Jariaの玉手箱【更新終了】

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尼崎事故で事故調が中間報告

2005年09月06日 18時54分28秒 | JR関連ニュース
関連:
Yahoo!ニュース:<尼崎脱線事故>事故調中間報告 「なぜ」分からぬまま
Yahoo!ニュース:脱線、カーブ入り口から135メートル JR事故事故調が中間報告

尼崎事故から4ヶ月以上が経過した6日、国交省事故調査委員会が事故調査の中間報告を発表しました。
とりあえず、今回発表された主な点は以下の通り。

■中間報告骨子
・事故電車は、事故現場を含む半径304メートルの右曲線区間(制限速度70キロ)に110キロ以上の速度で進入した後に、常用ブレーキが作動した
・7両目の防護無線機の発報ボタンは押し込まれていたが、対向列車の下り特急は信号を受信していなかった
・事故電車は、伊丹駅到着時に停止位置目標を約70メートル行き過ぎた
・1両目と同型の速度計は、誤差が最大となる場合、速度120キロ前後で、実際よりも最大約4キロ低い速度が表示されるものだった

(Yahoo!ニュース:脱線、カーブ入り口から135メートル JR事故事故調が中間報告)

とりあえず、この中でも気になったのが、速度計の件と防護無線の件。
特に後者は、防護無線の操作がなされていたものの、事故によって通常電源が使用不能になっていた為に発信されなかったそうです。
勿論、不測の事態に備えて予備電源も付いていたのですが、その切り替えを車掌が行っておらず、マニュアルにも切り替えの必要性を示す項目はなかったとか。
何のためのマニュアルだか、わかったもんじゃありません。

ただ、あえて何処とは言いませんが、あるマスコミの記事では、信号炎管や非常ブレーキと防護無線の発信が同時に行える列車緊急防護装置(TE装置)が使用された形跡がなかったなんて書いてあります。
しかし、信号炎管は兎も角としても、TE装置は今回のケースで使用できたのでしょうか。
このTE装置というやつは、非常ブレーキ作動と防護無線の発信を同時に行うものであって、今回の様に列車があっという間に脱線、停止するようなケースでは車掌がそれを扱う時間があったのかどうか疑問です。
また、それ以前に車掌というのは出世コースでは運転士の前段階に位置する為、運転士を経験していない人も多く居ます。
ということは、運転士ほど列車の運転を熟知していない訳で、そういう人が果たして運転士を無視して非常ブレーキをかけられるものでしょうか。
実際、事故直後に放送されていた同社運転士なんかのインタビューを見た限りでは、カーブ直前までノーブレーキで来たあと、一気に減速するテクニックが遅延時には使われていたといいます。
このような環境下で、車掌がTE装置を作動させるのにはかなりの勇気が必要であることは言うまでもないでしょう。(もし、TE装置を使わなくても何も問題が起こらない状況だった場合、車掌が日勤教育を受ける破目になるかも知れない訳ですし)

ですから、今回の事故でTE装置が使われなかったことを責めるのは如何なものかと。
もし責めるのであれば、使わなかったことではなく、使うのに勇気の必要な装置と周辺環境を作ってしまったことを責めるべきではないでしょうか。

何だか、こうやって無理やり問題を作り出そうとしているところを見ると、鉄道について良く知らない一般人をバカにしているようにすら見えてきます。

さて、少し話を変えましょう。
今回の中間報告では、運転士の精神面や身体面のこととJRの体質についてはあまり踏み込んでいなかったようです。
これについては今後調査を行うとのことなので、最終報告時には当然の事ながらきちんと報告されるはずなのですが、一部にこうしたこと(要は、原因を現時点ではっきりさせないこと)を批判する声もありました。
確かに、それは一理あるとは思います。(実際、もう少しJRの体質などに踏み込むべきではあったと私も思います。)
ただ、はっきりと結論が出ていない段階で中途半端に踏み込むと、あとから取り返しのつかないことにもなりかねません。
別に事なかれ主義を擁護するつもりは微塵もありませんが、そうした意味で、慎重になることも仕方が無いと思います。

とりあえず、関連のリンク先によると最終報告まで1年半はかかるとのことですので、慎重に調査して間違いの無い結論を出して頂きたいと思います。

詳細は関連のリンク先を御覧下さい。

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