Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

複合システムとしての情報システム

2006-03-13 | Informatics
  2/14のブログで紹介した情報処理学会の創立45周年記念イベント「日本のコンピュータ生誕50周年記念シンポジウム」 の前半に参加した.


 シンポジウムの前半には,以下の特別講演と基調講演があった.
 平日の日中にもかかわらず,西垣先生の特別講演が始まるころには,工学院大学の大教室がほぼ満席となり,一部には立ち見の参加者もいた.45周年記念ということで,60歳代後半から70歳代の学会のベテランの会員の方が多数参加されていた.


 特別講演:
  「情報学的転回とは何か」
  西垣 通 先生 (東京大学 大学院 情報学環 教授)

 基調講演:
  「ユニバーサル・コミュニケーションの時代 -充実した情報空間の建設に向けて-」
  長尾 真 先生 (独立行政法人 情報通信研究機構 理事長,元京都大学総長)


 西垣先生の講演は,昨年12/30のブログでも紹介した, 「情報学的転回」 をキーワードにしたお話だった.講演の最後の方で,
  情報システムは「人間=機械」複合システムである
という主旨のことおっしゃっていたが,全く同感である.
 通常のソフトウェア技術者は,情報システムの設計/開発/運用において,システムの構成要素としての人間のことをあまり考えていなし,人間についてあまり勉強していない.また,分業が進んだため,工学的な意味においても全体を「複合システム」として捉える視点が不足していると思う.

 長尾先生の講演は,今後のコンピュータ・ネットワーク上のサービスとコンテンツを展望したものであった.いくつかのトピックスが,会場にいた比較的若い世代の会員への長尾先生からの「宿題」のように聞こえたのは,私だけだったろうか?


 私は,この数年,情報学について,西垣先生にその著作等を通じて勝手に師事して来たが,当日は,始めて先生ご本人にお会いした.やはり,たった一時間弱の講演でも,著者の話しを直にきくと,更に理解と思索が深まる.

 講演のあと,名刺をお渡しご挨拶して,著書「情報学的転回」にサインをいただいた.良い記念になった.



情報学的転回―IT社会のゆくえ
西垣 通
春秋社

このアイテムの詳細を見る



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする