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【あらすじ・感想】文庫版・『ガラスの仮面』第04巻【ネタバレばれ】

2014-09-24 01:31:53 | ガラスの・・・あらすじ
※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※


仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら

49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら

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『ガラスの仮面』文庫版第04巻 ※第5章(途中から)※第6章(途中まで)

第5章 あした草

足の不自由な演技を修得するため、マヤは自身の左足を縄で縛り上げた。
そして撮影2時間前からずっと階段の昇り降りを続けている。
本番スタート
縄を解き、入院服に身を包んで動かない足を引きずりながら階段を昇る様は、
もはや病人のそれと変わらなかった。
ほとばしる汗と弾ける笑顔
「はい、おとしもの」
カメラはその時主役の姿ではなくマヤ1人を映し出していた。
名前もないチョイ役のマヤだけを。

母、歌子に紅天女について尋ねる亜弓。
それはとても難しい役、女優として多くの演劇経験を積み、
才能を磨いていったその先にようやくうっすら見えてくるものだと。
さまざまな役に挑戦するため、亜弓は慰問劇で野獣の手下という
いわゆる端役に名乗りをあげた。

エキストラ出演で得たわずかばかりのギャラでつきかげメンバーに
ケーキをふるまうマヤ。
さらに色々な役に挑戦したい意欲がふくらみ、マヤは学校の演劇部の
ドアを叩く。
いまいましく思う部員達はマヤに雑用ばかりさせるが、マヤは全く
厭う様子もなく作業を行う。
そしてようやく回ってきた役は、ただの通行人だった。
セリフも何もなく、ただ舞台の端から端まで歩くだけ、
さぞかし落胆するだろうとほくそ笑む部長にマヤは
「どういった人物ですか」
と尋ねた。
例え単なる通行人であっても、若いのか年寄りか、
お金持ちなのか貧乏なのか、演技の違いが生まれる。
マヤは当たり前のように女優として、通行人になりきろうとしていた。
迎えた星城学園文化部発表会当日、女王役の中村が急に腹痛を訴え舞台に立てなくなってしまった。
そして稽古の過程でセリフを全部覚えていたマヤが急きょ代役を務めることになった。

舞台の上でのマヤはまさに女王だった。
いつものおっちょこちょいで地味なマヤをみじんも感じさせない演技、
セリフだけでなく立ち振る舞いなど全身から威厳がにじみ出ていた。
舞台は無事に終了し、また一つ新しい役に挑戦できたマヤは達成感と
さらにさらに次の舞台を求める気持ちが高まるのだった。

発表会の帰り、アパート前に大都芸能の黒塗りの車が停まっているのを見つけるマヤ。
速水真澄がみずから月影千草に、紅天女の上演権を任せるよう交渉に訪れていたのだ。
大都芸能、いや真澄の父英介とは古くからの因縁がある千草、何があっても大都にだけは譲るつもりはない。
興奮した千草は持病の心臓発作で倒れこんでしまう。
そばで泣きじゃくり真澄を罵倒するマヤ、しかし真澄は冷静に、すぐに医者を呼ぶよう指示をしながら
みずから千草を介抱し、なんとか大事には至らなかった。
「チビちゃん、オンディーヌへの入団を断ったそうだね」
マヤの反抗も素知らぬ顔、マヤをチビちゃん扱いしながら、真澄は冷徹に
つきかげのこと、千草のことを思うならオンディーヌに入った方が金銭的負担が軽くなっていいと
言い放ち帰っていった。
真澄から発された冷酷な言葉にマヤは大いに傷ついた。
しかし同時に真澄の心も傷ついているのだった。

現在千草は落ち着きを取り戻しているが、現状ではすぐにでも入院の必要があるとの
医師の診断、しかし高額な入院費を出せる余裕はなかった。
途方に暮れるメンバー、劇団さえつぶれていなければ・・・。
そこへ例の演劇コンクールで審査対象から外れる原因を作った元団員達に遭遇する。
彼らはオンディーヌの小野寺にそそのかされて工作を行ったことを告白し、謝罪した。
小野寺、そしてその後ろには大都の速水真澄が糸を引いているに違いないと思って疑わないマヤは、
千草の見舞いに訪れた真澄を追い帰し、持ってきた花束を投げつけた。
自分が全国大会の裏工作の首謀者であると疑われたことにショックを受けた真澄だったが、
千草がすぐにでも入院が必要なことを知り、紫のバラの人の名前で千草を入院させる手続きをとった。

よもや紫のバラの人が真澄であると知るはずもないマヤ、
こんなに自分に親身になってくれる自分のファンに、かならずや自分の芝居を見せたいと
改めて舞台への情熱を燃やすのだった。

**

どこか自分が出演できる劇場はないかと街を歩き回って探すが、そう簡単には見つからない。
何軒も何軒も門前払いを食らいながら、それでもマヤは劇場に向かい続けた。
栄進座の座長原田菊子は、月影千草がマヤを紅天女の後継者にと思っていることを知り、興味を抱く。
そしてマヤを起用することにした。
マヤは栄進座『おんな河』の子守役として出演することが決まった。

その頃亜弓は、次の舞台で王子とこじきの一人二役に挑戦していた。
亜弓は長かった髪をばっさり切り落とした。
こじきの役になりきるため全身を汚し、みすぼらしい格好。
これまでの美少女のイメージとはまったく異なるその姿に、周囲は驚きと動揺を隠せない。
ある日、日帝ホテルで開催された演劇関係のパーティーに出席した姫川歌子と亜弓は、
同じく出席していた原田菊子から、マヤが栄進座の次の舞台に立つことを聞く。
紅天女の候補女優、いったいどれほどの実力があるのか興味があると。
マヤが紅天女の候補だと聞いた亜弓の体には、ふつふつとわき立つライバル心があふれていた。
そして、その話を偶然聞いた真澄の心中ではどこか期待と喜びの思いが膨らむのであった。

こじきの演技を修得するため、本当のこじきのように街中でふるまう亜弓。
本番でもそんな亜弓の本格的な演技に、普段の美しい姿を期待していた観客は飲まれてしまう。
しかし亜弓は機転を利かせ、自らの演技力でうまく観客を自分の味方につけ、
舞台は大成功、連日の超満員、TV中継までされるほどの人気となったのだった。

一方マヤも、栄進座の舞台に立つ。
途中、マヤに役を奪われた女優のいやがらせで、小道具の人形の頭が外れるというハプニングが起こるが、
マヤは見事なアドリブでピンチを切り抜けた。
その後も舞台上でどんどん存在感を増し、光り輝くマヤ。
ほんの端役にも関わらず、観客は気づけばマヤの動きを追うようになっていった。
舞台は大成功、かと思われたが座長の原田菊子の表情は冴えなかった。
「あの子は・・・舞台あらし」
ひとたびマヤが舞台に立てば、全体が彼女に巻き込まれる・・・・。

第6章 舞台あらし
普段は地味で目立たない普通の女子中学生のマヤ。しかし舞台に上がれば不思議な魅力を放つ彼女に、
クラスメート達も驚きを隠せない。
入院している千草のもとには、今日も紫のバラが届いていた。
名前も知らないマヤのファン。千草をはじめつきかげメンバーも、誰ともわからないその人に
感謝の気持ちを抱いていた。
そんな千草の所に栄進座の原田菊子が見舞いに訪れた。
原田菊子はマヤの持つ天性の才能に気づき畏れた。彼女が出れば舞台がかすむ。
彼女によって舞台は荒らされる・・・。
原田は自らの栄進座を守るため、マヤを二度と起用することはなかったのだ。
そんな原田に、しかし千草はきっぱりと言い放つ。
「いつか大衆があの子を望むようになる!なによりも大きな大衆の力でささえられる日が来る!」

桜小路がマヤに、アルバイトの話を持ってきてくれた。
知り合いの通う大学の演劇サークルで雑用係を探しているという。
さっそくそのバイトを始めるマヤ。
ある日幼稚園への訪問イベントでのステージ準備を手伝っていると、団員の車が事故渋滞で送れるとの
連絡が入る。
じっとできない子供たちはどんどん騒ぎだし、それをなだめるためにマヤは自ら
白雪姫を演じ、語り始めた。
何人もの役を一人で見事に演じ分けるマヤに、園児達は引き込まれ、かたずをのんでマヤの演技に
見入っていた。
そして遅れて到着した団員をよそに園児たちはマヤに夢中になり、面目をつぶされた団員は
プライドを傷つけられたとマヤのクビを切った。
ショックを受けるマヤ、しかし麗の励ましもあり再び演劇への情熱を燃やすのだった。
そんなマヤのもとに、東洋劇場の人間が訪ねてきた。
東洋劇場新春舞台『嵐ヶ丘』の主役キャサリンの少女時代の役のテストを受けてみないかと
スカウトしに来たのだ。
栄進座の『おんな河』の舞台を観ていた東洋劇場の会長はマヤに興味を持っていた。
テスト当日、緊張して思うような演技ができなかったマヤだったが、その会長の押しにより、
テストに合格、キャサリン役をつかむ。

稽古がスタートしても、なかなかキャサリンの心情がつかみきれないマヤ。
しかし偶然出会った小さな男の子の遊び相手をしているうちに、ヒースクリフ以外に友達のいない
キャサリンがいかにヒースクリフを大事に思い、誰にも渡したくない気持ちでいたか、
その激しい思いを身に付けるのだった。
私には、ヒースクリフしかいない。私から、ヒースクリフを奪わないで!!
見違えるようなマヤの変化に、ヒースクリフの子供時代を演じる真島良は激しく心を揺さぶられた。
由紀という恋人がいながら、気づけばマヤのことを考えてしまう。

大都芸能では、来年10月オープン予定の大都タウンビル10Fの新劇場でのこけら落とし公演に関して
議論が交わされていた。
演目は、ヘレン・ケラーの『奇跡の人』
しかし、三重苦という難役をこなすことのできる役者を見つけるのは大変なことである。
特定の劇団に絞らず実力のある役者を見つけるため、今からめぼしい人材をリストアップするよう
真澄は指示をだした。
部下から最有力候補として姫川亜弓の名を出された真澄、しかしその亜弓が恐れる少女がいることを
伝え、優秀な候補を引き続き探すよう部下を促した。
さてそんな少女はいったいどこに・・・。

その頃、横浜の小さな中華料理屋では、マヤの母、春が結核を患っていた。
飲食店の従業員が結核など、即クビになってしまう。
しかし働かなければ生きていけない、いったいわが子マヤはどこで何をしているのだろう。
女優になりたいだなんて、おまえみたいなつまらない娘が・・・
本当に馬鹿な娘・・・・

第05巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
「ほんに子守も楽じゃねえ」の名言炸裂の「おんな河」そして舞台あらし・マヤの登場です。
何をやっても真澄が憎い、が確立しました。
演劇コンクールの裏工作は完全に小野寺の仕業なのに、真澄も噛んでることにされて、
ま、普段の真澄だったらそういうことも平気でやっていたのでしょうから
疑われても致し方ない、という気持ちだったかどうかは定かではありません。
しかし、理不尽にマヤから花を投げつけられてほっぺたに傷を負ったのに、
そのすぐ後に医者から千草の様子を聞いて即入院手続きを取るなんて、
改めて読み返してその行動力と心の広さに脱帽モノです。

『ジーナ・・・』以降、マヤの舞台は直接見ていないと思いますが、
その代り直接顔を合わせ、話をする機会も増えているので、
マヤの素の顔を見れば見るほど、惹かれちゃってるって感じでしょうか。
というより、わざわざ顔を見るために行く口実作っているという気もする。

いやいや、本人気づいていないだけで完全にもう真澄、マヤのこと好きですよ。

そして巻末ではのちに二人の最大の障壁となるマヤの母問題が少しずつ膨れています。
いなくなってもまだ“つまらない子”と言っちゃってる母に、
私はやっぱり感情移入できません。。。

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