Dr. Jason's blog

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薬害C型肝炎

2005-01-20 | Environment
 今夜,TVの報道番組で薬害C型肝炎についての特集をみた.
現在進行中の薬害訴訟では,いつごろから,慢性肝炎が,肝硬変,肝臓ガンと進行すうるという知見があったのかが一つの重要な争点になっているらしい.
 政府側の証人として出た某先生は,1960年代にはまだその知見はなかったと証言したらしいが,ちょっと昔のその分野の教科書を調べれば,すでに昭和30年代の半ばには,そのことは教科書に出ていたことが判るという.また,厚生省が作成した当時の教育啓蒙用の映画の中にも,はっきりそのことについて言及している部分があり,それが原告側の証拠として提出されたということだ.(その映画の制作には,先の某先生も参画していたというオマケ付き.)ほとんど茶番である.
 政府側の弁護団は二流なのかもしれない.このような場合,普通は,自分たちの過去の問題となりそうなネタはすべて調べて,対策を考えるものだろうが,不利な証拠の作成に関わっていた人物を証人に選ぶとはどういうことだろう?
 それにしても,被告の三菱ウェルファーマ(本当の原告ミドリ十字を吸収合併したため)の答弁書の[重篤性]記述はちょっとひどい.「...C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すれば必ず急性肝炎を発症するものではないし,急性肝炎を発症したもののすべてが慢性肝炎に進展するものでもない。」というようなことで製薬会社の社会的責任を逃れられると本気で考えているような会社は即ボイコットするべきだと思う.もし,三菱ウェルファーマや厚生労働省の幹部がこのような前提を「事実」として本当に信じているなら,全員がC型肝炎ウイルスを注射して,「無症候性HCVキャリア」になるか「肝臓ガン」になるか自らの体で賭けてみるべきだと思う.
 過去に,問題の血液製剤をつかっていた病院のリストが公表されたが,すでに,その内容の正確さにも疑問が呈されているらしい.
 別の報道番組でインタビューに答えていた,アスベストの規制についての政府関係者のコメントも,「???」というものであった.
 全く,厚生労働省はどうなっているのだろうか?
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