に従うよう警告していたソロモンだが、
「ミイラ取りがミイラに」なってしまったようだ。
晩節を汚したといえよう。

これが人間の弱さというものなのだろうか。
大きな教訓を後世に残してソロモンは去った。

主に従い通してこの世を終えた彼の父ダビデとは異なる人生であった。

「わたし自身は、既にいけにえとして献げられています。
 世を去る時が近づきました。わたしは、戦いを立派に戦い抜き、
 決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。
 今や、義の栄冠を受けるばかりです。
 正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。
 しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、
 だれにでも授けてくださいます。」 
                   (テモテへの手紙二4:6-8)

人生最後の時にその人の真価が問われる。
あなたはどのような状態でこの世での人生を終えたいだろうか?

この点、ソロモンは後世の人々の「反面教師」となったのではないだろうか。

No.80 ソロモンの言葉(10):人間のすべて

2008-03-15 11:57:21 | コヘレトの言葉
ご好評いただいた「ソロモンの言葉シリーズ」も今回が最終回である。
以下ご紹介するのは『コヘレトの言葉』のラストの部分だ。
この中にソロモンの結論が記されている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
コヘレトは知恵を深めるにつれて、より良く民を教え、知識を与えた。
多くの格言を吟味し、研究し、編集した。
コヘレトは望ましい語句を探し求め、真理の言葉を忠実に記録しようとした。
賢者の言葉はすべて、突き棒や釘。
ただひとりの牧者に由来し、収集家が編集した。

それらよりもなお、わが子よ、心せよ。
書物はいくら記してもきりがない。学びすぎれば体が疲れる。
すべてに耳を傾けて得た結論。
「神を畏れ、その戒めを守れ。」
これこそ、人間のすべて。
神は、善をも悪をも
一切の業を、隠れたこともすべて
裁きの座に引き出されるであろう。
 コヘレトの言葉12:12-14
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

知恵と知識に満ち、栄華を極めたソロモン。
あなたは彼のメッセージをどう受け止めるのだろうか?

それから約1000年の後、この地域にイエス・キリストが現れる。
イエスはソロモンを登場させて次のように教えている。
ソロモンの結論に重ねてみるとまた味わい深い。

「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、
 また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。
 命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。

 空の鳥をよく見なさい。
 種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。
 だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。
 あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。
 あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、
 寿命をわずかでも延ばすことができようか。

 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。
 野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。
 働きもせず、紡ぎもしない。
 しかし、言っておく。
 栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
 今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、
 神はこのように装ってくださる。
 まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。

 だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、
 思い悩むな。それはみな、異邦人が切に求めているものだ。
 あなたがたの天の父は、これらのものがみな
 あなたがたに必要なことをご存じである。

 何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。
 そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。

 だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。
 その日の苦労は、その日だけで十分である。」

                           (マタイ6:25-34)

No.79 ソロモンの言葉(9):機会を逃すな

2008-03-10 22:07:04 | コヘレトの言葉
ソロモンの観察は続く。
彼の目は競技や商売にも注がれた。
彼がそこで見たものとは?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
太陽の下、再びわたしは見た。
足の速い者が競争に、強い者が戦いに
必ずしも勝つとは言えない。
知恵があるといってパンにありつくのでも
聡明だからといって富を得るのでも
知識があるといって好意をもたれるのでもない。
時と機会はだれにも臨むが人間がその時を知らないだけだ。
魚が運悪く網にかかったり
鳥が罠にかかったりするように
人間も突然不運に見舞われ、罠にかかる。
 コヘレトの言葉9:11-12
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

勝つのは誰か?

足の速い者か?強い者か?
知恵がある者、聡明な者、知識のある者か?

必ずしも彼らが勝利者になるわけではない。

歴史を振り返ってみたらいい。
あるいは最近のスポーツニュースを思い浮かべてみてもいい。
ソロモンの見識を裏付ける事柄は至る所に溢れている。

それでは勝利するのはどんな人なのか?

ソロモンは言う。
時を知る者だ、と。

チャンスは誰にでも臨むのに、それを知る者は稀だ。

あなたにとって機会とは何だろう?

「愚かな者としてではなく、賢い者として、細かく気を配って歩みなさい。
 時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。だから、無分別な者とは
 ならず、主の御心が何であるかを悟りなさい。」
                        (エフェソ5:15-17)

No.78 ソロモンの言葉(8):労苦の報い

2008-03-08 20:13:09 | コヘレトの言葉
この地上での日々をいかに過ごすか。
労苦の報いとは何か。
ソロモンはこのように記している。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さあ、喜んであなたのパンを食べ
気持よくあなたの酒を飲むがよい。
あなたの業を神は受け入れていてくださる。
どのようなときも純白の衣を着て
頭には香油を絶やすな。
太陽の下、与えられた空しい人生の日々
愛する妻と共に楽しく生きるがよい。
それが、太陽の下で労苦するあなたへの
人生と労苦の報いなのだ。
何によらず手をつけたことは熱心にするがよい。
いつかは行かなければならないあの陰府には
仕事も企ても、知恵も知識も、もうないのだ。
 コヘレトの言葉9:7-10
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

与えられているこの日を精一杯楽しむこと、
それを妨げるものはない。

喜んで食べ、気持ちよく飲む。
オシャレをして、愛する妻と共に楽しむ。

これらはあなたの労苦の報い。

神はこのような業を受け入れてくださる。

楽しむことに罪悪感を覚える必要はない。

感謝して大いに人生をエンジョイしよう。

No.77 ソロモンの言葉(7):働く者の眠り

2008-03-05 23:23:07 | コヘレトの言葉
いくら科学が進歩しても
人間の本質は変わらないようだ。
これは今から約3000年前の言葉だ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き、
正義の欠如などがこの国にあるのを見ても、驚くな。
なぜなら
身分の高い者が、身分の高い者をかばい
更に身分の高い者が両者をかばうのだから。
何にもまして国にとって益となるのは
王が耕地を大切にすること。

銀を愛する者は銀に飽くことなく
富を愛する者は収益に満足しない。
これまた空しいことだ。
財産が増せば、それを食らう者も増す。
持ち主は眺めているばかりで、何の得もない。
働く者の眠りは快い
満腹していても、飢えていても。
金持ちは食べ飽きていて眠れない。
 コヘレトの言葉5:7-11
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

格差社会や権力者による不正は、
どうやら現代日本特有の現象ではないらしい。

それはさておき、
経営者の悩みもまたいつの時代も変わらぬようだ。

しかし、そういった中、日々快眠を楽しむ術がある。
これもまた時代を問わない人類共通のものといえるだろう。

「働く者の眠りは快い」

よく働いた日の夜はぐっすり眠れるものだ。

精一杯働くということは人間に与えられた喜びのひとつなのだ。

さて、今夜はぐっすりと眠れそうですか?

No.76 ソロモンの言葉(6):目標の達成

2008-03-03 21:29:40 | コヘレトの言葉
あなたには目標があるだろうか?
あるならそれは何だろう? (すぐに出てくるだろうか?)
あなたは本当にそれを達成しようとしているだろうか?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
焦って口を開き、心せいて
神の前に言葉を出そうとするな。
神は天にいまし、あなたは地上にいる。
言葉数を少なくせよ。
夢を見るのは悩みごとが多いから。
愚者の声と知れるのは口数が多いから。
神に願をかけたら
誓いを果たすのを遅らせてはならない。
愚か者は神に喜ばれない。
願をかけたら、誓いを果たせ。
願をかけておきながら誓いを果たさないなら
願をかけないほうがよい。
口が身を滅ぼすことにならないように。
使者に「あれは間違いでした」などと言うな。
神はその声を聞いて怒り
あなたの手の業を滅ぼされるであろう。
夢や空想が多いと饒舌になる。
神を畏れ敬え。
 コヘレトの言葉5:1-6
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「願をかけたら、誓いを果たせ。」
「願をかけておきながら誓いを果たさないなら願をかけないほうがよい。」

これが聖書のアドバイスだ。

目標は達成するためにある。

「とりあえず目標を掲げておこう」とか、
「達成はできなくても、少しでもそれに近づけたからよい」
などというような曖昧な考え方とは一線を画している。

饒舌に経営目標を語っておきながら、期限が過ぎたとき、
「あれは間違いでした」
などと言うことを繰り返していたら、
周囲の人々のヤル気と信頼はいつか消えてなくなる。

「とりあえず目標を掲げている」のと
「絶対に目標を成し遂げる」というのでは
日々の取り組みが違ってくる。
その日々の積み重ねの結果には、大きな開きが生じることだろう。

No.76 ソロモンの言葉(5):誰のために

2008-03-02 23:39:18 | コヘレトの言葉
ソロモンの探求は続く。
彼はまた一つ、世の中にある空しい現象を発見する。
そして同時に、その対極にある尊いものにも気づく。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
わたしは改めて
太陽の下に空しいことがあるのを見た。
ひとりの男があった。友も息子も兄弟もない。
際限もなく労苦し、彼の目は富に飽くことがない。
「自分の魂に快いものを欠いてまで
 誰のために労苦するのか」と思いもしない。
これまた空しく、不幸なことだ。
ひとりよりもふたりが良い。
共に労苦すれば、その報いは良い。
倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。
倒れても起こしてくれる友のない人は不幸だ。
更に、ふたりで寝れば暖かいが
ひとりでどうして暖まれようか。
ひとりが攻められれば、ふたりでこれに対する。
三つよりの糸は切れにくい。
 コヘレトの言葉4:7-12
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある孤独な男がいた。
男の目は富を求めてギラギラしていた。
彼は富を手に入れるため際限もなく労苦を重ねていた。

ソロモンはその男を見て思ったのだろう。
「彼は充実感を感じているのだろうか?」
「彼は一体誰のために頑張っているのだろう?」

しかし、当の本人はそんなことを考える余裕もない。
ソロモンの目に彼の人生は空しいものに映った。

そこでソロモンは感じ入る。
「ひとりよりもふたりが良い。」
「三つよりの糸は切れにくい。」

あなたの魂は正直に反応しているに違いない。
自分に問いかけてみよう。

魂は今、快いものを感じているだろうか?
頑張っているのは誰のため?

この二つの問いには関連がありそうだ。