--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

南極条約

2006-06-24 | 南極だより
この記事を渡井さんに託して山に行ってきます。
そういえば南極漬けになってから、まともに山に登っていませんでした。
そろそろ登りたいという気持ちと、そろそろ登らなくちゃという気持ちが一緒くたになっています。
この記事がアップされる頃は山の中にいるはずです(たぶん)。


しばらく前に隊員さんのブログで、ミッドウィンターに交わすグリーティングカードには、それぞれの国の国旗が写されていないと書かれていました。
渡井さんが見せてくれた各国からのグリーティングカードも、どこの国なのか即座には分かりません。
昭和基地からのグリーティングカードに写る昭和基地の看板?の左にある日の丸も消されています。
やはりたまたま写っていないのではなく、国を示すものをカードには載せていないのです。
南極は「国境のない大陸」と言われています。
「国境のない大陸」とはどういうことなのか?私はまだまだ理解し切れてはいません。

南極条約は、
 ・南極地域の平和的利用(軍事基地、軍事演習の実施等の禁止)
 ・科学的調査の自由と国際協力の推進
 ・領土権・請求権の凍結
 ・核爆発・放射性物質の処理の禁止
 ・条約の遵守を確保するための監視員の設置
 ・南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
 ・条約の原則及び目的を助長するための措置を立案する会合の開催
を、大きな柱とした14条からなっています。

ずいぶん前に、この条約を読んだとき、私はとても驚きました。
地球上にこういう場所があったのか?!!と思ったのです。
南極は、未来を知る手がかりになるものがたくさん詰まった、地球にすむ私たちの共有の財産なのですね。
昭和基地からは他のどの基地も遠くて、そして実際の南極の生活や観測を知ることに精一杯で、この数ヶ月間でもあまり考えることがなかったのですが、各国のグリーティングカードは、再び大事なことを考えるきっかけを与えてくれたように思います。
来年は国際極年(IPY)ですし、南極条約を読み返し、観測隊の活動に重ね合わせながら、越冬後半を楽しみ、学んでいきたいと思います。
越冬が終わる頃には、何か少しでも見えてくるものがありますように。

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