“尾をしがみ風の枯木の小鳥かな 虚子”
ある冬の朝のこと
職場でどこからともなく聞こえてくるスズメの群れが鳴く声…
探してみると一角に立つ枯れ木に止まっていた。
ということで正岡子規と親交のあった虚子の歌で冬の枯れ木を題材にした作品があったので掲載してみた。
そこで私が敬愛する漱石も同じく子規と親しくしていたが
その子規がその住まいを「獺祭(だっさい)書屋」と称していたとある。
獺祭とは、川獺(かわうそ)が捕えた魚を川辺に並べる習性がまるで供え物を祭るみたいに見えることから、書物を机に並べて詩作りなどに耽るというアカデミックな姿勢をいうらしい。
唐の詩人李商隠が自らを「獺祭魚庵」と号したことから、李商隠を尊敬する子規は「獺祭書屋主人」を名乗ったとされる。
ところで年明けもいよいよ迫り、巷では正月準備も慌ただしい。
今年習い始めた毛筆でなんとか手書きの年賀状を…などと愚かな考えは書を知れば知るほど恥ずかしくなる。
一応は師匠の手本を左に置いて真似てはみるが、出来上がりに失望してしまう。
おそらく送られた方は、山ほどある年賀状のたった一枚にしか過ぎない稚拙な字など気にもしないだろうが、カワウソに人を化かす能力があると云われているので見る人をゴマカスことができるかな(願)
拝