社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

6月18日(火)

2013年06月22日 08時07分14秒 | 2013年

  7時起床。身支度を整え荷物をまとめてから、ゴロゴロして過ごす。これだけ良い部屋だと、1泊ではもったいない。

  8時半から朝食。事前に宿のオーナーが予約しておいてくださった「やまもり食堂」へ。いかにも普通の民家といった感じのお店で、これまたいかにも沖縄のおばあといった感じのお婆さんが対応してくださる。しかも、出て来た料理は超がつくほどの大盛り。沖縄では、たくさんの料理を出すことが歓迎の気持ちの表現方法らしい。実際、お婆さんがとにかく気にかけてくださり、色々と世話を焼いてくれた。こういう朝食も良いものである。味も美味しかったし大満足だったが、さすがに全てを食べきることは出来なかった。せっかくのご厚意なのに、それが申し訳ない。ちなみに、やまもり食堂の名前の由来は料理が山盛りで出てくるからではなく、やまもりさんが経営しているからだそうだ。


最初はこれで全部かと思いきや…。


更に追加があって結局こんなことに。これで1人前。しかも800円という破格。

  一旦宿へ戻り、オーナーさんにご挨拶をしてチェックアウト。本当に素晴らしい宿だった。今度竹富島に来る時も、間違いなくここに泊まるだろう。というか、もはやこの宿に泊まるために竹富島に来るかもしれない。

  竹富港から船に乗り、石垣島へ戻る。

  石垣港離島ターミナルから一旦バスで石垣空港へ戻り、レンタカーを借りる。某大手レンタカー屋で借りたのだが、対応があまりにマイペースで驚いた。うちなータイムの洗礼である。車には前の利用者の残したゴミが残っていたし、クレームのひとつでも言いたいところだが、それもまあ仕方ないかと思ってしまうのは、ここが沖縄だからだろう。

  まずは、島の北部を目指す。その途中、たまたま目に入った「BBQ GARDEN 楽笑」で昼食。石垣牛の牛丼と、ドラゴンフルーツの生ジュースを頂く。朝食が山盛りだったのであまりお腹は空いていなかったのだが、何だかんだでガツガツと平らげてしまった。

  最初の目的地は、玉取崎展望台。ここから眺める海は雄大で美しく、観光パンフレットの写真に出てきそうなほど良い景色だった。海は間近で眺めるのも良いが、こうして高いところから大きくとらえるのもまた味がある。

  そのまま北部をドライブし、所々で車を止めて景色を眺める。石垣島は、波照間島や竹富島に比べるとかなり都会に感じられるが、一歩集落を離れれば、これまた心癒される景色を数多く見ることが出来る。

  急なスコールに襲われたので、脇道に車を止めて少し休憩。ちょうど眠くなってきたところだったので、30分ほど仮眠を取る。起きた時には、いつの間にかまた青空が広がっていた。

  石垣島で絶景スポットとして有名だという川平湾へ。しかし、スコールの後だったためか海の水がかなり濁っており、絶景という感じではなかった。

  湾の近くにあるお土産屋さんで、ブルーシールアイスクリームを食べる。沖縄に来たら、一度はこれを食べないと。

  ラムサール条約に登録された干潟があるということで、名蔵アンパルへ。当初は遠くから干潟を眺める程度に考えていたのだが、せっかくなのでそこにある観光施設「石垣やいま村」に入ってみる。沖縄の古い民家や水牛、レッドリスト1A(絶滅危惧種)に指定されているオオカンムリワシなどを見ることが出来るだけでなく、アンパルのマングローブ林を間近で見たり、リスザルにエサをあげることもできる。このリスザルが本当にかわいくて、エサを持つと平気で私の肩や頭に乗ってエサをせがんできた。以前、伊豆でカメのエサやりをした時もそうだったが、私はこの手の動物とのふれあいには弱い。今日も、危うく全てのエサを買い占めるところだった。


水牛のたろう君。名前を呼ぶと、ちゃんとこっちを向いてくれる。


オオカンムリワシ。怪我をして野生に戻れなくなったので保護しているそうだ。

  レンタカーを返却し、空港へ戻る。家族へのお土産を購入・郵送してから、売店でゲンキクールを買って飲む。この旅行の最後にふさわしいのは、ゲンキクールだ。

  石垣17時05発の日本トランスオーシャン航空(JTA)076便で、羽田へ戻る。到着便の遅れで出発が少し遅れたが、ほぼ定刻通りの22時に羽田に到着した。

  帰宅は23時過ぎ。今回の沖縄離島旅行は、当初の期待をはるかに超えて楽しかった。特に、波照間島の海と星空は、本当に素晴らしかった。これは、近いうちにまた行くことになりそうだ。


6月17日(月)

2013年06月22日 00時50分10秒 | 2013年

  7時起床。昨日に引き続き、朝からがっつりご飯を食べる。普段の朝は全くお腹が空かないのに、この島へ来てからはやけに食が進む。

  8時半の開店と同時に郵便局へ行き、昨晩書いた彼女宛の手紙を郵送する。ポストへ入れてもいいのだが、窓口でお願いすると波照間島のスタンプを押してくれるのだ。どうせ波照間島から出すのなら、このスタンプを押してもらわないと。

  9時前に宿をチェックアウト。本当に、お世話になりました。また波照間に来る時は、オーシャンズさんにお世話になります。

  波照間港09時50分発の船に乗り、一旦石垣港へ戻る。


船は、人と一緒に荷物や郵便も運んでくる。

  石垣港の滞在時間は30分足らず。すぐに今度は竹富島行きの船に乗る。波照間島とは違い、竹富島までは10分で着いてしまう。

  竹富港から乗り合いバスで今日の宿「茜屋」へ送って頂き、荷物を預けて自転車を借り、さっそく島内散策へ出掛ける。宿のオーナーさんが冷たいさんぴん茶の入った水筒とわかりやすい地図を持たせて下さり、とても助かった。

  まずは、竹富島名物の赤瓦の街並みが見渡せる、なごみの塔へ。竹富島の古き良き街並みを見渡すには、ここが一番だ。風も気持ち良く、なんとも爽快な気分になる。

  街を散策していると、至る所で水牛車と出会う。これも、竹富島名物のひとつだ。今回は乗らなかったが、水牛車に揺られながらゆっくりと集落を見て回るのも良さそうだ。

  快活なシーサーがお迎えしてくれる食事処「かにふ」で昼食。冷やし八重山そばと、自家製ジンジャエールを注文。ジンジャエールは一瞬レモネードと間違うような優しい味で、おそばは冷たくさっぱりとした冷やし中華的な味だった。

  集落を出て、カイジ浜へ向かう。

  カイジ浜は、別名を「星砂の浜」と呼ばれている。手のひらを砂浜に押し付けると、手にくっついた砂の中に星形の砂がいくつも見つかる。これは実は砂ではなく、海の中の海藻などに生息する有孔中(ゆうこうちゅう)の脱け殻で、昔から「幸福をもたらす」と言われているらしい。私も頑張って星型の砂を集めて、幸福をお願いしておいた。

  続いては、竹富島で最も有名なコンドイビーチを訪れる。砂浜が広く、海も遠浅らしく、比較的多くの観光客が海水浴を楽しんでいた。ちなみに、私は海は波照間島で散々楽しんだので、入らずに眺めるだけにしておいた。

  今度は、西桟橋へ。ここから見える夕日は格別だという話を聞いていたので、夕方前に一度視察してみた。日中でも、ここののどかな雰囲気は一見の価値がある。桟橋に腰掛け、しばらくボーっとしていた。他に人が誰もおらず、何とも幸せな時間だった。

  集落へ戻る途中、やけに鮮やかな色の花が咲いているなと思ったら、これがフーゲンビリアだった。たまの「さよなら人類」の歌詞(フーゲンビリアの木の下で、僕はあのこを探すけど、月の光に邪魔されて、あのこのかけらは見つからない)にある「フーゲンビリア」が、一体どんな花なのかずっと気になっていたので、本物を見られて嬉しかった。

  集落へ戻り、パーラー「願寿屋」で休憩。シークワーサーのかき氷(ミルクトッピング)を食べる。暑い日差しの中で食べるかき氷は、なんでこんなに美味しいのだろう。これまた、何とも幸せな時間。

  島の北側へ自転車を走らせ、北端にある親泊御嶽(とすぐ近くにある美崎御嶽)へ。人気のないところにあるからかもしれないが、やはり御嶽は少し雰囲気が違う。こんなにまったりとした空気に包まれたこの島でも、やはりここだけはピンと張りつめた空気が流れているように感じられる。お寺とも神社とも少し異なるこの独特の雰囲気は、個人的にはかなり好きだ。

  大きな牧場の中を通り、集落へ戻る。こんなに広いところで放牧されたら、きっと牛もストレスなんかとは無縁で、美味しいミルクを出すんだろうな。更に言えば、美味しいお肉になるんだろうな。

  今度は、島の東側にあるアイヤル浜へ。アイヤル浜へ向かう道は、通称「蝶の道」と呼ばれており、実際に自転車で走っていると至る所を蝶が飛び回り、すぐ近くに寄ってきて一緒に移動しようとしたりする。蝶と一緒になって走ると、自然と明るい気持ちになる。


これが、通称「蝶の道」

  アイヤル浜で、しばらく海を眺める。西側にあるカイジ浜やコンドイビーチと違って人がいないので、まったりするには良い場所だ。波の音を聞きながら海を眺めていると、本当に穏やかな気持ちになれる。

  集落に戻り、西塘御嶽に立ち寄る。集落の中の御嶽でも、やはり雰囲気が良い。沖縄がもう少し近ければ、一度御嶽巡礼をやってみたい。

  水牛車観光の出発所にある売店で、黒糖ぜんざいと塩ソフトクリームを食べる。この暑さなら、冷たいスイーツをどんなに食べても食べ過ぎということはない。 

  今日の宿「茜屋」に戻り、チェックイン。この宿は全部で2部屋しかなく、オーナーが6年以上を掛けて自分で建てたという庭付きの大きな平屋で、壁は沖縄漆喰、畳は琉球畳、家具や食器などにも徹底してこだわっている。まさに、完璧。本当に、これ以上ない完璧な部屋である。唯一の難点は、部屋が良すぎて外に出たくなくなることぐらいだろうか。


これ全部、私専用のスペース。


色々な紅茶やお茶を自由に飲める。

  せっかくなのでお風呂にお湯を張り、バスアロマを数滴垂らして、ゆっくりと半身浴。部屋に置いてあった沖縄のうんちく本を読みながら、1時間ほどぬるめのお湯に浸かる。これが、最高に気持ち良い。大袈裟に聞こえるかもしれないが、これまで生きてきた中で最も気持ちの良いお風呂タイムだった。

  お風呂から上がって縁側でゴロゴロしていたら、大きなヤドカリがやってきた。全体的にゴツゴツしているが、全体のシルエットや動きがとても可愛くて、釘づけになる。しばらく私の前でうろちょろしてから、藪の中へ帰って行った。また、柱には数匹のヤモリがいて、これもまた可愛かった。

  18時半前に外出し、再びなごみの塔へ上って夕方の街並みを眺める。ここからの景色は本当にのどかで、とても気に入ってしまった。

  夕日を見に、西桟橋へ。思っていた以上に日の入り時刻が遅く、結局1時間以上桟橋に座っていたが、大阪から来たという学生さんと仲良くなり、楽しく待つことが出来た。そして、ここから見た西日は本当に美しく、幻想的だった。最後の最後で雲に邪魔されてしまったが、それもまた光が特徴的な反射を見せて綺麗に感じられた。何より、夕日を眺めるために待つという行為自体が、とてつもなく贅沢な時間の過ごし方に感じられた。普段なら、たまたま夕日を眺めることはあっても、それを目的にすることはほぼありえない。

最初はまだ陽が高い。


段々と低くなり、色も変わってくる。


いつの間にか、どんどん人が集まってくる。

  仲良くなって学生さんと一緒に、そば屋「竹の子」で夕食。私は名物の八重山そばと、先ほどの半身浴の際に読んだ本で沖縄人の定番メニューとして紹介されていたポーク&エッグを注文。彼は関西の大学の4回生で、メガバンクへの就職が決まり、学生生活最後の1年間を謳歌すべく、その第一段として1人で沖縄離島めぐりをしているらしい。とても人懐っこくて話しやすく、おかげで楽しい時間を過ごすことが出来た。ありがとう。残りの学生生活、思い切り遊んで良い思い出をたくさん作ってください。

このお店の写真は、日中に撮ったもの。


ポーク&エッグは、要するに卵焼きとスパムのこと。

  宿へ戻り、宿泊客専用にオーナーさんが開いてくれるバーでお喋り。もう1室は女性の1人旅で、札幌から来た方だった。美味しいカクテルを飲みながら、沖縄の話や旅行の話、普段の仕事の話などで盛り上がる。特に、関西出身のオーナーさんが、竹富島に住み始めて最初の頃に沖縄特有の「うちなータイム」に苦しめられた話が面白かった。旅行とは違い、テーゲー(適当)な沖縄の人たちの中で暮らすのは、想像以上に大変なことなのだろう。結局、21時過ぎから23時半前まで、2時間以上お喋りしていた。とても楽しい時間を、ありがとうございました。

  もう一度お風呂にゆっくりと浸かってから、縁側で休憩。こんな良い宿に泊まったら、寝たくなくなる。